レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20221122
- 登録日時
- 2023/01/24 10:49
- 更新日時
- 2023/02/16 11:44
- 管理番号
- 相ー220011
- 質問
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未解決
『平家物語』に維盛の嫡男・六代の妹(名は夜叉御前)が巻12(小学館の新編日本古典文学全集『平家物語(2)p463の頭注13』)に出てきます。
なぜ「夜叉御前」という名前を付けたのか、そのいわれを教えてください。維盛についての書物を読んでも、その名の由来についての記述は見つかりません。なぜ「夜叉」という恐ろしい名を女子につけたのか、その理由が分かりません。厄除けのような意味があったのでしょうか。
- 回答
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・『平家物語大事典』大津雄一ほか編 東京書籍 2010
p.234に「平維盛の娘」が立項されており「延慶本巻七、屋代本巻七はじめ、覚一本以外の多くの諸本で名を「夜叉御前」と記す」と記載されています。凡例には「延慶本=『延慶平家物語 一~六』(汲古書院)」「屋代本=『屋代平家物語』(角川書店貴重古典籍叢刊)」、「覚一本=『平家物語 上・下』日本古典文学大系・岩波書店」とあります。
また『三長記』では「故維盛女」、『明月記』では「維盛卿女」、「二品の親姪」、「故三位中将〈維盛卿〉の女子禅尼〈二品の姪〉」と記されているとの記述があります。
・『名づけの民俗学』田中宣一著 吉川弘文館 2014
p.144「実名の敬避」に「実名を呼ぶのは無礼だったが、女性の場合はとくに秘していた」「貴族の系図に女とだけ記されていて、名前は明かされていない」等の記述があります。
p.165「悪名・獣名」に「現代の常識からは外れた強烈な名前をつけることがあった。(中略)悪霊を避けようとする、一種の呪術と考えてよいであろう」等の記述があります。
・『日本語学大辞典』日本語学会編 東京堂出版 2018
p.552「人名」が立項されており「【名づけの歴史】」に「女子も、幼名が用いられたが、一部には呼び名(中略)を使用する場合もあった」「名づけにあたって当人に対する悪意が含まれている場合とそうでない場合があり、愛称と重ならないこともある」等の記載があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913)
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 日本語 (810)
- 参考資料
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大津雄一, 日下力, 佐伯真一, 櫻井陽子 編 , 大津, 雄一, 1954- , 日下, 力, 1945- , 佐伯, 真一, 1953-. 平家物語大事典. 東京書籍, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011036711-00 , ISBN 9784487799831 -
田中宣一 著 , 田中, 宣一, 1939-. 名づけの民俗学 : 地名・人名はどう命名されてきたか. 吉川弘文館, 2014. (歴史文化ライブラリー ; 373)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025241925-00 , ISBN 9784642057738 -
日本語学会 編 , 日本語学会 (2004年). 日本語学大辞典 = The Encyclopedia of Japanese Linguistics. 東京堂出版, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029247526-00 , ISBN 9784490109009
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大津雄一, 日下力, 佐伯真一, 櫻井陽子 編 , 大津, 雄一, 1954- , 日下, 力, 1945- , 佐伯, 真一, 1953-. 平家物語大事典. 東京書籍, 2010.
- キーワード
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- 平家物語
- 人名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000327782