レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年05月30日
- 登録日時
- 2021/01/07 17:16
- 更新日時
- 2021/01/08 14:22
- 管理番号
- 横浜市中央2608
- 質問
-
解決
横浜中華街の中華料理店について調べている。初めて出店した中華料理店はどこの店か。
- 回答
-
明治3(1870)年の人名録で初めて2軒の中華料理店が登場したことが
わかりましたが、この2軒の詳細について書かれている資料は見つかりませんでした。
また、現存する最古の中華料理店が「聘珍楼」であると書かれている資料が
複数見つかりました。
1 人名録に初めて登場した中華料理店
(1) 『横浜もののはじめ考』 横浜開港資料館/編 横浜開港資料館 2010.3
p.62-63 「中華街とチャイニーズ・レストラン」
「明治三年版の人名録に、四九番ウォン・チャラーと八一番アー・ルンの二軒の
チャイニーズ・イーティング・ハウスが登場するが、その後もさほどふえていない。
二〇年の中国人商店の調査によると、一番多いのは荒物業の二五軒、
料理は四位で一〇件であった。」
(2) 『ジャパン・ディレクトリー 第1巻 1861~1875年』 ゆまに書房 1996.7
1(1)アの「人名録」とは『ジャパン・ディレクトリー』のことで、
この資料は幕末・明治の在日外国人・機関を記した名鑑です。
最も古いものは1861年で、順を追って見ていくと、
初めて明治3(1870)年版のp.7に「WONG CHALAH(Chinese Eating House)」、
p.10に「AH LUM(Chinese Eating House)」の2軒が確認できます。
2 現存する最古の中華料理店
創業の年は「1887年創業」と書かれているものと、
1934年時点で「創業五十年」と書かれているものの2種類が見つかりました。
(1) 『横浜今昔散歩』 原島広至/著 中経出版 2009.6
p.73 「中央の聘珍楼は、1887年(明治20)創業の老舗の広東料理店。
日本に現存する最古の中国料理店。」
(2) 『横浜中華街』 田中健之/著 中央公論新社 2009.7
p.190-192 「初期の横浜中華街の料理」
「現在、横浜中華街に現存する店の中で、明治時代から続いている老舗は、
「聘珍樓」と「萬珍樓」のみだ。聘珍樓の創立は一八八七年、萬珍樓は一八九二年。
聘珍樓、萬珍樓が創業する以前の中華料理屋は、港で働く中国人労働者用の「鋪」と
付く一杯飯屋みたいなものであったと思われる。」
(3) 「濱自慢五十佳選めぐり15 萬新楼と聘珍楼」
(「横浜貿易新報」1934年7月23日 p.5)
聘珍楼について、「創業五十年の業績に普く全国にしられた東邦最古」
の中華料理店と紹介されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 商業史.事情 (672 8版)
- 関東地方 (213 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000292031