レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/06/29
- 登録日時
- 2021/09/13 00:30
- 更新日時
- 2021/09/13 00:30
- 管理番号
- 牛久-1794
- 質問
-
解決
昔の足踏み式のオルガンの仕組みや構造について書いてある本を見たい。
- 回答
-
日本の小学校等で使用されていた足踏み式のオルガンは、リード・オルガン。リード・オルガンには、ハルモニウム(ハーモニウム)とリード・オルガン(アメリカン・オーガン)(アメリカン・オルガン)の2種があり、日本では後者が広く使用された。リード・オルガンは、踏み板を踏むと風袋のなかの空気が少なくなるため、外の空気がリード(金属の小さな板)をおしのけて、風袋のなかに流れ混み、音がでる吸気式という仕組み。
○リード・オルガンの仕組みについて次の資料を紹介。
・『一冊でわかる楽器ガイド』(廣兼正明監修/成美堂出版/2009.9)…p108-111
・『ポプラ社の音楽シリーズ 10』(ポプラ社/1983)…p35
・『ジュニア音楽百科 2』(音楽之友社編/音楽之友社/1987.8)…p77-78
・『音楽大事典 5』(平凡社/1983.8) …p2727-27288
・『ブリタニカ国際大百科事典 3 第2版改訂』(フランク・B・ギブニー編集/ティビーエス・ブリタニカ/1991)…p538
○リード・オルガンを含むオルガン共通の構造について次の資料を紹介。
・『音楽大事典 1』(平凡社/1981.10)…p349-351
- 回答プロセス
-
1.フリーワード「オルガン」で自館資料検索。検索結果から、請求記号「760」「763」の棚をブラウジング。
(1)『世界の「楽器」絵事典』(PHP研究所編/PHP研究所/2007.4)
…p48-49「第3章 パイプ・オルガン」の項に、「リード・オルガン」2種の写真があり、昭和の初めごろに日本で作られた足踏み式のオルガンと判明。構造の記載なし。
(2) 『オーケストラ・吹奏楽が楽しくわかる楽器の図鑑 4』(佐伯茂樹/小峰書店/2011.4)
…p40-43「オルガン」の項に、ハルモニウム(リードオルガン)は「パイプではなく、金属の小さな板(リード)をふるわせて音を出すオルガン。演奏する人が両足をペダルで踏むことで、空気を送ってリードをふるわせます」と記載はあるが、構造の記載なし。
(3)『一冊でわかる楽器ガイド』(廣兼正明監修/成美堂出版/2009.9)
…p108-111「オルガン」の項に、「リードオルガン」は「ペダルを踏んで吹き出した空気で弾力性の高い金属片のリードに風を送り、リードを振動させ、発音させていた吐気式(ハルモニウム)」と、「ペダルを踏んで真空状態をつくり、空気を吸い込んだ時にリードを振動させて撥音する吸気式(リードオルガン)」との記載あり。ハルモニウムとリードオルガンの違いが判明。
(4)『ポプラ社の音楽シリーズ 10』(ポプラ社/1983)
…p35「リードオルガン」に「わたしたちが、ふつうオルガンとよんでいるのはこのリードオルガンのこと」とあり、「ふみ板を踏むと風袋のなかの空気が少なくなるため、外の空気がリードをおしのけて、風袋のなかに流れ混み、音がでる」と記載あり。
…p35-36「ハーモニウム」に「形は学校にあるふつうのリードオルガンと同じ」とあり、「けん盤を押すと、それにつながっているリード(舌)への道が開いて、風袋のな中の空気がリードをふるわせて音をだす」と記載あり。
…「リードオルガンは、吸い込む空気で、音を出すようなしかけですが、ハーモニウムは、その反対に、空気を押し出すしかけで音を出す」と記載あり。
(5) 『図解音楽の世界 1』(アラン・シップトン/偕成社/1994.4)
…p16-17「リード・オルガン」の項に「19世紀中ごろに作られたハーモニウムも、リードオルガンの一種」「日本の幼稚園や小学校などで、よく使われていたオルガンは、このハーモニウムの改良されたもの」と記載あり。構造についての記載はなし。
(6) 『ジュニア音楽百科 2』(音楽之友社編/音楽之友社/1987.8)
…p77-78「リードオルガン」の項に、「19世紀にフランスで発明され、1860年以後アメリカで製造されるようになった(中略)減圧された袋の中に空気を吸い込み(中略)真鍮のリードを振動させて音をだします」と記載あり。
(7)『オルガンの文化史』(赤井励/青弓社/2006.7)…足踏みオルガンの由来や、国産リード・オルガンの歴史についての記載はあるが、リード・オルガンの構造の記載なし。
※リード・オルガンについて記載のなかった資料
(8) 『楽器のしくみ』(緒方英子/日本実業出版社/2006.2)
(9) 『50の名器とアイテムで知る図説楽器の歴史』(フィリップ・ウィルキンソン/原書房/2015.2)
2.(1)~(7)に、リード・オルガンの写真や、仕組みの記述はあるが、図等で構造の説明はないため、請求記号「R031」「R760」の棚をブラウジング。
(10)『標準音楽辞典 ア-テ 新訂第2版』(音楽之友社/2008.3)
…p307リードオルガンの簡単な説明はあるが、構造の記載なし。
(11)『音楽大事典 5』(平凡社/1983.8)
…p2727-27288「リード・オルガン reed-organ」の項に、「発音体にはもっぱらリードを用い、機械的な送風によって発音する鍵盤楽器」と記載あり。「ハルモニウムとアメリカン・オーガンの2つのタイプに分けられる(中略)日本では後者の方が一般的に広く用いられてきた(中略)ハルモニウムでは風がリードを通って吹き出すのに対して、アメリカン・オーガンはリードを通して風を吸い込む設計」と記載あり。構造図の記載なし。
(12)『ブリタニカ国際大百科事典 3 第2版改訂』(フランク・B・ギブニー編集/ティビーエス・ブリタニカ/1991)
…p538「リード・オルガン」の項に「パイプ・オルガンと同じく鍵盤をもつが、パイプはなく、リードに空気を吹きつけて発音する。機械的には、ふいごが空気を吹き出してリードを振動させるハルモニウムharmoniumと、ふいごが空気を吸い込む際にリードを振動させるアメリカン・オーガンamerican organに区別することができる。わが国では後者が広く使用され」と記載あり。構造図の記載なし。
(13)『大日本百科事典 4』(小学館/1981)
…p399に「オルガンの分類(3)」の項に「パイプがなく、フリー・リードを使った鍵盤楽器がリード・オルガンであり、ヨーロッパに多い吹き出し式のものがハルモニウムであり、日本に多くみられる吸い込み式のものがアメリカン・オルガンである。送風装置に『足踏み式』と『電動式』がある」と記載あり。
…p400「リード・オルガン」の項に「パイプのかわりに、ハーモニカやアコーディオンと同様のリードを用いるものをリード・オルガンといい日本の学校や家庭に親しまれてきた。(中略)ヨーロッパでは、ふつうハルモニウムをリード・オルガンとよぶ(中略)アメリカン・オルガンといわれ広く普及し、明治初年日本にも輸入され、学校教育に貢献した」と記載あり。また、日本でのリード・オルガンの開発についての記載あり。構造図の記載なし。
(14)『音楽大事典 1』(平凡社/1981.10)
…p347-362「オルガン」の項あり。
…p348-353「構造」に「オルガンの構造は複雑多岐であって、1台ごとにかなり違いがある(中略)多数の管(パイプ)、機械的送風、鍵盤という3つの要素は、あらゆる時代のすべてのオルガンに共通」と記載あり。
…p349「図2 オルガンの構造概念図」
…p351にオルガン共通の構造図として、「図8 リード管発音部の構造」、「図13 風箱の概念図」、「図14 風箱の構造図」の記載あり。
(15)『世界大百科事典 23 改訂新版』(平凡社/2007.9)
…p143-144「ハルモニウム」の中の「リード・オルガン」の項に、「『リード・オルガン』の呼称が、日本では足踏み式 フリー・リード鍵盤楽器の総称、あるいはハルモニウムの別名として用いられている」と記載あり。構造図の記載なし。
→以上より、リード・オルガンの仕組みについて、(3)(4)(6)(11)(12)の資料を紹介。
→リード・オルガンを含むオルガン共通の構造について、図入りで説明のある(14)の資料を紹介。
3. 後日追加調査。キーワード「リード・オルガン」「構造」でGoogle検索。個人のページがヒット。
(16)個人のページ「リードオルガンの構造を知ろう!」
(https://fuukin.exblog.jp/25828272/)
…リード・オルガンの構造図と音の出る仕組みの解説あり。
※最終アクセス日は2021年7月15日
- 事前調査事項
- NDC
-
- 楽器.器楽 (763 10版)
- 音楽 (760 10版)
- 日本語 (031 10版)
- 参考資料
-
- B10515725 音楽大事典 5 平凡社 1983.8 760.33
- B10660932 大日本百科事典 4 小学館 1981 031
- B10564754 世界の「楽器」絵事典 PHP研究所/編 PHP研究所 2007.4 763 978-4-569-68676-9
- B10618505 オーケストラ・吹奏楽が楽しくわかる楽器の図鑑 4 佐伯茂樹/著 小峰書店 2011.4 763.08 978-4-338-26604-8
- B10595285 一冊でわかる楽器ガイド 廣兼正明/監修 成美堂出版 2009.9 763 978-4-415-30447-2
- B10115250 ポプラ社の音楽シリーズ 10 ポプラ社 1983 760
- B10271566 図解音楽の世界 1 アラン・シップトン/著 偕成社 1994.4 760.8 9784035313106
- B10088609 ジュニア音楽百科 2 音楽之友社/編 音楽之友社 1987.8 760 9784276331020
- B10353771 ブリタニカ国際大百科事典 3 第2版改訂 フランク・B・ギブニー/編集 ティビーエス・ブリタニカ 1991 031
- B10553540 オルガンの文化史 赤井励/著 青弓社 2006.7 763.3 9784787272164
- B10515729 音楽大事典 1 平凡社 1981.10 760.33
- B10573134 世界大百科事典 23 改訂新版 平凡社 2007.9 031 9784582034004
- 個人のページ https://fuukin.exblog.jp/25828272/ 2021年7月15日
- キーワード
-
- オルガン
- けん盤
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000304619