レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年12月8日
- 登録日時
- 2016/12/16 09:43
- 更新日時
- 2019/06/26 11:23
- 管理番号
- 島根郷2016-12-003
- 質問
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解決
島根県に牛鬼(ぎゅうき・うしおに)が出てくる伝説はありますか。
- 回答
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当館所蔵資料より、下記の資料を紹介し回答。
資料1:p222-231「牛鬼」。
冒頭で大田市に伝わる牛鬼の民話を紹介。石見の牛鬼は海の中から夜出るもので、昼間は姿は見せないとしている。
p224-231に県内に伝わる類話を紹介。吉田村(現・雲南市)、大田市、温泉津町(現・大田市)、桜江町(現・江津市)の伝説を載せる。
資料2:p203-214「七尋女房、杓貸せ」の中に「牛鬼」を紹介(p208-210、p212-213)。
伝説では大田市と掛合町のものを紹介。解説では、「牛鬼」(と「海姫」の話)は一般的に「産女」とよばれる話と共通点があり、牛鬼は濡れ女を斥候に立て、その報告を待って海から上がってくる。濡れ女は赤子を抱いていて、出会った人間にその赤子をちょっと抱いていてくれと頼み、海へ入る。入れ替わりに牛鬼が現れ、驚いた人間は逃げようとするが、抱いた赤子が石に変わって手に吸い付いて離れない、という話であるとする(岡田建文「石見牛鬼譚」)。また、山間部では「便所の怪」や山中に現れる「異臭の怪」として語られるという。
資料3:p100-102「牛鬼(ごき)という化けもの」として、江津市に伝わる話を紹介。
神社の神主が釣りをしていたら、濡れ女に出会い、牛鬼に襲われる。神主は一心に祈ったところ、牛鬼は悲鳴をあげて倒れ、神主は九死に一生を得て帰宅した。すると神主の妻から、床の間に置いていた刀が鳴り出し、何事かと妻が戸を開けたところ、刀はひとりでに闇夜に飛んで行ったという話を聞いた。次の日神主は牛鬼に襲われた場所へ行くと、そこには血だまりがあり波打ち際まで続いていたが、刀はどこにもなかった、という内容。
資料4:p310-314「石見の牛鬼-シャンシャンと鳴る日本の愛刀-」。内容は資料3とほぼ同じ。
資料5:p15-33「牛鬼考」(平賀英一郎)。
石見地方に伝わっている牛鬼伝説を分類する。単独襲撃、濡れ女と一緒、相撲を好む牛鬼、狼の守護、氏神の守護、刀の守護、など(8分類)。また全国の牛鬼伝説に合わせて4系統に分けている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 参考資料
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【資料1】日本伝説大系 第11巻. みずうみ書房, 1984.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001683675-00 , ISBN 4838014112 (当館請求記号 郷貸出388/203) -
【資料2】田中瑩一 著 , 田中, 瑩一, 1934-. 伝承怪異譚 : 語りのなかの妖怪たち. 三弥井書店, 2010. ([三弥井民俗選書])
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011058960-00 , ISBN 9784838290802 (p208~209 当館請求記号 郷貸出388.1/タ10) -
【資料3】民話の会「石見」 編 , 民話の会石見. 夕陽を招く長者. ハーベスト出版, 2013. (山陰民話語り部シリーズ ; 1)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024793684-00 , ISBN 9784864560733 (当館請求記号 郷貸出388.1/サ/1) - 【資料4】佐藤徳堯 著. 山陰の民話 中巻. 世界聖典刊行協会, 1979. (当館請求記号 郷貸出388.1/156/2)
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【資料5】山陰民俗学会 編 , 山陰民俗学会. 山陰民俗叢書 10. 島根日日新聞社, 1996.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069420649-00 (当館請求記号 郷貸出380/サ/10)
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【資料1】日本伝説大系 第11巻. みずうみ書房, 1984.
- キーワード
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- 島根県
- 伝説
- 牛鬼
- 石見地方
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000203371