レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/7/1
- 登録日時
- 2020/11/11 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:33
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000838
- 質問
-
解決
【前田家の宝刀について】 (1)加賀前田家の宝刀であった大典太の図版の収録されている資料を探している。
(2)大典太の霊威に関する伝承の記された資料を探している。
- 回答
-
(1)について
『美術作品レファレンス事典 刀剣・甲冑・武家美術』(113787459)p.75~76にかけて収録されている資料がまとめられている。以下にその一部を掲げる。
『国宝・重要文化財大全 6 工芸品』(118431093)
『国宝大事典 4 工芸・考古』(11824568)p.354、356
『原色日本の美術 21 甲冑と刀剣』(119462853)
郷土関係の資料では、石川県立美術館で2回展示がなされていて、図録が刊行されている。
『前田育徳会展示室開館記念名宝展図録』(11916655)には解説のみで写真の掲載はない。
『加賀前田家百万石の名宝』(109219606)には写真の掲載あり。
(2)について
旧藩時代の伝承について書かれた資料、刀剣に関する資料を調査したところ、大典太の霊威について数種類の逸話が確認された。
・前田家子女の守護刀として扱われたことに関するもの。
『加賀藩史料 第5編』(11801628)p.21~22
『可観小説 後編』(118584904)p.701「伝太の太刀と小鍛冶の長刀」
『温故集録 1』(119784418)p.104~107
・刀の霊威により姫の病気が平癒したという逸話(姫は磨阿、豪、珠など諸説ある)。
『詳註刀剣名物帳』(「享保名物帳」と通称されている資料の系統の本のひとつ)「大伝太三池」の項目。国立国会図書館デジタルコレクション【URL】https://dl.ndl.go.jp/pid/951683/1/1
『皇室・将軍家・大名家刀剣目録』(111858981)p.152~153「大伝太太刀・小鍛冶薙刀記」
近年の大典太関係の資料である『国宝 名物大典太 名物太郎作正宗 名物富田郷〈刀剣三振〉』(113252269)では、p.2でこの逸話のみ紹介している。
近代以降成立の資料では、刀の霊威により宝蔵に鳥が寄り付かないという逸話がある。
『金沢古蹟志 第2編』(119865884)「薪ノ丸宝蔵」、「伝太・小鍛冶霊剣来歴」p.17~23に詳しい記載がある。蔵については、「是等は城内薪ノ丸の宝蔵に納め置かるゝに、宝蔵の上は鳥類も居止らざるとの由にて、俗に鳥とまらずの土蔵としも呼べり」とある。なお、大典太と小鍛冶宗近(志津(静)の薙刀)が同じ蔵に納められていたことも確認できる。
『稿本金沢市史 市街編第4』(119562732)p.960~961「宝蔵」の項目あり。「此霊剣を納めある宝蔵をば、俗に鳥とまらずの土蔵と呼べり、鳥類常に居止らずといひ伝へり」と記載されている。
『日本刀大百科事典 1』(118322651)p.196~198に大典太の逸話がまとめられている。なお、同事典は逸話の参考文献が最終巻に一覧になっている。
以下の資料には記載なし。
『金城深秘録』(119986182)
『金沢城郭資料』(119572819)
『金沢御堂・金沢城調査報告書 文献史料編 Ⅰ-1』(109077350)
『よみがえる金沢城』シリーズ
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289335