レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年8月8日
- 登録日時
- 2015/06/27 00:30
- 更新日時
- 2015/06/27 09:16
- 管理番号
- 和図-15-0001
- 質問
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解決
1江戸時代、和歌山(紀州藩)にあった時鐘(堂)について設置年や現存の有無を知りたい。
2現存していれば、その時鐘の写真が載っている文献はないか。
- 回答
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1 当時、本町五丁目と岡山(両地とも現和歌山市)の2カ所に時鐘堂が設置されていた。本町五丁目の時鐘堂は、慶長五年(1600年)に設置され、大正六年(1917年)に除去されたとある。岡山の時鐘堂は、正徳二年(1712年/五代紀州藩主徳川吉宗の時代)に建築され、同年9月1日に鐘のつき初めを行ったと記されている。大正十年(1921年)三月三十一日に時報廃止となり役目を終えたが現存している。岡山時鐘堂の梵鐘(釣鐘)においては、紀州藩主二代徳川光貞の命により、元禄年中に造られている。
2 『和歌山県文化財報告書(八)』(和歌山県 編 1974年 歴史図書社)58頁に所収の「和歌山県文化財調査報告書 第二集」の「岡山時鐘堂」の項目に、梵鐘の写真がある。
- 回答プロセス
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1
(1)『和歌山県史 近世』(和歌山県史編さん委員会 編 1990年)に該当なし。
(2)『南紀徳川史』総目録により、同書の第一巻(堀内信 編 1970年 名著出版)485頁に「岡山時の鐘」の項目を見つける。
(3)『南紀徳川史』の記述内容を簡単に解説している資料はないか、『和歌山県文化財報告書(八)』を調べた結果、岡山時鐘堂及びその梵鐘について詳細な解説があった。また、梵鐘の写真(白黒)もあり、上記の質問2の回答とした。
(4)『和歌山市史 第2巻 近世』(和歌山市史編さん委員会 編 1989年)を調べた結果、528頁に、本町五丁目並びに岡山の時鐘についての記述があり、岡山時鐘(堂)の解説の参考文献が『南紀徳川史』であることが確認できた。
(5)本町五丁目の時鐘堂に関する記述が少ないので、上記(3)の『和歌山県文化財報告書(八)』における「岡山時鐘堂」の調査報告者である田中敬忠氏の著書『紀州今昔 ―和歌山県の歴史と民俗』(田中敬忠 著 1979年 帯伊書店)を調べた結果、61頁に「時鐘堂」の項目があり、本町五丁目の時鐘堂についての解説があった。
2
上記1(3)のとおり。
※国立国会図書館デジタルコレクション(以下アドレス)により、キーワード「岡山時鐘堂」で検索した結果、『和歌山縣史蹟天然記念物調査會報告第十八輯』(和歌山縣 編 1939年)が該当し、「岡山時鐘堂」の掲載写真があった。
(アドレス)http://dl.ndl.go.jp/
- 事前調査事項
- NDC
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- 近畿地方 (216)
- 芸術政策.文化財 (709)
- 参考資料
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- 『南紀徳川史』
- 『和歌山県文化財調査報告書』
- 『和歌山市史』
- 『和歌山県の文化財 第2巻』(安藤精一 編 1981年 清文堂出版)
- 『紀州今昔 ―和歌山県の歴史と民俗』
- キーワード
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- 時鐘堂
- 岡山時鐘堂
- 紀州藩
- 和歌山市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000176476