レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年12月15日
- 登録日時
- 2024/01/26 10:58
- 更新日時
- 2024/02/15 15:06
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2023-011
- 質問
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解決
100年前に市立名古屋図書館が開館したときの入館料はいくらだったのか。当時として安かったのか高かったのか知りたい。
- 回答
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普通閲覧券が1回3銭で、当時のとうふ一丁と同じ値段でした。ほかに特別閲覧券やお得になる回数券もあったようです。
- 回答プロセス
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市立名古屋図書館が開館したのは、大正12(1923)年10月1日です。
(1)図書館の年史を確認しました。
『[名古屋市]鶴舞図書館四十年史 大正12年〜昭和38年』(p.15)
『名古屋市鶴舞中央図書館50年史』(p.7-8)
『名古屋市鶴舞中央図書館七十年史 1923〜1993』(p.5)
大正12(1923)年9月28日の名古屋新聞の記事や館則(大正12年8月6日名古屋市告示第127号)摘要からの引用があり、入館料がわかりました。
・普通閲覧券(入場券)…1回3銭
特別閲覧券(特別閲覧室が利用できる)…1回6銭
・回数券…普通は10回20銭、30回50銭
特別は10回50銭、30回1円50銭
そのほか、次のことがわかりました。
・館外閲覧(館外携出)には携出閲覧料が必要。(大正13年4月1日開始)
・児童室(6歳以上)、新聞室の両閲覧は無料。
(2)『名古屋新聞(縮刷版)』の記事を確認しました。
次の日付に市立名古屋図書館の開館のお知らせや利用案内の記事が載っています。
・大正12(1923)年9月28日(朝刊9頁)
・大正12(1923)年10月1日(朝刊6頁)
(3)そのほか、当館で所蔵している下記の資料にも閲覧料の記載を確認しました。
『回數閲覽券』市立名古屋圖書舘 [192-](※30回分)
『市立名古屋図書館案内』名古屋市立名古屋図書館 1923
『市立名古屋圖書館概要』市立名古屋圖書館/[編] 市立名古屋図書館 1923
(4)価格について調べました。
リサーチナビ(https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi)の「価格の調べ方」に記載の本を見てみましたが、東京での価格のため名古屋でも同様だったのかはっきりとわかりませんでした。(最終確認日2023年1月26日)
新聞の各紙の商品面にも相場表が掲載されているとのことでしたので、当時の新聞を確認しました。
『新愛知新聞(縮刷版)』大正12(1923)年10月2日(朝刊8頁)
・商品市價の「市公設小売」欄で3銭のもの…「かぶら菜 一把」「西瓜 百匁」「とうふ 一丁」
『名古屋新聞(縮刷版)』大正12(1923)年10月2日(朝刊8頁)
・ナゴヤ諸物價の欄で3銭のもの…「かぶら 一杷」
『名古屋市公設市場概要』
・p.7-「市内物價調(大正十三年五月十五日)」に品目ごとに卸、市場、市場以外の3種類の価格が書かれています。
「とうふ一丁」は、卸=2.5銭、市場=3銭、市場以外=5銭でした。
市場価格が同じ3銭のものは「かぶらな 一杷」「たくあん漬 百匁」「鶴たわし 一個」でした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 図書館政策.図書館行財政 (011 9版)
- 参考資料
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- 名古屋市鶴舞図書館/編集. [名古屋市]鶴舞図書館四十年史 大正12年〜昭和38年. 名古屋市鶴舞中央図書館(製作), 1990.
- 名古屋市鶴舞中央図書館/編. 名古屋市鶴舞中央図書館50年史. 名古屋市鶴舞中央図書館, 1974.
- 名古屋市鶴舞中央図書館/編集. 名古屋市鶴舞中央図書館七十年史 1923〜1993. 名古屋市鶴舞中央図書館, 1994.
- 名古屋新聞縮刷版 オンデマンド版. 双光エシックス(制作), 2011. (大正12年9月,大正12年10月)
- 新愛知縮刷版 オンデマンド版. 双光エシックス(制作), 2013. (大正12年10月)
- 名古屋市勧業課/編. 名古屋市公設市場概要. 名古屋市勧業課, 1924. (『名古屋市社会調査報告書 5 』(近現代資料刊行会/企画編集,近現代資料刊行会,2004)p.137-183にも収録)
- キーワード
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- 図書館ー名古屋市
- 市立名古屋図書館
- 有料
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000345477