レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/11/25
- 登録日時
- 2015/12/26 00:30
- 更新日時
- 2015/12/26 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-150062
- 質問
-
解決
東日本大震災以前,三陸沿岸全体と宮城県に津波をもたらした地震と,その被害の概要について知りたい。
- 回答
-
おたずねの件について,下記資料に記載がありました。なお,【 】内は当館請求記号です。
1 三陸沿岸部に津波をもたらした地震及びその被害について
資料1 河北新報社 編『宮城県百科事典』河北新報社, 1982【K031/カ2/オタ】
pp.717-718「つなみひがい 津波被害」の項
津波のしくみや,地形と津波の関係,津波の被害の大きかった地震津波についての記述のほか,「津波被害一覧表」の記載があります。
「津波被害一覧表」には,1894年(明治27)「根室沖地震津波(北海道・三陸)」から1968年(昭和43)「十勝沖地震津波(十勝沖・三陸)」まで10件の津波被害について記載されています。
また,地震による津波の被害について,「(前略)津波は1100年前の869年(貞観11)に被害の記録があり,江戸時代初期からチリ地震までの350年間に19回,すなわち18年に1回の割合でこの地方は津波に襲われている。(後略)」の記述もあります。
資料2 『日本の自然災害 1995?2009年』日本専門図書出版, 2009【450.98/097/タR】
pp.454-458「図表で見る地震国日本の実態」の項中の「付録1:日本の主な自然災害年表」の項
869年から2008年までに国内で発生した自然災害についての年表が掲載されています。
資料より,三陸沿岸が被災した地震・津波については次のとおりです。年月日,種目,被災地域,死者不明(人),備考の順に記載します。
なお,年表に記載された災害については,死者・不明者の数が1900年以前は1,000人以上,2000年以前は100人以上のものです。
・869.7.13(貞観11.5.26),地震/津波,三陸沿岸,1,000,M8.3
・1611.12.2(慶長16.10.28),地震/津波,三陸沿岸および北海道東岸,5,000,M8.1「慶長三陸大津波」
・1896.6.15(明治29),地震/津波,東北~北海道,21,959,M8.3「三陸地震津波」
・1933.3.3(昭和8),地震/津波,岩手県,宮城県,3,064,M8.1「三陸沖地震」
・1960.5.23(昭和35),津波,東日本太平洋沿岸,142,「チリ地震津波」 チリ地震(M9.5)による津波
資料3 吉川弘文館編集部 編『日本史必携』吉川弘文館, 2006【210.03/061/R】
pp.201-205「基本資料編 地震」の項
日本の有史以来の被害地震のうち,被害の大きいものや特徴のあるものが記載されています。被害の項目に,津波被害についての記載があります。
資料4 『三陸沿岸地震・津波年表』大船渡市立博物館, 1990【K453/オ1/イ】
pp.5-93「歴史地震・歴史津波年表」が掲載されています。
資料5 力武常次 監修,竹田厚 監修『日本の自然災害』日本専門図書出版, 2010【450.98/101/タR】
pp.275-382「3 地震・津波災害」の項
「表3-1 日本の大地震一覧」(1)~(4)が掲載されています。
p.311「三陸沿岸の津波災害歴」の項
貞観11年から昭和35年のチリ地震津波までの津波の被害歴をまとめたコラムが記載されています。
資料6 「日本付近のおもな被害地震年代表」『理科年表(机上版)』丸善, 2012, (86), pp.720-753【PA403.6/リ】
西暦416年から2011年までの地震について記載されています。
資料7 渡辺偉夫『日本被害津波総覧』東京大学出版会, 1998【453.4/982】
pp.55-236「第2編 津波各論」の項中の
pp.66-216「1 日本およびその周辺の沿岸で発生した津波」の項,及びpp.217-236「2 外国の沿岸で発生した津波のうち,日本およびその周辺の沿岸に影響を与えた津波」の項に,個々の津波についての記載があります。
2 宮城県に津波をもたらした地震及びその被害について
(1)図書
資料8 宮城県史編纂委員会 編『宮城県史 第22巻』宮城県史刊行会, 1987【K201/ミ1-2/イ22】
pp.195-230「災害史」の項中の「災害年表」の項
仙台藩領内,宮城県内管内の災害年表が掲載されています。ただし,記載されている種目は地震津波に関するものだけでなく,飢饉や洪水,疫病などを含む災害全般にわたります。
資料9 『土と文字が語る仙台平野の災害の記憶』仙台市博物館, 2013【453.2/133/タ】
2000年前(弥生時代)から1978年(昭和53)の地震災害の記録が一覧で記載されています。ただし,仙台平野での被害についてのみ記載されています。
資料10 飯沼勇義『仙台平野の歴史津波』宝文堂, 1995【369.31/959】
仙台地方の過去の津波について記載があります。
(2)Webサイト
・「仙台管区気象台」 URL http://www.jma-net.go.jp/sendai/jishin-kazan/higai.htm (最終アクセス日:2015/12/16)
「宮城県に影響を及ぼした地震・津波の被害」の項に,『理科年表』に記載されている被害地震・津波の情報から,宮城県に影響を及ぼしたものについて掲載があります。
3 参考
以下の資料をお調べしたところ,個々の災害についての記載がありました。参考までご紹介します。
資料11 菊池万雄『日本の歴史災害』古今書院, 1986【450.9/キ2】
資料12 渡辺偉夫『日本被害津波総覧』東京大学出版会1985【453.5/ワ1】
資料13 『わが国の災害誌』全国防災協会, 1965【369.3/セ1】
資料14 『宮城の地誌』宮城県高等学校社会科教育研究会地理部会, 2001【291.23/013】
資料15 『三陸津波誌』チリ地震津波気仙地区調査委員会, 1961【K453/チ2】
資料16 外川淳『天災と復興の日本史』東洋経済新報社, 2011【210.17/117】
資料17 三陸大震災史刊行会 編『三陸大震災史』友文堂書房, 1933【K453/サ1/イ】
資料18 山下文男『哀史三陸大津波』青磁社, 1982【K453/ヤ1】
資料19 宮城県編『宮城県海嘯誌』宮城県, 1903【K453/ミ1-3/ウ】
- 回答プロセス
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1 当館参考図書の書架をブラウジング。
2 当館蔵書検索システムで「三陸 歴史 津波」「災害 歴史」等をキーワードに資料検索。
3 当館「みやぎ資料室」にて,郷土資料を調査。三陸沿岸部に関する郷土資料や宮城県史等を調査。
4 当館の過去のレファレンス事例を検索。類似した事例より資料を調査したが,地震による津波を通覧できる資料は上記1-4にて調査済みであった。
5 国立国会図書館「リサーチ・ナビ」にて,「津波」をキーワードに検索。「過去の災害について調べる(地震・津波・火山噴火・水害等)」を閲覧。当館で所蔵する資料は,上記1-3にて調査済みであった。
6 「レファレンス協同データベース」を確認。「地震 津波」等のキーワードで検索。関連資料を閲覧。
7 気象庁等のWebサイトに関連事項がないか確認。仙台管区気象台のサイトに,有用な情報の掲載があった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 地球科学.地学 (450 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 津波--東北地方--歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000186454