レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年12月20日
- 登録日時
- 2020/04/09 14:37
- 更新日時
- 2020/04/09 14:37
- 管理番号
- 9000026962
- 質問
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解決
1878(明治10)年に甲府城内に設立された葡萄酒醸造所の指導者となった大藤松五郎(おおとう まつごろう)を調べている。
大藤松五郎の経歴は事前調査の資料からある程度把握できたが、家族構成について(妻や子供の名前など)分かるような史料は何かあるか。
- 回答
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『日本ワイン誕生考 知られざる明治期ワイン造りの全貌』(仲田 道弘/著 山梨日日新聞社 2018) pp.79-80「第2章 明治時代のワイン造りの動き 2.第2期:明治3年~20年(官主導期) (2)山梨県立葡萄酒醸造所(大藤松五郎)」最終行に以下のような記述があるも、詳細は確認できず。
「藤村の期待は大きく、藤村の長男と次男のご学友3人のうち1人が大藤の長男であったという。」
- 回答プロセス
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1.大藤松五郎が葡萄酒醸造所の指導者であった、という点から葡萄酒関係の資料を調査
・『日本ワイン誕生考 知られざる明治期ワイン造りの全貌』(仲田 道弘/著 山梨日日新聞社 2018)
pp.79-80 「第2章 明治時代のワイン造りの動き 2.第2期:明治3年~20年(官主導期) (2)山梨県立葡萄酒醸造所(大藤松五郎)」最終行
「藤村(県令)の期待は大きく、藤村の長男と次男のご学友3人のうち1人が大藤の長男であったという。」
下記資料には関連事項の記述はあるものの、家族についての記述なし
・『山梨のワイン発達史 勝沼ワインの100年の歩み』(上野 晴朗/著 勝沼町 1977)
pp.34-49「甲斐産ワインの黎明期 2.勧業試験場と葡萄酒醸造所開設」
・『日本のワイン・誕生と揺籃時代 本邦葡萄酒産業史論攷』(麻井 宇介/著 日本経済評論社 1992)
pp.3-19「前編 殖産興業期のワイン 1.国産ワインの始まり」
pp.130-146「前編 殖産興業期のワイン 7.ワインをわが手で-醸造技術覚書」
・『山梨県立考古博物館 山梨県埋蔵文化財センター研究紀要 18』(山梨県立考古博物館 山梨県埋蔵文化財センター 2002)
pp.55-68 宮久保真紀「甲府場内葡萄酒醸造所について -国産ワインの発祥地甲府-」
2.大藤松五郎が山梨県尋常中学校の教師となった(『山梨学院大学一般教育部論集 第6号』p.26より)という点から、教育関係の資料を調査
・『山梨県教育百年史 第1巻』(山梨県教育委員会/編 山梨県教育委員会 1976)
pp.669-776 「第一部 明治前期 第六章 中等教育」
pp.1295-1361「第二部 明治後期 第四章 中等教育 第一節 中学校教育」
上記部分より山梨尋常中学校は、徽典館中等科→山梨県師範学校内中学予備学科→山梨尋常中学校→山梨県中学校→山梨第一中学校→甲府中学校→甲府第一高校と改称されていったことがわかる。
下記資料を確認するも、退職教諭一覧等の記載はあるが、関連事項記述なし
・『甲府中学校創立五十周年記念誌』(甲府中学校/編 甲府中学校同窓会交友会 1930)
pp.3-30「山梨県立甲府中学校沿革史」
・『甲府中学校創立六十周年記念誌』(甲府中学校/編 甲府中学校校友会 1941)
pp.2-34「沿革」
・『山梨県師範学校創立六十周年』(山梨県師範学校/編 山梨県師範学校 1935)
3.大藤松五郎の息子が藤村紫朗県令の長男と学友であった、という点から、以下の資料を確認
・『甲府中学校創立五十周年記念誌』(甲府中学校/編 甲府中学校同窓会交友会 1930)
p.308~「徽典館中学科卒業生」一覧の明治18年2月21日卒業の欄に「藤村義朗(狐狸馬)」の記述があり、藤村県令の長男が卒業した旨は確認できましたが、その前後の年を含め、大藤の姓を持つ名前は確認できず。
・『甲府中学校同窓会会員名簿 第3回』(甲府中学校/編 甲府中学校同窓会 1925)
巻末に会員の索引があるため大藤の姓を確認するが、見当たらず。
4.インターネットで検索
峡陽文庫「【藤村紫朗 没後100年】②県令邸宅」(https://kaz794889.exblog.jp/11190154/)(2018年12月28日現在確認)
「(前略)また、父藤村紫朗の教育は厳しく、長男義朗、次男の兎羊熊の学友として3名(山梨県勧業課の片山菊渓の子息 長司、勧業御用掛の大藤松五郎の子息 酒造太郎、甲府警察署長斎田 斎の子息 孫次郎)を定め、学校以外においては学友以外との交わりを禁じ、放課後はこの5名が県令邸宅に集まり戦争ごっこや相撲に興じていた。(後略)」
- 事前調査事項
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保坂忠信「藤村県政に招かれた永田方正とその著書『西洋教草』・第二課担当城山静一・葡萄醸造所指導者大藤松五郎とその周辺ーー明治初年の山梨への西欧文化移入」(『山梨学院大学一般教育部論集』第6号、1983年、pp.1~28ページ)
- NDC
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- 個人伝記 (289 10版)
- 食品工業 (588 10版)
- 参考資料
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仲田道弘 著 , 仲田, 道弘, 1959-. 日本ワイン誕生考 : 知られざる明治期ワイン造りの全貌. 山梨日日新聞社, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028992097-00 , ISBN 9784897104454 (pp.79-80) -
山梨県教育委員会/編 , 山梨県教育委員会. 山梨県教育百年史 第1巻. 山梨県教育委員会, 1976.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005732116-00 (pp.1295-1309) -
甲府中学校/編 , 甲府中学校. 甲府中学校創立五十周年記念誌. 甲府中学校同窓会交友会, 1930.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005543875-00 (pp.3-30 p.308) -
甲府中学校/編 , 甲府中学校. 甲府中学校創立六十周年記念誌. 甲府中学校校友会, 1941.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005543877-00 (pp.2-34) -
山梨県師範学校/編 , 山梨県師範学校. 山梨県師範学校創立六十周年. 山梨県師範学校, 1935.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005543477-00 (1冊) -
甲府中学校/編 , 甲府中学校. 甲府中学校同窓会会員名簿 第3回. 甲府中学校同窓会, 1925.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005543858-00 (索引) -
山梨県立図書館 編 , 山梨県立図書館. 山梨県史 第4巻. 山梨県立図書館, 1961. (山梨県資料 ; 4)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003562493-00 (pp.709-710) -
麻井宇介 著 , 麻井, 宇介, 1930-2002. 日本のワイン・誕生と揺籃時代 : 本邦葡萄酒産業史論攷. 日本経済評論社, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002160571-00 , ISBN 4818804843 (pp.3-9、130-146) - 宮久保真紀. 「甲府場内葡萄酒醸造所について -国産ワインの発祥地甲府-」. 山梨県立考古博物館 山梨県埋蔵文化財センター, 2002.03.29. 山梨県立考古博物館 山梨県埋蔵文化財センター研究紀要 18 (pp.55-68)
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上野 晴朗/著 , 上野‖晴朗. 山梨のワイン発達史 : 勝沼ワインの100年の歩み. 勝沼町, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005733399-00 (pp.34-49)
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仲田道弘 著 , 仲田, 道弘, 1959-. 日本ワイン誕生考 : 知られざる明治期ワイン造りの全貌. 山梨日日新聞社, 2018.
- キーワード
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- 大藤松五郎
- 葡萄酒釀造所
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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峡陽文庫【藤村紫朗 没後100年】 ② 県令邸宅
https://kaz794889.exblog.jp/11190154
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000280386