レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年01月22日
- 登録日時
- 2017/05/11 16:12
- 更新日時
- 2023/05/04 12:49
- 管理番号
- 20170508
- 質問
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解決
「いざ鎌倉」は誰が使った言葉なのか。
- 回答
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「いざ鎌倉」は、故事ことわざの一つで、具体的に誰かが使ったというわけではありません。鎌倉時代の文献にも出てきません。
由来と考えられているのは、室町時代につくられた謡曲「鉢の木」の佐野常世の「何か鎌倉に一大事が起こったら一番にはせ参じる」という意の言葉です。
ただ、謡曲「鉢の木」も本により言いまわしはいろいろですが、どれをみても常世の言葉自体に「いざ鎌倉」とあるわけではありません。
- 回答プロセス
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①故事ことわざ辞典を見る
②日本国語大辞典を見る
③各種国語辞典を見る
④鎌倉時代の言語について書かれたものを見る
⑤謡曲「鉢木」が由来とのことなので、「鉢木」を確認する。
本によって言いまわしはいろいろだが、「いざ鎌倉」という言葉自体は出てこない。
⑥東京大学史料編纂所のホームページで、念のため大日本史料を検索してみる
ノーヒット
⑦武士の言葉について書かれた本を見る
※謡曲から生まれた言葉であるなら、鎌倉の御家人が使ったという記録はないものと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『日本国語大辞典 第1巻(あ-いろこ)』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2000年 【R 813.1】 P917
- 『大きな活字の新明解故事ことわざ辞典』 三省堂 2004年 【R 813.4】 P41
- 『成語林』旺文社 1992年 【R 814.4】P60
- 『かながわ風土記 1991』 丸井図書編集部 1991年 【K0 051】 P74
- 『「鎌倉」の時代』 福田豊彦/編 山川出版社 2015年 【210.42】 P362
- 『謡曲集 下』 田中允/校注 朝日新聞社 1963年 【918】 P250 鉢木 「是は自然鎌倉に御大事あれば…」
- 『日本古典文学大系 41』 岩波書店 1963年 【918】 P411 鉢木 「今にてもあれ鎌倉に御大事出で来るならば…」
- 『解註 謡曲全集 巻4』 野上豊一郎/編 中央公論社 1984年 【912.3】P533 鉢木 「これは唯今にても候へ、鎌倉に御大事あれば…」
- 『日本文学大系 第二十一巻 』 国民図書 1927年 【918】 P191 鉢木 「これは只今にてもあれ、鎌倉に御大事あらば…」
- 『石井進著作集 第4巻』 石井進/著 岩波書店 200412 210.4 P265~ 「「いざ鎌倉」とは…謡曲「鉢の木」をもとに、江戸時代になって広く一般化した言葉のようだ」 , ISBN 4-00-092624-1
- キーワード
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- いざ鎌倉
- 鎌倉
- 鉢の木
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000215859