レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/6/13
- 登録日時
- 2021/06/23 00:30
- 更新日時
- 2021/06/25 11:43
- 管理番号
- 6000005361
- 質問
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解決
「漁夫は生涯竿一本」、もしくは「漁師は生涯竹一竿」ということわざがあると聞いた。意味は、技術があれば一生その技術で食べていけるというものだったと思うが、どちらの言い方が正しいのかと意味も調べてほしい。
- 回答
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『新明解故事ことわざ辞典』、『名言・格言・ことわざ辞典』を参照するが、該当することわざは見つけられず。
『新版*一行物 下』に「漁夫生涯竹一竿」(漁夫の生涯 竹一竿)という禅語を見つける。以下に解説と大意を引用する。
『禅林句集』に、
山僧活計茶三畝 山僧の活計茶三畝
漁夫生涯竹一竿 漁夫の生涯竹一竿
という有名な対句がある。ここに掲げた漁夫の生涯竹一竿はその対句の後段である。この対句は物欲に超然として清貧簡素な生活に甘んじ、悠々と自適する禅者・真の風流人の境涯を、山僧と漁夫とに託して頌じたものであり、わびの真境をよく詠じた句である。その大意は、
「托鉢で得た財物で正常な毎日をすごす山僧には、これといった財産もないし、またいりもしない。財産といえばわずかに、庵前の三畝歩ほどの茶畑にすぎない。漁夫もまた同様でただ一本の釣り竿でのどかに暮しをたてている。それは一見まことに貧しく不風流にみえるが、心豊かな彼らはけっこう『風流ならざるとこ処、また風流』と、その自由な境涯を楽しみ味わっている。」というようなことである。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 新版*一行物 下 芳賀幸四郎/著 淡交社(p108)新明解故事ことわざ辞典 三省堂編修所/編 三省堂名言・格言・ことわざ辞典 増井 金典/著 ミネルヴァ書房
- キーワード
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- ことわざ、禅語、竹一竿(たけいっかん)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000300639