レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/3/7
- 登録日時
- 2017/08/03 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:32
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000477
- 質問
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未解決
【順好堂について】 越前藩が加賀(金沢か)に設置した藩店「順好堂」について書かれた文献はないか。
- 回答
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質問者からの情報提供によると、出典は国文学研究資料館所蔵「越前史料」所収の『三好波静略伝』で、慶応元年1月21日条に三好波静(三好助右衛門、福井商人)が金沢の福井藩出店「順好堂」に勤めたことで褒章を受けている。三好波静は文久年間に長崎で福井屋を経営し、また大聖寺で製茶を学び長崎に輸出していた。
製茶を学んでいたことから、『加賀茶業の流れ』(119564595)を確認したが、「順好堂」についての記載は見つからなかった。ただし、p.20に「元治元年(一八六四)福井の商人片屋市太郎が職工を連れて江沼郡矢田村の製茶場に赴き、紅茶を製造した」との記載がある。『金沢市史 資料編7 近世5』(119763300)p.504-519「茶商売」の項及びp.539-550「千とり杖」(金沢近郊名所・諸店案内)に「順好堂」の名前なし。
『公武合体論の研究』(11017127)p.133に「越前藩が加賀藩領内に設置した藩店「順好堂」の経営に三好が当たったことにより、慶応元年正月二一日半より銀八〇〇匁を受けている」と記載されている。また同p.132に『三好波静略伝』からの引用として「万延元年旧福井藩の意を以て肥前長崎江戸町に屋号福井屋なるものを創設せられ助右衛門其支配方を命ぜらる、因て弟市太郎を彼地に遣はして代理せしむ」と記載されている。
片屋市太郎との関連を考え、さらに文献を検索したところ、『石川県史 第3編』p.949に「元治元年福井の商人片屋市太郎は、紅茶を注文すると同時に、自ら職工を伴ひ来りてその製法を教へ、亦同藩の産物所を経て長崎に輸出せり」と記載されており、質問者からの情報と一致した。
「順好堂」については、上記以外の資料で記載されたものを見つけられなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000219800