レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/07/29
- 登録日時
- 2019/03/27 00:30
- 更新日時
- 2019/03/29 23:10
- 管理番号
- 茨城-2018-101
- 質問
-
未解決
谷田部藩の藩祖細川興元は、熊本藩々祖細川藤孝の二男ですので、九曜紋を使っているものと思っていましたが、武鑑を見たら全体的には同じ九曜の形ですが、廻りの八つの丸は二重になっています。これの名称と来歴を教えてください。
- 回答
-
ご質問のありました「谷田部藩細川氏の家紋」についてですが,家紋の名称については,「蛇の目九曜(じゃのめくよう)」と「中陰九曜(なかかげくよう)」とするものがありました。
「蛇の目九曜」・「中陰九曜」の由来については,記載のある資料がみつかりませんでした。
詳細については,下記をご覧ください。
[国立国会図書館デジタルコレクションの最終確認日:2018/07/29]
(1)『藩史大事典 第2巻 関東編』(木村 礎/〔ほか〕編,雄山閣出版,1989)
谷田部藩細川家の家紋について,「文化武鑑」を出典に「蛇の目九曜」と「蛇の目」が挙がっています(p.96)。
「文化武鑑」の該当ページ http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2546919/51 (国会図書館デジタルコレクション)
(2)『寛政重修諸家譜 第2』(堀田 正敦/等編,続群書類従完成会,1964)
p.319-321に細川興元の系図があり,末尾に「家紋 九曜 蛇目九曜 五三桐 櫻」とあります(p.321)。
(3)『寛政重修諸家譜 家紋』(千鹿野 茂/編,八木書店古書出版部,2014)
p.31に「蛇の目九曜」がありますが,特に由来等解説はありません。
(4)『日本家紋総覧』(千鹿野 茂/著,角川書店,1993)
p.504-505に「蛇の目九曜」がありますが,谷田部細川氏は例示されておらず,p.662-663「中陰(なかかげ)九曜」の項に「細川氏[常陸国谷田部藩1万5千石大名家の定紋]」とあります。
(5)『日本紋章学』(沼田 頼輔/著,人物往来社,1968)
p.277-289「九曜」,p.864-869「弦巻(蛇目)」の解説があります。
1926年刊の『日本紋章学』が国会図書館のデジタルコレクションで公開されていましたので,参考まで紹介します。
「九曜」 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879378/191
「弦巻(蛇目)」 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879378/509
(6)『谷田部の歴史』(谷田部の歴史編纂委員会/編,谷田部町教育委員会,1975)
谷田部の市町村史を確認しました。
p.80-81に「細川氏の生活用具」の項があります。
p.81に「重箱や文箱には、いずれも細川氏の紋章(九旺星)が輝き」との記述があり,p.82に「細川氏使用の重箱」の写真があります。こちらの写真では,細川九曜と桐の紋が入っています。
- 回答プロセス
-
(1) 『藩史大事典』・『寛政重修諸家譜』を確認。
(2) 書架にて,家紋についての参考図書を確認。
×『都道府県別姓氏家紋大事典 東日本編』
×『苗字から引く家紋の事典』
(3) 市町村史を確認。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 系譜.家史.皇室 (288 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 参考資料
-
- 藩史大事典第2巻木村 礎/〔ほか〕編雄山閣出版
- 寛政重修諸家譜第2堀田 正敦(1758~1832)/等編続群書類従完成会
- 寛政重修諸家譜家紋千鹿野 茂/編八木書店古書出版部
- 日本家紋総鑑千鹿野 茂/著角川書店
- 日本紋章学沼田 頼輔/著人物往来社
- 谷田部の歴史谷田部の歴史編纂委員会/編谷田部町教育委員会
- 本当によくわかる!日本の家紋事典大隈 三好/著金園社
- キーワード
-
- 谷田部藩(ヤタベハン)
- 細川 興元(ホソカワ オキモト)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
【2018/09/06追記】
『本当によくわかる!日本の家紋事典』
p.260-261「九曜」
p.261「円を二重丸にしたものもあり、これを二重九曜」と称したとの記述あり。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土,人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000254000