レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20180319
- 登録日時
- 2020/04/10 00:30
- 更新日時
- 2020/04/10 00:30
- 管理番号
- 徳郷20180307
- 質問
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解決
徳島県に二ホンオオカミが生息していたことを示す情報がないか、調べてほしい。香川県立図書館所蔵の『善通寺市史 第1巻』のp143-144「二ホンオオカミ」の項に記載されている情報の出典が『徳島県三好郡史』となっている。
- 回答
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『善通寺市史 第1巻』に書かれている『三好郡史』の中に当該箇所は見つけられなかったが、以下の資料に二ホンオオカミについての記述があった。
【A】『三好郡歴史散歩』
p182-184「オオカミと白地城大西氏」において、オオカミに食われた話や退治した話が伝わっていると記載。
次にレッドデータブック関連で、全国版だが以下の資料に二ホンオオカミの分布についての記述あり。
【B】『日本の絶滅のおそれのある野生動物 レッドデータブック(脊椎動物編)』
p34に「かつて本州・四国・九州の山岳地帯に広く分布していたと推定されるが、1905年頃をさかいに絶滅したらしい」と記されている。
江戸時代の記録としては、以下の資料がある。
【C】『江戸後期 諸国産物帳修成 第15巻 阿波・淡路』
収録される「阿淡産志」にオオカミの項があり、「深山二棲ム猛獣ナリ(略)」とあり、姿形やオオカミの糞を燃料にし、烽火としていたことなどが書かれている。
また、上記資料【C】を研究したものとして以下の資料がある。
【D】『阿淡産志の研究』
p145-153に「1905年奈良で捕獲されたのが最後で、すでに絶滅した。しかし、幕末ごろまでは本州・四国・九州の深山にはかなり生息していた。(略)阿波の深山にも二ホンオオカミはかなり多く生息していたようで、特に、勝浦郡上勝町落合西北西にある山犬嶽附近にはたくさん棲んでいたということである。」と記載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 生物地理.生物誌 (462 8版)
- 参考資料
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- 【A】三好郡歴史散歩 (T270ヨシ1Cp182-184吉岡浅一/著 徳島県出版文化協会 1980年)
- 【B】日本の絶滅のおそれのある野生動物 無脊椎動物編 レッドデータブック (482.1Lカンp34環境庁自然保護局野生生物課/編 自然環境研究センター 1991年)
- 【C】江戸後期諸国産物帳修成 第15巻 阿波・淡路 (T462Lアタ1B安田健/著 科学書院 2003年)
- 【D】阿淡産志の研究 (T462フク1Bp143-153福島義一/著 徳島県出版文化協会 1990年)
- キーワード
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- 二ホンオオカミ、 狼、 三好郡、 勝浦郡、 山犬嶽
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000280413