レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/06/24
- 登録日時
- 2018/10/14 00:30
- 更新日時
- 2018/10/14 00:30
- 管理番号
- 6001032805
- 質問
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解決
兵庫県西宮市の「神呪寺」(かんのうじ)の「神呪」の意味と寺の由来について書かれた資料を教えて欲しい。
- 回答
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●「神呪」の意味について
・『密教大辞典 改訂増補 第3巻 シハ~タ』(密教辞典編纂会/編 法蔵館 1979)
p.1281 「ジンシュ 神咒」の項に「咒とは陀羅尼・眞言の異名。」とあり、p.1261の「眞言」には、「種々の異名あり、密語・密言・陀羅尼・明・神咒・咒・密号等これなり。」
とあります。
・『仏教哲学大辞典 第3巻 し~しん』(創価学会教学部/編 創価学会 1967)
p.1101 「しんじゅ 神呪」「梵語陀羅尼の訳語の一つ。治病滅罪等の効力を有している一種の呪文。神仏のさとりに属する秘密語。」とあります。
●神呪寺の由来について
・『社寺縁起伝説辞典』(志村有弘/編 戎光祥出版 2009.12)
p.139 「開山」、「縁起」の項に「淳和天皇の第四妃の如意尼、また淳和天皇皇后正子内親王が橘氏公、三原春上に命じて開山ともいう」、「元は、神呪寺(しんじゅじ)、感応寺(かんのうじ)と呼ぶ。」とあります。
次の資料に神呪寺の由来について詳しい記述があります。
・『訓読元亨釈書 下巻』(くんどくげんこうしゃくしょ)(虎関師錬/原著 禅文化研究所 2011.11)
p.155 「正子内親王」の項に「『元亨釈書』十八、如意尼伝は、仏教を篤く信仰した正子内親王をモデルとしたと考えられ、『帝王編年記』天長四年三月条には正子内親王による神呪寺開創を記す。」とあります。
p.321 神呪寺(かんのうじ)(兵庫県西宮市)の項に「淳和天皇の第四妃であった如意尼の創建という。開創縁起は『元亨釈書』十八の如意尼伝(【三七五】)に見えるものが最も詳しい。」とあり、「『帝王編年記』には天長四年(八二七)嵯峨天皇皇女正子内親王が夢告により橘氏公(たちばなのうじきみ)、三原春上(みはらのはるかみ)の二人に命じて精舎を建てたとある。」と記されています。
出典の『元亨釈書』と『帝王編年記』は、次の資料で読むことができます。
〇『元亨釈書 巻第十八』
・『国史大系 新訂増補 第31巻 日本高僧伝要文抄』(黒板勝美/編輯 吉川弘文館 2000.5) <原文のみ>
p.262-264 『元亨釈書』18巻、通し番号:375「如意尼」の段に記述があります。
漢文と書下し文併記の資料としては、次のものがあります。
・『訓読元亨釈書 上巻』(虎関師錬/原著 禅文化研究所 2011.11)
p.402-406 「【三七五】如意」に記載があります。
〇『帝王編年記 巻十三』
・『国史大系 第12巻 扶桑略記』(黒板勝美/編輯 吉川弘文館 1999.8) <原文のみ>
所収の『帝王編年記 巻十三 淳和(天長元年-二年)』p.191 5行目に「即以夢告奏天王。・・・勅橘氏公。三原春上建精舎以如意輪大悲観音像爲本尊。空海僧都表本尊秘密神呪。其寺名爲神呪寺。」とあります。
[事例作成日:2018年6月24日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 寺院.僧職 (185 8版)
- 参考資料
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- 密教大辞典 第3巻 改訂増補 密教辞典編纂会∥編 法蔵館 1979 (1281)
- 仏教哲学大辞典 第3巻 創価学会教学部∥編 創価学会 1967 (1101)
- 社寺縁起伝説辞典 志村/有弘∥編 戎光祥出版 2009.12 (139)
- 訓読元亨釈書 下巻 虎関師錬∥原著 禅文化研究所 2011.11 (155、321)
- 国史大系 第31巻 新訂増補 新装版 黒板/勝美∥編輯 吉川弘文館 2000.5 (262-264)
- 訓読元亨釈書 上巻 虎関師錬∥原著 禅文化研究所 2011.11 (402-406)
- 国史大系 第12巻 新訂増補 新装版 黒板/勝美∥編輯 吉川弘文館 1999.8 (191)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000243808