レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年6月10日
- 登録日時
- 2015/06/30 18:21
- 更新日時
- 2016/11/16 17:42
- 管理番号
- 2015-015
- 質問
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解決
幕末における脱国者の数や状況がわかる資料を探している。
新島襄の脱国については調査済みであるので、新島襄以外について知りたい。
- 回答
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全ての脱国者について把握出来る資料は見つかりませんでしたが、当時の状況等を知ることが出来る資料をご案内いたします。
詳しくは回答プロセスをご覧ください。
- 回答プロセス
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1. 本学契約データベース「ジャパンナレッジ Lib」での調査
キーワード「幕末」「密航」などで全文検索したところ、以下の資料が該当した。
・「海外留学生」(国史大辞典)
「(一)幕末期」として”諸藩では、海外渡航解禁以前は密航の形で、文久三年、萩藩から井上馨・伊藤博文ら五名、慶応元年、鹿児島藩吉田清成・鮫島尚信・森有礼ら十四名が渡英した。”
・「吉田松陰」(国史大辞典)
”ロシアの軍艦が長崎に来舶すると聞くや、九月、長崎に向かったが果たさず、翌安政元年(一八五四)正月、ペリーが和親条約締結のため再航するや、三月二十七日夜、金子重之助とともに下田において米艦ポーハタン号に上り外国への密航を懇請したが容れられず、翌日自首して縛に就き、江戸の獄舎に投ぜられた。”
2. 本学所蔵資料での調査
検索キーワードに上記で分かったことも加え検索。
・『薩摩藩英国留学生』犬塚孝明著 東京 : 中央公論社 , 1974
p. 8~「第一章 十五人の留学生」
武器商グラヴァーが”英国に密航したいという西南諸藩の有為の士がいれば、いつでも喜んで力を貸したようである”とあり。長州藩、佐賀藩、広島藩などから「英国に密航留学している。」とあり。
p. 13からは、薩摩藩における人選の方法や、人物概略、出航する際に偽名を使ったこと等が記載されている。
・『日本電信の祖石丸安世 : 慶応元年密航留学した佐賀藩士』 多久島澄子著 東京 : 慧文社 , 2013
「第二章 イギリスへ密航留学」石丸寅五郎ほか2名がイギリスへ密航留学した旨が書かれている。
・『海を越えた日本人名事典』新訂増補 富田仁編集 日外アソシエーツ 2005
巻頭「総論」IV 4.長州藩イギリス留学生、V 5.薩摩藩イギリス留学生の中で幕府の眼を盗んで海外へ留学したことが書かれている。また、橘耕斎がロシアへの密航渡航者として記載されている。
巻末「年別渡航者名一覧」に新島襄の名前あり。理由は記載されていない。理由が「密航」となっているのは橘耕斎のみ。
3. その他
・『密航留学生たちの明治維新:井上毅と幕末藩士』犬塚孝明著 東京:日本放送出版協会 , 2008 ラーネッド記念図書館、社会学部所蔵
・『幕末明治海外渡航者総覧』手塚晃, 国立教育会館編 東京:柏書房 , 1992
※参考:手塚晃著「「幕末明治海外渡航者総覧」の編集意図と実態の概要」
書誌索引展望 17(2), p48-53 に資料の概要が書かれている。
- 事前調査事項
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新島襄の脱国については調査済みである。
- NDC
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- 日本史 (210)
- 参考資料
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- 犬塚孝明 著. 薩摩藩英国留学生. 中央公論社, 1974. (中公新書) (NCID:BN00396177)
- 多久島澄子 著. 日本電信の祖石丸安世 : 慶応元年密航留学した佐賀藩士. 慧文社, 2013. , ISBN 9784863300613 (NCID:BB14240262)
- 富田仁 編. 海を越えた日本人名事典 新訂増補. 日外アソシエーツ, 2005. , ISBN 4816919333 (NCID:BA72592929)
- 犬塚孝明 著. 密航留学生たちの明治維新 : 井上馨と幕末藩士. 日本放送出版協会, 2001. (NHKブックス) , ISBN 4140019212 (NCID:BA53100095)
- 手塚晃, 国立教育会館 編. 幕末明治海外渡航者総覧. 柏書房, 1992. (NCID:BN07277336)
- 国史大辞典, ジャパンナレッジ Lib, http://japanknowledge.com (参照:2015-06-12)
- キーワード
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- 脱国
- 脱国者
- 幕末
- 密航
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000176580