レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/7/14
- 登録日時
- 2018/12/05 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:39
- 管理番号
- M18021914587792
- 質問
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「ゆいれんぼう」というお坊さんが、船に乗るのを拒否された、もしくは、船に乗ったので、嫌な顔をされたという古典作品を探している。「ゆいれんぼう」の漢字は不明だが、「湯入れん坊」かもしれない。本文と、できれば、現代語訳があれば、それも見たい。
- 回答
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「湯入れん坊」のキーワードでインターネット上を検索したところ、①「「沙石集」と「昨日は今日の物語」における「笑い」の発想について」(音誠一)という論文が検索結果に表示された。
(https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2135&item_no=1&page_id=13&block_id=21)
こちらの論文の本文を見ると、「唯(ゆゐ)蓮坊(れんぼう)(人名・湯入れん―湯は船中に浸み込む水)」(26p)との文章があり、「ゆいれんぼう」の名が確認できる。
こちらの論文によると、「便船シタル法師事」というのが、作品の題名である。論文中に使用された資料が②『日本古典文学大系』であり、確認すると、354pに「(19)便船シタル法師事」の説話が載っていた。こちらの資料は、校注のみで現代語訳はない。
②の資料にある説話対照目次を見ると、いくつかある写本の中でも、梵舜本に「便船シタル法師事」の説話があることが分かる。
他に沙石集が収録されている資料を探したが、「便船シタル法師事」が載っているものはなく、現代語訳も見つけられなかった。
確認した資料は以下の通り。
②の資料を底本に現代語訳している『大乗仏典 中国・日本篇』には「沙石集」が収録されているが、抜粋版で、「便船シタル法師事」はなかった。
『新編日本古典文学全集 52 沙石集』は市立米沢図書館蔵本を底本としていた。
『21世紀版少年少女古典文学館 13』は「沙石集」の抜粋が収録されているが、「便船シタル法師事」の掲載はなかった。
『説話文学研究叢書』の第二巻・第三巻が「沙石集」に関連する巻であったが、「便船シタル法師事」の収録はなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経典 (183 9版)
- 参考資料
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①音誠一「「沙石集」と「昨日は今日の物語」における「笑い」の発想について」『金沢大学語学・文学研究』3,1972,p.24-30.
②[無住一円著] 、渡辺 綱也校注『日本古典文学大系 85 沙石集』 岩波書店,1978 ,527p. 参照はp.354.
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①音誠一「「沙石集」と「昨日は今日の物語」における「笑い」の発想について」『金沢大学語学・文学研究』3,1972,p.24-30.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2018021914513187792
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000247123