1.投下する際に爆弾は慣性の法則で落下することを想定し、「慣性の法則」「爆弾」等のキーワードでインターネット検索したところ、
中國新聞社のサイト「10代がつくる平和新聞 ひろしま国8.6探検隊【原爆はどこで投下された?】がヒットした。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/hiroshima-koku/exploration/index_20081015.htmlここに広島に原子爆弾が投下された際、B-29エノラ・ゲイ号からの投下地点から爆心までの距離が算出されており、投下されてから爆発するまでの時間は43秒、(エノラ・ゲイ号と同じ)B-29が東から攻撃した他地区の状況から平均時速330kmとすると爆発43秒前の地点は3845m(投下から目標までの距離)とされている。ただし、投下の高度は9000mとされている。
なお、この記事で紹介されている本
『エノラ・ゲイ ドキュメント・原爆投下』ゴードン・トマスほか/著(ティビーエス・ブリタニカ、1980年)
は当館で所蔵している。
2.この他に、主な関連資料として下記のものが見つかった。
(1)『広島原爆 8時15分投下の意味』諏訪澄/著(原書房、2003年)
p.25-26に「爆発時、「エノラ・ゲイ」の速度は時速200マイル(約322km)。約9000メートルの高度で爆弾を投下すると同時に、
「エノラ・ゲイ」は急降下して速度を上げながら155度のUターン急旋回をして退避した」とあり、行動略図が示されている。
(2)『第二次世界大戦軍用機ハンドブック アメリカ篇』松崎豊一/編著(原書房、1997年)
p.46-47にボーイングB-29スーパーフォートレスの概要について記載があり、距離算出に利用できる巡航速度370km/h等の基本データが記載されている。
(3)『米軍資料 日本空襲の全容 マリアナ基地B29部隊【新装版】』小山仁示/訳(東方出版、2018年)
こちらはマリアナ基地のアメリカ陸軍航空軍B-29部隊の作戦任務についてまとめられたもので、日本各地での作戦任務として、
空襲の日時、目標上空時間、攻撃高度等が記載されているが、目標からB-29までの距離は記載されていない。