レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/07/22
- 登録日時
- 2022/03/03 00:30
- 更新日時
- 2022/03/03 11:59
- 管理番号
- 所沢椿峰-2021-011
- 質問
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解決
冬眠のように、夏に眠る生物はいるのか知りたい
- 回答
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生物は、厳しい環境に置かれると活動や成長を止めた状態で過ごすことがあり、これを「休眠」と言います。体温が下がる冬に「冬眠」する生物が多くいますが、カタツムリやハイギョなど暑く乾燥した時期に「夏眠」する生物もいます。
(参考:『冬眠のひみつ』 近藤宣昭/監修 PHP研究所 2017年より)
また、下記資料に記載されています。
〇『世界大百科事典 6』 平凡社 1988.3 031
〇『動物のちえ 4』 成島悦雄/監修 偕成社 2014年
〇『冬眠のひみつ』 近藤宣昭/監修 PHP研究所 2017年
〇『どうぶつビックリくらしかた』 アネット・ティゾン/[著] 評論社 1999年
〇『総合百科事典ポプラディア 4』 ポプラ社 2021年
〇『魚・貝の生態図鑑』 学研教育出版 2011年
〇『カタツムリ』 今泉忠明/監修 金の星社 2013年
〇『カタツムリ』 七尾純/構成・文 偕成社 1980年
〇『カタツムリ観察事典』 小田英智/構成・文 偕成社 1997年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『世界大百科事典 6』 平凡社 1988年
p69「夏眠」の項に、夏に活動を停止して秋を待つ動物などについて記載されている。
夏の高温や乾燥が厳しい気候において、無脊椎動物や両生類、爬虫類(リクガメの類)、肺魚類などが土中に潜み夏眠すると記載されている。
〇『動物のちえ 4』 成島悦雄/監修 偕成社 2014年
p28-31「夏に長く眠るちえ」の項に、「夏眠」について気温が高くなり場所によっては乾いた日が続く夏の期間、体力を使わないように生きにくい時期を乗り越えるため眠って過ごす生物がいることが写真付きで記載されている。
ミスジマイマイ(カタツムリ)は、夏の暑く乾燥した季節は殻の中に体を入れ口の部分に膜を張り眠り続け、ミズタメガエルは、砂漠に生息するが雨が降った際に体の中に水を溜め地中に潜り続け次の雨まで眠って過ごすことが記載されている。
〇『冬眠のひみつ』 近藤宣昭/監修 PHP研究所 2017年
p33「第2章変温動物の冬眠」「変温動物の冬眠のひみつ」「冬眠だけではない「休眠」」の項に、厳しい環境では活動や成長を止めた状態で過ごす生物がおり、夏の場合は「夏眠」と呼ばれると記載されている。
p40同章「カタツムリ」の項に、乾燥に非常に弱いため冬眠と夏眠の両方を行い、落ち葉の下や木の幹に貼り付いて過ごすことが写真付きで記載されている。
p50「コラム水がなくても夏眠で乗りきるハイギョ」の項に、沼に住む肺魚(ハイギョ)は肺呼吸する魚で雨季と乾季が分かれる環境に生息するが、乾季では体から出す粘液で沼底の土を固めて繭を作り夏眠して生き延びることが写真付きで記載されている。
〇『どうぶつビックリくらしかた』 アネット・ティゾン/[著] 評論社 1999年
p48「夏眠」の項に、暑く乾燥した季節を眠って過ごすことを指すと記載されている。
ハイギョについて、乾いた雨の降らない季節になると泥の中に潜り込み、4年間も生きることができるとイラストを用いて記載されている。
2.後日調査の追加事項
〇『総合百科事典ポプラディア 4』 ポプラ社 2021年
p157「夏眠」の項に、気温が高い夏や乾燥した季節に対する適応で休眠とも呼ばれると記載されている。カタツムリやテントウムシ、ミミズ、カエル、ハイギョなどが知られていると記載されている。
また、植物では、ヒガンバナや乾燥地帯の多肉植物などが、地上部をからして根だけで夏眠し、水分が得られると葉や茎を茂らせると記載されている。
〇『魚・貝の生態図鑑』 学研教育出版 2011年
p90-91「水のない乾期に水生動物はどうやって生き延びているのか」の項に、ハイギョは水のなくなる乾期、泥の中にトンネルを掘ったり、土中に泥の繭を作ったりして水が戻るまで休眠していると写真付きで記載されている。
〇『カタツムリ』 今泉忠明/監修 金の星社 2013年
p24-25「夏のカタツムリ 冬のカタツムリ」の項に、夏のカタツムリは殻の中に体をしまい葉の裏や木の枝にくっついて眠り、冬のカタツムリは落ち葉の下で殻に閉じこもって眠ると写真付きで記載されている。
〇『カタツムリ』 七尾純/構成・文 偕成社 1980年
p20-21にカタツムリは暑さや乾燥が苦手なため暑い夏を休眠し、地面や落ち葉の下で雨が降るの待つと写真付きで記載されている。
〇『カタツムリ観察事典』 小田英智/構成・文 偕成社 1997年
p26-27「夏をすごすカタツムリ」の項に、暑さや乾燥から逃れるために多くのカタツムリは湿った土や落ち葉の中で生息し、ミスジマイマイなどの樹上性のカタツムリは、木の上の木かげで枝や幹にくっついたまま何日も過ごすと写真付きで記載されている。また木にくっつく際にはエピフラムという膜を殻の口に覆い、木との接着と乾燥から守る役割を果たしていると写真付きで記載されている。
3.記載のなかった資料
×『動物はいつから眠るようになったのか?』 大島靖美/著 技術評論社 2018年
p61-69に動物や植物の冬眠について記載されているが、夏眠については記載されていなかった。
×『眠れなくなるほどおもしろい睡眠の話』 関口雄祐/著 洋泉社 2016年
p64-66に動物の冬眠について記載されているが、夏眠については記載されていなかった。
×『冬眠の謎を解く』 近藤宣昭/著 岩波書店 2010年
p5に冬眠する動物の状態について記載されているが、夏眠については記載されていなかった。
×『眠れる美しい生き物』 関口雄祐/著 エクスナレッジ 2019年
動物ごとに眠りの特徴を写真付きで記載されているが、夏眠については記載されていなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 一般動物学 (481 9版)
- 日本語 (031 9版)
- 軟体動物.貝類学 (484 9版)
- 参考資料
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- 世界大百科事典 6 平凡社 1988.3 031
- 動物のちえ 4 成島悦雄/監修 偕成社 2014.3 481.7 978-4-03-414640-8
- 冬眠のひみつ 近藤宣昭/監修 PHP研究所 2017.9 481.77 978-4-569-78660-5
- どうぶつビックリくらしかた アネット・ティゾン/[著] 評論社 1999.5 481.7 4-566-02037-1
- 総合百科事典ポプラディア 4 ポプラ社 2021.11 031 978-4-591-17086-1
- 魚・貝の生態図鑑 学研教育出版 2011.6 487.5 978-4-05-203362-9
- カタツムリ 今泉忠明/監修 金の星社 2013.3 484.6 978-4-323-04224-4
- カタツムリ 七尾純/構成・文 偕成社 1980 484.6 4-03-333160-3
- カタツムリ観察事典 小田英智/構成・文 偕成社 1997.6 484.6 4-03-527330-9
- キーワード
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- 夏眠
- 冬眠
- 休眠
- 眠る
- 動物
- 生物
- 生命
- 乾燥
- エピフラム
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000312966