レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/5/21
- 登録日時
- 2022/09/02 00:30
- 更新日時
- 2022/09/02 00:30
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 泉野-503005
- 質問
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解決
【「ウイルス」の表記について】「ウイルス」、「ウィルス」どちらの表記が正しいか。その根拠が書かれた資料が見たい。
- 回答
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〇辞典の表記
下記辞典類はいずれも「ウイルス」を採用し、同義語として「ウィルス」を掲載するものがある。
『広辞苑 第7版』 新村出/編 岩波書店 2018年 (413869454) p.240「ウイルス」(バイラス、ビールス)
『大辞林 第4版』 松村明/編、三省堂編修所/編 三省堂 2019年 (414301894) p.219「ウイルス」(ウィルス、ビールス、バイラス)
『日本国語大辞典 第2巻 第2版』 小学館国語辞典編集部/編 小学館 2001年 (411976624)「ウイルス」(ビールス、ヴィールス)
『最新医学大辞典 第2版』 後藤稠/〔ほか〕編 医歯薬出版 1996年 (411273259) p.121「ウイルス」(ビールス)
『カタカナ外来語略語辞典 第5版』 堀内克明/監修 自由国民社 2013年 (413910078) p.84-85「ウイルス」(ヴァイラス、ヴィールス、ビールス)
『日本大百科全書 2』 小学館 1985年 (418051987) p.887「ウイルス」、「学術用語としては「ウイルス」が採用されているが、ほかにビールス、ウィルス、バイラス、濾過性病原体などの語が使用されてきた。」
〇「ウイルス」表記統一の経緯
ウィキペディア「ウイルス」(2021年5月21日閲覧)に、1953年(昭和28年)に日本ウイルス学会が設立されたのを機に、「ウイルス」という表記が日本語の正式名称として採用されたとの説が掲載されている。
出典:日本ウイルス学会ホームページ「日本ウイルス学会について」
http://jsv.umin.jp/about_jsv/about_jsv.html
『植物病理学事典 』(1995年)p.91
J-STAGEで会誌「VIRUS」のバックナンバーを確認すると、1953年2号から表記が「ウイルス」に統一されている。
国立国会図書館サーチで「日本ウイルス学会」と検索することにより、同会が1953年6月頃に設立されたことが確認できる。
〇外来語表記上の取扱い
「外来語の表記」(平成3年6月28日内閣告示第二号)第2表に「ウィ」が掲載されている。第2表に示す仮名は、原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名で、これらの仮名を用いる必要がない(国語化の程度が高い)場合は、第1表に示す仮名の範囲で書き表すことができるとされている(例 イェ→イエ ウォ→ウオ トゥ→ツ, ト ヴァ→バ)。
文化庁ホームページ
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/gairai/index.html
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- ウイルス、小書き文字、現代仮名遣い
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000320760