レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/05/02
- 登録日時
- 2017/07/17 14:27
- 更新日時
- 2017/09/21 14:19
- 管理番号
- 埼久-2017-016
- 質問
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解決
「春雨や もみあげ長き 宇野浩二」という俳句が芥川龍之介が詠んだものかどうか確認してほしい。
- 回答
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「春雨や」から始まる質問の句は確認できなかったが、「秋風や もみあげ長き 宇野浩二」という句を芥川龍之介が詠んでいることが確認できた。
『芥川龍之介俳句集』(芥川龍之介著 加藤郁乎編 岩波書店 2010)
p117「俳句 大正丸(一九二〇)年」に「650 秋風やもみあげ長き宇野浩二」の句あり。「650」は句番号を示す。
上記句の出典資料は以下の通り。
『芥川龍之介』(宇野浩二著 文芸春秋新社 1953)
p76-77に掲載あり。
- 回答プロセス
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1 《現代俳句データベース》( http://www.haiku-data.jp/ 現代俳句協会)を〈春雨や〉〈宇野浩二〉で検索する
該当する俳句なし。
2 自館所蔵資料を調査する
(1) 『芥川龍之介全集総索引 付年譜』(宮坂覚編 岩波書店 1993)
人名索引 p44「宇野浩二」に掲載の巻、ページを確認する。
ア 『芥川龍之介全集 第7巻 小説・随筆』(芥川龍之介著 吉田精一〔ほか〕編集 岩波書店 1982)
p66に宇野浩二を詠んだ俳句あるが、該当せず。
イ 『芥川龍之介全集 第9巻 小説・随筆』(芥川龍之介著 吉田精一〔ほか〕編集 岩波書店 1983)
p445に宇野浩二に対し読んだ句はあるが、該当せず。
(2) 『芥川龍之介句集 我鬼全句』(村山古郷編 永田書房 1976)
p38-40 季語「春の雨」
「春雨や」の句は8句あるが、宇野浩二の句なし。
p215-240「澄江堂句集」
p236に「春雨や」ではじまる句があるが、質問の句に該当せず。
3 《Google》( http://www.google.co.jp/ Google)を〈芥川龍之介 & 宇野 & 俳句 & もみ上げ〉で検索する
《スピカ 俳句のウェブマガジン》( http://spica819.main.jp/kirinnoheya/1455.html spica)
『芥川龍之介俳句集』(回答資料)に「秋風やもみあげ長き宇野浩二」が掲載されているとの記述あり。
『芥川龍之介俳句集』(回答資料)
p274「出典一覧」に「650 一九二〇年一一月二三日、諏訪に向う車中にて(宇野浩二『芥川龍之介』より)」とあり。(注)「向う」は原文ママ。
巻末「初句索引」より「春雨や」「春雨に」「春雨の」ではじまる句はあるが、質問句に該当せず。
4 句の出典資料『芥川龍之介』(回答資料)を調査する
『芥川龍之介』(回答資料)
p76-77に「私のことをおもひだすと、すぐ「芥川さんの『秋風やもみあげ長き宇野浩二』といふ句を、思ひだします、」と、いつた。」
「この『秋風やもみあげ長き宇野浩二』といふ句は、芥川が、中央線の汽車が木曾の谷あひを走りつづけてゐる時、その汽車のなかで、私の方をむいて、例の笑ひを目と頬にうかべながら、私に、よんで聞かせたものである。(後略)」とあり。
『宇野浩二全集 第11巻 評論評伝』(宇野浩二著 広津和郎〔ほか〕編集 中央公論社 1973)
p44「芥川龍之介」の項にも上記と同様の文あり。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年5月2日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (91 9版)
- 参考資料
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- 『芥川龍之介俳句集』(芥川龍之介著 加藤郁乎編 岩波書店 2010) , ISBN 4-00-360017-7
- 『芥川龍之介』(宇野浩二著 文芸春秋新社 1953)
- キーワード
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- 芥川 龍之介
- 宇野 浩二
- 俳句
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000218811