レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年1月20日
- 登録日時
- 2021/02/22 11:07
- 更新日時
- 2022/10/26 14:59
- 管理番号
- 2020-071
- 質問
-
未解決
宗教学者・鈴木宗忠が1922年に官費留学した時の身分や所属がわかる公式な記録はないか。
- 回答
-
鈴木宗忠氏の官費留学時の身分や所属に関する記録等は見つかりませんでした。
鈴木氏の帰国後の所属先である東北大学に記録がないか、東北大学附属図書館・東北大学史料館に参考調査を依頼しましたが、そのような記録は見当たらなかったと回答がありました。
以下、回答にはあたりませんが、参考資料としてご紹介いたします。
■官費留学時前後の鈴木氏の所属がわかる資料
①『國學院雑誌 復刻版』(大正10年10月号)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011399636-00 [参照 2021-02-25]
P.73「◎鈴木宗忠氏渡歐」
→留学のために宗教学の講師を辞任する旨の記述がありました。
②国立国会図書館デジタルコレクション
・文部省専門学務局編「文部省在外研究員表.大正13年3月31日調」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/937586 [参照 2021-02-25]
P.8(7コマ)
→1922(大正11)年度に鈴木氏の名前の記載がありましたが、「官職」の欄が空欄になっています。
・東北帝国大学編『東北帝国大学一覧. 自大正11至12年』
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/940206 [参照 2021-02-25]
・同編『東北帝国大学一覧 自大正12至13年』
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/940207 [参照 2021-02-25]
→いずれも鈴木氏の所属は確認できませんでした。
※同編『東北帝国大学一覧 自大正13至14年』
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/940208 [参照 2021-02-25]
P.86(50コマ)
→鈴木氏の所属が確認できました。
③辻直人著『近代日本海外留学の目的変容:文部省留学生の派遣実態について』
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011049002-00 [参照 2021-02-25]
・P.225-402 「文部省留学生一覧表」
※②で紹介した「文部省在外研究員表.大正13年3月31日調」を基に作表者が独自に調査結果を追記した留学生の一覧表です。
→P.304に1922(大正11)年度に鈴木氏の名前がありますが、「留学時所属・地位」が空欄になっています。
④本学契約データベース「ヨミダス歴史館」
・「文部省在外研究員」(1922年12月4日朝刊2ページ)
→「文学博士 鈴木宗忠 宗教学、獨、佛、米二年間」
・「人事(人物往来)奥繁三郎衆議院議長 大道良太東京鉄道局長 本田幸介ほか」(1922年10月28日朝刊2ページ)
→「鈴木東大教授(宗忠)歐州へ」
※ご質問されている「所属」とは意味が違うかもしれませんが、下記のような資料もありました。
・鈴木宗忠「十年の歩み」(『文化』21巻5号、P.643-655(下部に表記されている頁数を参照)
https://id.ndl.go.jp/bib/560682 [参照 2021-02-25]
P.654「顧みれば四十余年前(中略)その間常に僧侶として籍を臨済宗妙心寺派に置き…」
■鈴木氏の官費留学に関する資料
①北住敏夫著『阿部次郎と斎藤茂吉』 上
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001720877-00 [参照 2021-02-25]
P.307-309
→大正10年、東北帝国大学法文学部の新設準備の段階で鈴木氏の東北大就任が内定し、
内定者が相ついで文部省在外研究員として留学に向かった旨の記述あり。
②大平千枝子著『父阿部次郎』
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002751688-00 [参照 2021-02-25]
P.246
→大正10年6月12日の阿部次郎氏の日記に「鈴木宗忠氏来訪、鈴木東北行の希望を述べる」と記述があるとのことです。
■鈴木氏関連資料
①東北大学編『東北大学五十年史』
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001005665-00 [参照 2021-02-25]
・上巻
P.192-194、P.1008
→鈴木氏の東北帝国大学内定から就任までの経緯が説明されています。
・下巻
P.1223
→鈴木氏の学績が簡単に紹介されています。
②東北大学百年史編集委員会編集『東北大学百年史 通史一』
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009196272-00 [参照 2021-02-25]
P.259-260
→大正9年から10年の間に内定が決まった人々が官費留学を経て東北帝国大学に就任した旨が記述されています。
③国立公文書館デジタルアーカイブ
・「鈴木宗忠外十三名任官ノ件」
https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/M0000000000003060182 [参照 2021-02-25]
④本学契約データベース「WhoPlus」
→鈴木氏の略歴の掲載がありました。
⑤伊藤友信[ほか]編『近代日本哲学思想家辞典』
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001583130-00 [参照 2021-02-25]
P.298 「鈴木宗忠」
→鈴木氏の略歴の掲載がありました。
⑥小池覚淳著「研究室を築いた人々4 鈴木宗忠博士の人と思想」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4414714 [参照 2021-02-25]
※国立国会図書館デジタルコレクションで図書館送信参加館内公開されています。
→鈴木氏の略歴の記述がありました。
⑦高橋原著「帝国大学における宗教学の展開 (東北編)」
http://doi.org/10.15083/00030404 [参照 2021-02-25]
※東京大学学術リポジトリで閲覧可能です。
→鈴木氏の略歴の記述がありました。
- 回答プロセス
-
1.「鈴木宗忠」について確認。
→利用者の既知情報と下記から官費留学の時期を確認。
・本学契約データベース「WhoPlus」
・伊藤友信[ほか]編『近代日本哲学思想家辞典』
・辻直人著『近代日本海外留学の目的変容:文部省留学生の派遣実態について』
・『文部省在外研究員表.大正13年3月31日調』
2.当館で閲覧可能な資料を確認。
→以下の方法で資料検索。いずれも「東北帝国大学」「鈴木宗忠」「留学」などのキーワードを使用。
(図書)
・本学OPAC
・本学ディスカバリーサービス「DOGSPlus」
・Googleブックス
(論文・雑誌記事)
・CiNii Articles
・Google Scholar
・MagazinePlus
・雑誌記事索引データベース ざっさくプラス
(Web)
・Google
・国立国会図書館デジタルコレクション
・国立公文書館デジタルアーカイブ
それぞれ確認した資料については回答を参照。
3.他館への参考調査を依頼。
→回答の通り。
- 事前調査事項
-
・鈴木氏は1922年に留学、1923年帰国後に東北帝国大学に任官した。
・大正時代の官費留学生は教員もしくは学生の身分で留学し、帰国後に内定されていた大学の教職につくのが一般的だったらしい。当時の鈴木氏の年齢的には学生より教員としてどこかの大学に所属があるのではないか。
- NDC
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- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377 10版)
- 教育史.事情 (372 10版)
- 教育 (37 10版)
- 参考資料
-
-
国学院 , 國學院大學. 國學院雜誌 復刻. 第一書房, 1894.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011399636-00 [参照 2021-02-25] -
文部省専門学務局 [編] , 文部省専門学務局. 文部省在外研究員表 大正13年3月31日調. 文部省専門学務局, 1924.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000555525-00 [参照 2021-02-25] -
東北帝国大学 編 , 東北帝国大学. 東北帝国大学一覧 自大正11至12年. 東北帝国大学, 1926.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001551389-00 [参照 2021-02-25] -
東北帝国大学 編 , 東北帝国大学. 東北帝国大学一覧 自大正12至13年. 東北帝国大学, 1926.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001624025-00 [参照 2021-02-25] -
東北帝国大学 編 , 東北帝国大学. 東北帝国大学一覧 自大正13至14年. 東北帝国大学, 1926.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001696659-00 [参照 2021-02-25] -
辻直人 著 , 辻, 直人, 1970-. 近代日本海外留学の目的変容 : 文部省留学生の派遣実態について. 東信堂, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011049002-00 [参照 2021-02-25] , ISBN 9784798900247 -
鈴木宗忠. 十年の歩み. 東北大学文学会, 1957. 文化 21(5) p. p.643-645, ISSN 0835-4841
https://id.ndl.go.jp/bib/560682 [参照 2021-02-25] -
北住敏夫 著 , 北住, 敏夫, 1912-1988. 阿部次郎と斎藤茂吉 上. 桜楓社, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001720877-00 [参照 2021-02-25] -
大平千枝子 著 , 大平, 千枝子, 1920-2007. 父阿部次郎. 東北大学出版会, 1999. (東北大学出版会叢書 ; 3)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002751688-00 [参照 2021-02-25] , ISBN 4925085166 -
東北大学 [編] , 東北大学. 東北大学五十年史 上,下. 東北大学, 1960.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I006428725-00 [参照 2021-02-25] -
東北大学百年史編集委員会 編 , 東北大学. 東北大学百年史 1(通史 1). 東北大学研究教育振興財団, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009196272-00 [参照 2021-02-25] , ISBN 4902297051 -
鈴木宗忠外十三名任官ノ件. 内閣, 1924.
https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/M0000000000003060182 [参照 2021-02-25] -
伊藤友信 [ほか]編集 , 伊藤, 友信, 1923-. 近代日本哲学思想家辞典. 東京書籍, 1982.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001583130-00 [参照 2021-02-25] -
小池 覚淳 , 小池 覚淳. 鈴木宗忠博士の人と思想--研究室を築いた人々-4-. 1965-03. 精神科学 = The science of mind / 日本大学哲学研究室 編 (4) p. 50~54
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I828637-00 [参照 2021-02-25] -
高橋 原 , 高橋 原. 帝国大学における宗教学の展開(東北編). 2012. 東京大学宗教学年報 = Annual review of religious studies / 東京大学文学部宗教学研究室 編(30) (特別号) p. 11-27
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I024904691-00 [参照 2021-02-25]
-
国学院 , 國學院大學. 國學院雜誌 復刻. 第一書房, 1894.
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- 東北大学史料館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000294052