レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年06月22日
- 登録日時
- 2016/07/30 11:39
- 更新日時
- 2016/08/12 19:49
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2294
- 質問
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色紙にあった一文「匈月一日」の読みと意味を知りたい。
- 回答
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田能村竹田の画帖『亦復一楽帖』に書かれた賛の一部と考えられる。「匈月」「一日」がそれぞれ1字で「胸間(きょうかん)」か。
菅沼貞三「竹田の亦復一楽帖」(『哲學』 第53集 慶應義塾大学1968年刊)のp.228ページに色紙の文章が掲載されていた。第八図にこの文章が書かれていると指摘しており、「把盃卓立於長風前、胸間無一物之為芥蔕、目下無一塵之為点汚、超出於万象之外、忘吾之為我、亦復一楽」と句点を切り、「盃を把って長風の前に卓立すれば、胸間に一物の芥蔕をなすなく、目下には一塵の点汚をなすなし、万象の外に超出して、吾の我たるを忘るるも、亦また一楽」と訓読している。
『大漢和辞典 9』(大修館書店,1967年刊)p.305「[匈+月]は胸に同じ。」とあるため、「匈月」は「胸」の異体字と考えられる。また、「一日」は『検索自在 くずし解読字典』(若尾俊平・服部大超編 柏書房,1976年刊)p.426に「間」のくずし字として似た形の字が掲載されていた。
- 回答プロセス
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色紙の一文の"立於長風前"を「Google Scholar」で検索したところ、上記の菅沼貞三の論文が該当。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 「竹田の亦復一楽帖」(菅沼貞三著 『哲學』 第53集 1968.9 慶應義塾大学) (CiNiiで公開されている:http://ci.nii.ac.jp/naid/110007408895 2016年7月確認)
- 『田能村竹田 資料集 絵画篇(大分県先哲叢書)』(大分県教育庁管理部文化課編 大分県教育委員会,1992)
- 『田能村竹田基本画譜 図版篇』『同 解説編』(田能村竹田[画],宗像健一編著 思文閣出版,2011年刊 (『図版編』p.74、『解説編』p.116に記載あり。)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000195470