レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年04月29日
- 登録日時
- 2017/08/27 11:08
- 更新日時
- 2018/12/18 11:21
- 管理番号
- 北九2017国友005
- 質問
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森鷗外が、日露戦争に従軍する際に乗船した八幡丸という船について知りたい。写真や絵などもあれば見たい。
- 回答
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八幡丸(やわたまる)は、日本郵船が船主の豪州航路の貨客船です。総屯数は3,818トン、最高速力は1,685ノットで明治30年(1897年)にイギリスで発注され、翌年(1898年)竣工しました。明治37年(1904年)、陸軍御用船として政府に徴用されました。
『森鷗外の『うた日記』』等で、鷗外が朝鮮半島に赴く際、広島の宇品港から乗船したとの記述がありました。小説家の田山花袋も従軍記者として同じ船に乗っており、『第二従征日記』にその記述がありました。また、『日露戦争史 2』には、乃木希典が第三軍司令官として宇品港より輸送船八幡丸に乗り込んだとの記述がありました。
明治39年になると軍用を解かれ、同年2月より豪州航路に就航しました。『七十年史』では、昭和9年(1934年)3月31日売却となっています。
『写真でみる実録日露戦争』に、八幡丸船上での第二軍の写真がありましたので、利用者にお見せしました。
- 回答プロセス
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当館資料の『日本商船・船名考』より、日本郵船の船であることがわかりました。その他、「八幡丸」・「日露戦争」・「森鷗外」・「日本郵船」などをキーワードに当館や他館の資料を探しました。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『日本商船・船名考』,松井 邦夫/著・画,海文堂出版,2006,P13,33,ISBN4-303-12330-7
- 『写真でみる実録日露戦争』,太平洋戦争研究会/著,新人物往来社,2010,P29,ISBN978-4-404-03897-5
- 『日露戦争史 1』,半藤 一利/著,平凡社,2016,P371~375,ISBN978-4-582-76839-8
- 『日露戦争史 2』,半藤 一利/著,平凡社,2016,P55,ISBN978-4-582-76840-4
- 『森鷗外の『うた日記』』,岡井 隆/著,書肆山田,2012,P16,P36,ISBN978-4-87995-838-9
- 『森鷗外と日清・日露戦争』,末延 芳晴/著,平凡社,2008,ISBN978-4-582-83407-9
- 『七十年史』,日本郵船株式会社/編纂,日本郵船,1956,P73~74,P101,P679
- 『第二軍従征日記』,田山 花袋/著,雄山閣,2011,P14~70,ISBN978-4-639-02170-4
- キーワード
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- 八幡丸
- 日露戦争
- 森鷗外
- 日本郵船
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000221099