レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年9月16日
- 登録日時
- 2017/08/29 14:01
- 更新日時
- 2020/03/31 15:22
- 管理番号
- 県立長野-17-080
- 質問
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信濃国絵図について以下のことについて教えてほしい。
1 刊行(刷り物)の国絵図について、京都・江戸の書肆などが主体のものと、信濃の民間人が主体のものとに分けると、どのように分類できるか。
2 刊行の国絵図は総数(種類)として、どれくらいあるか。
3 藩主導の刷り物の国絵図はあるか
4 手書きの信濃の国絵図で民間人主導のものはあるか。
- 回答
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照会先(松代文化施設等管理事務所)の回答をもとに『信濃国絵図の世界』 長野市立博物館 1998 【N293/57】という資料をもとに回答する。この資料は平成10年7月26日から9月6日までを会期とする特別展「信濃国絵図の世界」の展示図録であり、この図録刊行時点での情報。なお、平成10年の図録刊行から調査は進んでいないとのこと。
※松代文化施設等管理事務所:この資料の執筆者の現任地(2020年3月30日最終確認)
1 刊行(刷り物)の国絵図について、京都・江戸の書肆などが主体のものと、信濃の民間人が主体のものとに分けると、どのように分類できるか。
『信濃国絵図の世界』 長野市立博物館 1998 【N293/57】より、刊行主体
三都主体のものNo.32、33、35、36、37、38 信濃主体のものNo.30、40
(Noはこの資料に掲載の地図番号)
2 刊行の国絵図は総数(種類)として、どれくらいあるか。
約11枚
3 藩主導の刷り物の国絵図はあるか
なし
4 手書きの信濃の国絵図で民間人主導のものはあるか。
不明
No.44は瀬下敬忠主導
No.42、43は森幸安主主導
照会先
真田宝物館〔松代文化施設等管理事務所〕〒381-1231長野市松代町松代4-1
Tel:026-278-2801 Fax:026-278-2847 (2017年9月15日最終確認)
当館での調査済み資料
『信濃国絵図の世界』 長野市立博物館/編 長野市立博物館 1998 【N293/57】
『長野県絵図・地図目録』 長野県立歴史館/編 長野県立歴史館 1995 【N027/23】
『絵図にみる信濃』 長野県立歴史館/編 長野県立歴史館 1995 【N293/41】
『松代藩の国絵図・城下絵図・町絵図』 長野市教育委員会文化財課松代文化施設等管理事務所(真田宝物館)/編集 長野県教育委員会文化財課松代文化施設管理事務所 2014 【N212/551】
『国絵図の世界』 国絵図研究会/編 柏書房 2005 【291.03/クニ/】
『国絵図』 川村 博忠/著 吉川弘文館 1996 【291.03/カヒ/】
『江戸幕府撰国絵図の研究』 川村 博忠/著 古今書院 1984 【291.03/カヒ/】
- 回答プロセス
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1 当館のオンライン蔵書目録検索システムで「国絵図(キーワード) N(分類) 所蔵あり」で検索。
『信濃国絵図の世界』p16-23「3 刊行国絵図と地誌」あり
刊行国絵図として11枚の図の掲載あり。p34-35の「展示資料一覧」によると刊行国絵図として15枚の図が展示された。
ここに掲載された地図のうち「信濃国輿地全図 長野県立歴史館」の解説には、本図は手書きの彩色図であるが、国立国会図書館等に所蔵されている同様の図については版本に着色が施されていること、また作成にあたっては松本藩との関係が想定されるとあり。
p16解説に「信濃国絵図の特徴として、刊行図にもかかわらず禁売買と書かれる、刊行年月日、版元がわかるものがすくない、その作成目的が神社・仏閣への巡拝や旅行案内を主な目的に作られている」という記載あり。
2「信濃 国絵図 手書き」でGoogle検索
紙本墨書着色 正保・元禄信濃国絵図 - 上田市マルチメディア情報センター
http://museum.umic.jp/kochizu/
正保信濃国絵図の解説に次の記載あり。「幕府に保管されていた正保の国絵図の正本は現存しないことから、この絵図は写しとは言っても現存する最も古い信濃国絵図として貴重なものとなります。国絵図の製作にあたっては、信濃国では真田伊豆守信之(松代藩)・松平因幡(いなば)守忠憲(ただのり)(小諸藩)・脇坂(わきさか)淡路守安元(やすもと)(飯田藩)・水野隼人正(はやとのしょう)忠晴(松本藩)・仙石越前守政俊(上田藩)・松平万助忠倶(ただとも)(飯山藩)・鳥居主膳正(しゅぜんのかみ)忠春(高遠藩)・諏訪出雲守忠垣(ただがき)(高嶋藩)・岡上甚右衛門景親(かげちか)(代官)・設楽長兵衛能業(のりなり)(代官)が共同で受け持ち(相持ち)ました。絵図は、特定の絵師により清書はされていません」(「解説」より)
元禄の信濃国絵図「。信濃国は小藩が分立することから4大名が共同で受け持ち(相持ち)ました。信濃国絵図は、元禄14年(1701)9月に真田伊豆守幸道(ゆきみち)(松代藩)・水野隼人正忠直(松本藩)・仙石越前守政明(上田藩)・松平遠江守忠喬(ただたか)(飯山藩)が絵図元になり調整し、作成されました。元禄国絵図は、幕府の御用絵師であった狩野良信が各絵図元からの依頼で諸国の絵図の清書をほぼ一手に引き受けています。信濃国絵図も狩野良信によるものと思われます。この元禄信濃国絵図も、上田藩仙石家に伝来していた控本と考えられます。なお、上田市立博物館には、仙石氏のあと上田藩主となった松平家に伝わった元禄信濃国絵図を縮小して写したものも所蔵されています。これは、掛け軸に仕立てられており、両者の違いをみるのもおもしろいでしょう。」
3 照会先(松代文化施設等管理事務所)の回答をもとに『信濃国絵図の世界』 長野市立博物館 1998 【N293/57】を参照して回答。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 地球.天文地理学 (448 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 国絵図
- 照会先
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- 真田宝物館 (2017年9月13日最終確認)
- 松代文化施設等管理事務所https://www.city.nagano.nagano.jp/site/kyouiku/5115.html (2017年9月13日最終確認)
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000221145