レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年02月17日
- 登録日時
- 2022/02/17 13:08
- 更新日時
- 2022/02/17 13:24
- 管理番号
- R1004725-98
- 質問
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解決
伊勢神宮が、世界遺産にならないのはなぜか。
- 回答
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●伊勢神宮が世界遺産にならないことについて記述がある資料
・『世界遺産のひみつ』宮澤光/著 イースト・プレス 2019.7 ISBN:978-4-7816-8060-6
*p178 世界遺産こぼれ話「伊勢神宮は、世界遺産には登録されていません。(中略)伊勢神宮が20年に1度「遷宮」を行なっていることが、世界遺産の保護の考え方とは決定的に相容れないのです。(中略)伊勢神宮の遷宮は、社殿をすぐとなりの敷地に全て新しく建て直して、そこに神様に遷ってもらう方式が採られています。(中略)世界遺産重視される「真正性」の観点からすると全く意味合いが異なります。」と記述あり。
・『世界遺産』中村俊介/著 岩波書店 2019.8 ISBN:978-4-00-431791-3
*p20 石の文化、木の文化、土の文化 「世界遺産の対象となるのは不動産(中略)当初の部材や技術など、オリジナリティーと最大限に尊重しなければならない。当然、経年劣化が激しく、簡単に朽ちてゆく木材や土などは論外(中略)古式の伝統儀礼と造営技術を変えること無く、二〇年ごとに式内遷宮を繰り返す伊勢神宮などは、その最たるものだろう。」と記述あり。
・『悲劇の世界遺産』井出明/著 文藝春秋 2021.5 ISBN:978-4-16-661313-7
*p199「世界遺産ではないものの、伊勢神宮では、20年に一回「式年遷宮」と呼ばれる建造物の建て替えの制度がある。」と記述あり。
●世界遺産への登録基準について記載がある資料
・『世界遺産』中村俊介/著 岩波書店 2019.8 ISBN:978-4-00-431791-3
*p15 登録への条件 「「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」、いわゆるOUVをもっていることが大前提だ。(中略)手続きは作業指針に、事細かに定められている。文化遺産については六つの、自然遺産については四つの評価基準が共通の枠組みで設けられ、登録にはこれらの一つ以上に当てはまることが条件となっている(中略)(ⅰ)~(ⅹ)」と解説あり。
*p17 「オーセンティシティ(真正性、真実性)やインテグリティ(完全性)が備わっているか、などが検討されることになる。オーセンティシティとは、その物件が本物であるか、すなわち本来の材料や技術などを保存あるいは踏襲しているか、ということ。インテグリティは、緯線の普遍的価値を構成するのに必要な要素がすべて含まれているか、それを担保するための保護体制が備わっているか、ということである。」と解説あり。
・『世界遺産のひみつ』宮澤光/著 イースト・プレス 2019.7 ISBN:978-4-7816-8060-6
*p10 世界遺産の登録基準「世界遺産には、世界遺産の価値を証明するための10項目の登録基準があります。これは、それぞれの世界遺産がもつ「顕著な普遍的価値」を、10項目の視点から評価するものです。「顕著な普遍的価値」というのは、その時代のどんな文化的背景をもつ人が見ても同じように素晴らしいと感じる価値です。(中略)登録基準の要約①~⑩」と解説あり。
・『世界遺産百科』 ユネスコ/著 柊風舎 2014.7 ISBN:978-4-86498-015-9
*p870-871 「登録されるのは、傑出した普遍的価値を有する物件であり、具体的には以下10項目の登録基準のいずれか一つ以上に合致しなければならない。(ⅰ)~(ⅹ)(中略)登録遺産の保護、管理、オーセンティシティ(真実性又は真正性)、インテグリティ(完全性)について考慮する」と解説あり。
・『世界遺産年報 2018』 日本ユネスコ協会連盟/編 講談社 2018.1 ISBN:978-4-06-509599-7
*p17 「10項目の「評価基準」の少なくとも1つに完全性(インテグリティ)や真実性または真正性(オーセンティシティ)が確保されているか、保存管理が担保されているかなど精査(中略)顕著な普遍的価値の評価基準「(ⅰ)~(ⅹ)」」と解説あり。
・『「世界遺産」の真実』佐滝剛弘/著 祥伝社 2009.12 ISBN:978-4-396-11185-4
*p85 「世界遺産の10の登録基準」と記載あり。
*p87 「「顕著な普遍的価値」は、世界遺産を考える上では、絶対的な尺度であり、これを無視して、世界遺産登録を目指すことは 適わない。」と解説あり。
・『世界遺産ビジネス』木曽功/著 小学館 2015.8 ISBN:978-4-09-825247-3
*p117「世界遺産になれるかどうかの最大の評価ポイントは、OUVと略して言っている、「顕著な普遍的価値(アウトスタンディング・ユニバーサル・バリュー)」です。OUVがなければ世界遺産にはなれません。」と解説あり。
・『世界遺産事典 2020改訂版』古田陽久/著 シンクタンクせとうち総合研究機構 2019.9 ISBN:978-4-86200-229-7
*p4 世界遺産の登録基準 「(ⅰ)~(ⅹ)」記載あり。
●伊勢神宮の式年遷宮について記載がある資料
・『遷宮』宮澤正明/写真 枻出版社 2015.3 ISBN:978-4-7779-3498-0
*p286 「遷宮とは、新しいお宮を造って天照大御神にお遷りを願うこと。神宮には内宮、外宮ともそれぞれ東と西に同じ広さの敷地があり、20年ごとに同じ形の社殿を交互に新しく造り替える。」と解説あり。「「なぜ20年に一度行なわれるのか」ということに定説はないが(中略)20年というのは人生の一つの区切りとして考えられる。また、技術を伝承するためにも合理的な年数とされていて、掘立柱に萱(かや)の屋根という素木造り(しらきづくり)の神宮の社殿の尊厳さを保つためにもふさわしい年数とされている。」と記述あり。
・『常若の思想』河合真如/著 祥伝社 2013.9 ISBN:978-4-396-61466-9
*p30 「「式年」とは定められた年限のことであり、「遷宮」とは隣接する二つの御敷地に宮を立て替えて神をお遷しすることをいう。」と解説あり。
*p46 なぜ「二十年に一度」なのか 「尊厳保持説…世代技術伝承説…」と記述あり。
・『知識ゼロからの伊勢神宮入門』茂木貞純/著 幻冬舎 2012.1 ISBN:978-4-344-90240-4
*p133 「式年とは、決められた年限をいいます。伊勢の神宮の式年は二〇年です。(中略)二〇年に一度新しい宮を造営うし、神様がお使いになる調度や神宝も新調して、新しい宮に遷っていただきます。」と解説あり。
*p135 「掘立柱で萱葺の御殿の耐用年数は限られています。(中略)いつも清々しく神様に住んでいただくために、二〇年に一度の造替が必要なのです。」と記述あり。
・『伊勢神宮を造った匠たち』浜島一成/著 吉川弘分館 2013.9 ISBN:978-4-642-08092-7
*p15 「式年遷宮とは、定期的に殿舎を造替し、旧殿の御神体を新殿に遷すことで、伊勢神宮では、およそ二〇年に一度行なわれます。(中略)この二〇年という年限を定めた理由については諸説ありますが、建築史では屋根材(萱)の耐用年限から定められたとの説が有力です。」と記述あり。
●その他伊勢神宮と世界遺産について記述がある資料
・『世界遺産にされて富士山は泣いている』野口健/著 PHP研究所 2014.6 ISBN:978-4-569-82004-0
*p223 「北川正恭さんから聞いたエピソード(中略)三重県知事時代に伊勢神宮に「熊野神社も熊野古道も世界遺産になるから、ぼつぼつ伊勢神宮もお考えいただけませんか」と相談に上がった際(中略)伊勢神宮は世俗の現代的な判断はいりません、とバッサリ断ったのである。」と記述あり。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 伊勢神宮 (伊勢市)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 三重県伊勢市 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312213