レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年02月14日
- 登録日時
- 2019/09/10 18:19
- 更新日時
- 2019/09/11 12:28
- 管理番号
- 堺-2019-072
- 質問
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解決
「むくらうじの實」が何か知りたい。
成瀬氏著者「手裏剣」p195に、将軍徳川慶喜が手裏剣の的にしたというむくらうじの實について記述がある。その実が何の実か知りたい。
『文芸春秋 17(21)』 p302~320 「手裏剣叢談」(成瀨關次/著)のなかでは、「むくらうじゆの實」とある。
- 回答
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「無患子の実」だと思われる。
無患子(むくろじ・むくろうじ)を歴史的仮名遣いで表記すると「むくらうじ」になる。
無患子とは、「ムクロジ科の落葉高木。果実は径約2センチの扁球状で黄褐色に熟し、内部に黒い種子が1個ある。」(『日本国語大辞典 第12巻』より抜粋)
(中央図書館)
- 回答プロセス
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『広辞苑 第6版』で「むく」の項を確認したところ、音が似ている「無患子(むくろじ)」を発見。『日本国語大辞典 第12巻』で確認したところ、「無患子(むくろうじ)」「無患子(むくろじ)」両方の表記があった。
『旧漢字・旧仮名便利帖』の現代仮名遣い・歴史的仮名遣い対照表で現代仮名遣いの「ろう」は歴史的仮名遣いの「ろふ、らう」等に該当することが判明。
『例解古語辞典』で「らう」の項を確認したところ、「らうし」が「老子(ろうし)」「らうぜき」が「狼藉(ろうぜき)」に該当。
「實」は「実」の旧字体なので、「むくらうじの實」「無患子の実」となる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 参考資料
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第12巻 第2版. 小学館, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003052601-00 , ISBN 4095210125 -
阿久根靖夫, 間瀬肇 編著 , 阿久根, 靖夫, 1942- , 間瀬, 肇, 1943-. 旧漢字・旧仮名便利帖. 有精堂出版, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002217877-00 , ISBN 4640307195 -
佐伯梅友 [ほか]編著 , 佐伯, 梅友, 1899-1994. 例解古語辞典 第2版. 三省堂, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001788659-00 , ISBN 4385133360 -
鎌田正, 米山寅太郎 著 , 鎌田, 正, 1911-2008 , 米山, 寅太郎, 1914-2007. 大漢語林. 大修館書店, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002188209-00 , ISBN 4469031542 - 手裏剣 成瀬 関次/著 新大衆社 1943 283p 19cm ¥2.60 分類:789.3
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日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編 , 小学館. 日本国語大辞典 第12巻 第2版. 小学館, 2001.
- キーワード
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- 手裏剣
- 無患子
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261199