レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/03/17
- 登録日時
- 2021/04/01 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:41
- 管理番号
- M21031716411878
- 質問
-
お中元に物を贈りあう習慣はいつ頃始まったのか知りたい。
- 回答
-
①『日本風俗史事典』の「ぞうとう贈答」の項には、「七月十五日の中元は、もとは『随意録』などにみられるように、(中略)三元をなす一つの節日であり、先祖霊を供養する盂蘭盆とともに、江戸時代には生見玉といって、平素の無事を祝って、生存している両親に魚を贈る風が盛んであったという。」とあります。
②『現代こよみ読み解き事典』の「中元」の項には、「江戸時代、(中略)中元の名による贈答は、当時から民間にかなり定着していたと思われる。」とあります。
③『三省堂 年中行事事典』「中元」の項でも同様に、中国の道教の中元と仏教の盂蘭盆会が結びついたとの説明があり、江戸時代の村規約などから、中元の祝儀のやりとりや中元という言葉が一般的であったことが知られるとしています。また、盆の贈答についても触れられており、「盆の贈答品は、本来、(中略)供物としての性格をもち、それを共に食べることによって盆の年取りをするという意味があったと考えられる。(中略)武家社会での主従関係を強化する目的で行われてきた八朔の贈答習俗も影響したのではないかと思われる。」ともあります。
④『心から喜んでもらえる 贈りもののマナー』には、「お中元の起源は古代中国の三元(中略)にあります。この中の「中元」が仏教の盂蘭盆会と結び付き、日本では祖先の霊を供養し、お供えものを配るようになりました。江戸時代になると、親類やお世話になった人へ、感謝の気持ちを込めて贈りものをする習慣へ変化し、(略)お中元の品を贈る風習が定着しました。」とあります。
⑤『英語で伝える日本のマナー外国人とわかりあうために』には、「古代中国では旧暦で一月十五日を上元、七月十五日を中元、十月五日を下元とし、(中略)中元が前述の盂蘭盆会と結びつき、贈答の習慣が浸透しました。一方、日本には鎌倉時代から、八朔の贈答といって八月一日に収穫を祝う風習があり、これを「田の実の節供」とも呼んで農作物を贈り合いました。」とあります。英文対訳も掲載されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 9版)
- 参考資料
-
-
①日本風俗史学会『日本風俗史事典』 弘文堂,1994,696p. 参照はp.369.
②岡田芳朗, 阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』 柏書房,1993,414p. 参照はp.100.
③田中宣一, 宮田登『三省堂 年中行事事典』 三省堂,2012,16,470,27p. 参照はp.291-292.
④冨田いずみ『心から喜んでもらえる 贈りもののマナー』 高橋書店,2016,143p. 参照はp.106.
⑤小笠原敬承斎『英語で伝える日本のマナー = Manners and conventions of daily life in Japan : 外国人とわかりあうために』京都 淡交社,2020,183p. 参照はp.164.
-
①日本風俗史学会『日本風俗史事典』 弘文堂,1994,696p. 参照はp.369.
- キーワード
-
- お中元 盂蘭盆 贈答
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2021031716464511878
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000296181