レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/8/4
- 登録日時
- 2016/09/22 00:30
- 更新日時
- 2016/09/23 16:18
- 管理番号
- C160727105407-1
- 質問
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解決
第二次世界大戦終戦時及び前後の朝鮮半島における朝鮮人の人口を知りたい。
- 回答
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下記資料及びデータベースを確認したところ、データベース1及び資料1から8に1945年前後の人口等が記載されていましたのでお知らせします。なお、人口総数なのか朝鮮人のみの人口なのか、特定できなかった資料が一部ありますので、ご注意ください。
【 】内は当館請求記号です。また、インターネットの最終アクセス日は2016年8月1日です。末尾に*が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、インターネット上で公開しています。末尾に**が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館及び図書館送信参加館内で公開しています。
データベース1 「국가통계포털(Korean Statistical Information Service)」(http://kosis.kr/)
韓国統計庁が提供する統計の統合検索サイトです。人口については、1925年から2010年までの、おおよそ5年ごとのデータを入手することができます。
なお、1945年前後の朝鮮人(韓国人)の人口は、1935年が22,208,102(全国総計は22,899,038)、1940年が23,547,465(全国総計は24,326,327)、1944年が25,120,174(全国総計は25,900,142)、1949年が20,166,756(全国統計は20,188,641)、1955年が21,502,386(全国総計は21,526,374)となっています。
資料1 『日本地名大辞典. 第三卷』 日本書房, 1938 【R291.033-N77ウ】*
pp.1-39に朝鮮の人口表があり、p.1の昭和十一年の欄には「総数:22,047,836人、朝鮮人:21,373,572人」という記載があります。また、凡例に「昭和11年末の現住戸口調査に據り」という記述があります。
資料2 『日本内地外地市町村別人口表』日本書房, 昭和17 【R358.1-N77ウ】**
pp.54-64に「朝鮮人口表(昭和十五年十月一日現在)」が掲載されており、p.54に「朝鮮人口総計:24326327人」という記述があります。なお、記載された数値が外国人を含めた総人口なのか朝鮮人のみの人口なのか、断定するにいたる記述は見当たりませんでした。
資料3 『朝鮮人口動態統計. 昭和17年』 朝鮮総督府, 1944 【DT231-K2-3】*
「附錄」のpp.10-11に「第四表 昭和十三年以降各年ニ於ケル動態總覽」があり、昭和十三年から昭和十七年までの人口の総数が記載されています。たとえば、昭和十七年の総数は「24,105,906人」とされています。また、備考として「本表ニ於ケル人口ハ昭和十五年ハ国勢調査人口ニシテ、他ハ国勢調査 ニ基キ推計シタル十月一日推計人口ナリ」という記述があります。なお、巻頭の「凡例」には、「本統計は昭和十七年中に於ける朝鮮人の人口動態事實を輯錄したものである。」という記述があります。
資料4 朝鮮総督府 編『朝鮮総督府統計年報. 昭和17年』 朝鮮総督府, 1944 【352.1-Ty992t】*
「総括表」(pp.2-5)の「現住所数及人口」(pp.2-3)に、明治43年から昭和17年までの総人口及び朝鮮人の人口が記載されています。たとえば、昭和17年は「総人口:26,361,401人、朝鮮人:25,525,409人」と記述されています。
資料5 石南国『韓国の人口増加の分析』 勁草書房, 1972 【DC731-8】
p.58には「第2-9表 日韓併合時代における朝鮮人口の国勢調査人口および年平均増加率」があり、1920年、1925年、1930年、1935年、1940 年、1944年の総人口及び朝鮮人の総数が記載されています。なお、1944年は「総人口:25,900,142人 朝鮮人:25,120,174人」とされています。また注記として、「(資料)朝鮮総督府,『朝鮮国勢調査報,昭和10年』全鮮編,京城,1939年,150ページ。経済企画院,『第9回韓国統計年鑑,1962年』ソウル,1962年,18~19ページ。」という記述があります。
p.60には「第2-10表 1910~1944年における朝鮮人人口の推移」があり、1910年から1944年人口総数が記載されています。なお、1944年は第2-9表と同じく「総数:25,120,174人」とされています。また注記として、「(資料)朝鮮総督府編,『朝鮮総督府年報』,大正5年版(1918年刊),22~23 ページ,大正10年版(1922年刊),38~39ページ,昭和元年版(1928年刊),24~25ページ,昭和8年版(1935年刊),26~27ページ,昭和17年版(1944年刊),16~17ページ,京城」という記述があります。
p.71には「第2-15表 第2次大戦後における年次別人口」があり、1946年から1962年、1964年から1966年の年次別人口が掲載されています。なお、1946年は米軍政庁調査(8月25日現在)の データで、「19,369,270」とされています。また注記として、「(資料)韓国銀行調査部『経済統計年鑑』1959年版,1959年5月,11ペー ジ。保険社会部,『保険社会統計年報』1961年版,1962年6月,446~447ページ。経済企画院統計局,『韓国統計月報』第4巻第5号,1962 年6月,2~3ページ。同調査統計局,『第十回韓国統計年鑑』1963年版,1963年5月,16ページ。同,『第十四回韓国統計年鑑』1967年版,1967年8月,16ページ。人口問題研究所(韓国),『人口問題論集』第2号,1966年7月,160ページ。」という記述があります。なお、記載された数値が外国人を含めた総人口なのか朝鮮人のみの人口なのか、断定するにいたる記述は見当たりませんでした。また、米軍政庁調査によるデータであり、調査対象地域は朝鮮半島全域なのか、当時の米軍占領地域のみなのか、等は不明です。
また本書の「第一章 韓国人口に関する統計資料」 (pp.2~41)、「第二章 韓国の人口増加と特質」(pp.42~85)の複数の箇所において、各統計の信頼性について言及しています。例えば、 p.29では「第二次大戦後の人口動態統計はまず米軍政庁によって調査公表された。一九四六年から過渡政府(米軍政庁朝鮮人機構の改称)の時期を含む一九四八年までの各年次についてその統計をみることができるが、一部の都市を除いては全く信頼性を欠くものである」としています。参考までにお伝えします。
資料6 加藤寿延「書評 石南国著『韓国の人口増加の分析』」『アジア研究』19(4) アジア政経学会, 1973 【Z1-68】
資料5に関する書評であり、前述した各統計の信頼性の言及等、本文の要約も記述されています。なお、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)の提供するデータベース「J-stage」(https://www.jstage.jst.go.jp/)で、インターネット上で全文の閲覧が可能です。
資料7 『朝鮮国勢調査報告. 15(1945)』 民俗苑, 1991 【DT231-K2-E1】
「人口調査結果報告」のpp.1-2に「1 年齢及民籍國籍別人口」という表があり、p.2の最下部にそれぞれの総数の値が記述されています。総数は「25,900,142」、朝鮮人の男は「12,521,179」、朝鮮人の女は「12,599,001」という値が記述されています。なお、当該資料は複製版ですが、複製前の原本に記入されたと思われる、「25,120,180」という、朝鮮人の男性及び女性の合計値らしきメモ書きも記載されています。また、凡例には、「昭和十九年五月一日現在を以て、全鮮一斉に實施したる人口調査」と記述されています。
資料8 Nicholas Eberstadt“Population et main-d'oeuvre en Corée du Nord : évolution etconséquences”(“Population” 48(3), 1993, pp.683-708 【Z51-A50】)
末尾のANNEXEの“Tableau 1. Corée du Nord. Population totale déclarée, par sexe, 1946-1987”(p.702)に、1946年から1987年までの北朝鮮の総人口が記載されています。
1946年の総人口は、9257(単位:千人)とされています。情報源に関する注記があり、1990年5月25日の北朝鮮中央統計局のデータを元にしている旨の記載があります。なお、記載された数値が外国人を含めた総人口なのか朝鮮人のみなのか、断定するにたる記述は見当たりませんでした。また、資料8はフランスの機関リポジトリ「ペルセウスポータル」(http://www.persee.fr/)で、インターネット上で全文の閲覧が可能です(http://www.persee.fr/doc/pop_0032-4663_1993_num_48_3_4036)。
資料9 『朝鮮民主主義人民共和国国民経済発展統計集. 1946-1960』外国文出版社, 1961【330.59-G132t】**
p.18に「人口の増加およびその性別構成」という表があり、1946年から1960年までの3、4年ごとの人口が記載されています。1946年末の総人口は、資料8と同じく9257(単位:千人)とされています。なお、記載された数値が外国人を含めた総人口なのか朝鮮人のみなのか、断定するにたる記述は見当たりませんでした。
(その他調査済み資料及びデータベース)
・『朝鮮総督府施政年報. 昭和13-16年度』朝鮮総督府, 昭和15-18 【14.4-337】*
・「北朝鮮の人口(一)」『世界と人口 : ジョイセフニュースレター』255 2995.6, pp.42-50【Z33-1824】
・島村史郎「北朝鮮の人口(1)」『統計』49(8) pp.66-69 日本統計協会, 1998 【Z3-458】**
・『朝鮮総督府国勢調査報告. 第1-18冊』文生書院, 2000 【DT231-K2-G1】
・内閣統計局 編纂 ; 中村隆英 復刻版監修『日本帝国統計年鑑. 30』東洋書林, 2002 【DT31-G1】
・内閣統計局 編纂 ; 中村隆英 復刻版監修『日本帝国統計年鑑. 31』東洋書林, 2002 【DT31-G1】
・内閣統計局 編纂 ; 中村隆英 復刻版監修『日本帝国統計年鑑. 32』東洋書林, 2002 【DT31-G1】
・文浩一「朝鮮民主主義人民共和国人口推計研究ノート : センサス統計と登録人口調査統計との整合性に関する検証」 2004 (一橋大学機関リポジトリHERMES-IR収録)(https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/14069)
・『한국통계연감』 (62) 통계청, 2015 【Z41-AK31】
・統計廳 [編]『한국의 사회지표』2015 경제기획원, 2016 【Z41-AK86】
・NDL-OPAC(https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp/)
・CiNii Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)
・CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)
・国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)
・J-stage(https://www.jstage.jst.go.jp/)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『植民地朝鮮-その現実と解放への道-』趙景達/編
『植民地朝鮮と日本』趙景達/著
『植民地朝鮮の日本人』高崎宗司/著
『「日本の朝鮮統治」を検証する』ジョージ・アキタ/著 ブランドン・パーマー/著
- NDC
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- 人口統計.国勢調査 (358 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 朝鮮、人口
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000197173