レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/7/1
- 登録日時
- 2014/08/21 00:30
- 更新日時
- 2014/09/01 11:48
- 管理番号
- B140616141306
- 質問
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解決
割りばしや爪楊枝等の木製品の作成過程における、「煮沸」についての方法や効果について記載されている資料はないでしょうか?曲物を生産する場合や木を刳りぬく加工をする場合の「煮沸」について触れている資料も探しています。
- 回答
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割りばしと爪楊枝の作成過程で行われる「煮沸」の効果を簡潔に記載した資料として(1)~(4)が、曲物の生産工程の「煮沸」について簡潔に記載した資料として(5)及び(6)が、木を刳りぬく加工を行うときの「煮沸」について簡潔に記載した資料として(6)がありましたので、御紹介します。(【 】内は当館請求記号です)
(1)稲葉修 西川和穂「つまようじ作り 一本の楊枝から世界が見えた!」(『森の“聞き書き甲子園”聞き書き作品集』 8 2009年度 pp.273-276 【Z71-T118】)
「1 製造工程」(p.273)に、「まず原木ありますよね、これを30センチくらいの切り株状に切ります。で、これを釜で4時間煮るんです。次の工程でむくから、むきやすいようにと木のアクを抜くっていう目的。」とあります。
(2)稲葉修「紹介 楊枝の歴史と文化を伝える「つまようじ資料室」」(『Estrela』 (90) 2001.9 pp.29-35 【Z24-B120】)
「6.白樺の活用」の項(pp.32-33)のp.32に、「まず原木を約30cmに切断する。次にこの原木を煮沸するが、この目的は木を柔らかくし、木の灰汁を取り去る。」とあります。
(3)「技術短信 割箸製造用背板の熱軟化装置の開発」(『現代林業』 (305) 1991.11 pp.36-37 【Z18-1198】
p.36に、「従来から材面を平滑に保ち、切断を容易にするため、あらかじめ背板を、いわゆる五右衛門炊きと称する方法で、煮沸水槽(常圧・平型水槽)に沈め、釜の底からの加熱と水槽中へのスチームの吹き込みによって、煮沸を行っていた。」とあります。
(4)『箸の文化史 : 世界の箸・日本の箸』(一色八郎 御茶の水書房 1998.8. 【GD51-G77】)
「北海道産の大衆割り箸」(pp.145-146)のp.146に、生産工程が掲載されており、「②煮沸 玉(材料)のあくを抜き、材料を軟かくする。」とあります。
「熊本の竹箸」(pp.146-148)のpp.147-148に生産工程が掲載されており、「⑤煮沸 沸騰している釜に入れ、竹の中のあくを抜く。これは消毒と糖分を抜き乾燥を助ける。」とあります。
(5)『木竹工芸の事典』(柳宗理ほか編 新装版 朝倉書店 2005.7 【PS31-H14】)
「2.加工 2.2.曲物」の項のp.221に、「次に煮沸であるが、熱湯で30分ほど煮て可塑性が増したところで」とあります。
(6)『日本木工技術史の研究』(成田寿一郎 法政大学出版局 1990.2 【PS31-E15】)
「六 刳物類」(pp.441-452)の「①杓子」(pp.450-452)に、木を刳りぬいて作る杓子の加工順序が記載されており、「材を軟らかくするために鍋・釜内で二〇~三〇分ほど煮沸した後」とあります。
「八 剥ぎ板類・曲物類」(pp.480-492)のp.491に、曲物の技法について記載されており、「剥ぎ板を曲げる前に、湯中に浸すか、蒸気を吹きかけて、材中に熱と水分を与えて可撓性(可塑性)を付与した後」とあります。
[その他の調査済み資料・データベース]
・『森林の百科』(井上真ほか編集 朝倉書店 2012.6 【RB2-J114】)
・『煙管・パイプ・手巻きたばこマニュアル』(スタジオタッククリエイティブ 2012.1 【PS71-J1】)
・『森林大百科事典』(森林総合研究所編 朝倉書店 2009.8 【RB2-J52】)
・『森林と木材を活かす事典 : 地球環境と経済の両立の為の情報集大成』(産調出版 2007.1 【RB311-H76】)
・『木材工業ハンドブック』(森林総合研究所監修 改訂4版 丸善 2004.3 【RB2-H29】)
・『森林・林業百科事典』(日本林業技術協会編 丸善 2001.5 【RB2-G81】)
・『木材加工技術ハンドブック』(木材加工技術ハンドブック編集委員会編 奈良県森林技術センター 2000.4 【PA2-G71】)
・『木材活用事典』(木材活用事典編集委員会編 産業調査会事典出版センター 1994.4 【RB414-E19】)
・『木材工学辞典』(日本材料学会木質材料部門委員会編 工業出版 1982.5 【PA2-207】)
・『日本の手工業. 西日本めぐり』(さ・え・ら書房 昭和35 【児509-O935n】)国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)
・四位正也 他「アピトン材の煮沸に関する考察」(『木材工業』 10(2) 1955.02 pp.20-26 【Z17-486】)国立国会図書館デジタルコレクション(館内公開)
・伊藤公一「日本のものづくり・人づくり 割箸で橋渡しする日本の心--吉野杉箸商工業協同組合」(『クオリティマネジメント』 62(9) (通号 802) 2011.9 pp.10-16 【Z4-180】)
・田中淳夫「みどり作る人々(第17回)中本製箸 中本実会長 割り箸で、森林を救う!」(『グリーン・パワー』 (401):2012.5 pp.14-15 【Z18-1360】)
p.14に、「直径30センチ、幅20センチ程度の輪切りされた丸太が、巨大な刃により小分けされる。(中略)煮沸して柔らかくすると、木目に沿ってスライスする。」とあります。
・赤堀楠雄「中本製箸(石川県金沢市) ロシア産エゾマツと国産スギで割り箸を製造--スギ製割り箸は地元飲食店から引き合い」(『木材情報』 (通号 222) 2009.11 pp.14-17 【Z18-3182】)
・「稲葉さんのつまようじ資料室」(『暮しの手帖. 第3世紀』 (通号 71) 1998.01 pp. 70-73 【Z6-2136】)国立国会図書館デジタルコレクション(館内公開)
・「河内長野つまようじ資料室」(『マンスリーきんき』 11月(290) 1993.11 pp.60-63 【Z3-943】)
・「産地ルポ(雑貨の巻)脱家内工業への努力に懸命――たわし、割りばし、つまようじの”3し”の産地」(『販売革新』 8(7)(90) 1970 pp.67-70 【Z4-48】)国立国会図書館デジタルコレクション(館内公開)
・稲葉修ほか「爪楊枝作り 楊枝の面白さ」(『森の"聞き書き甲子園"聞き書き作品集』 7 2008年度 pp.228-232【Z71-T118】)
・リサーチ・ナビ(http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・つまようじ資料室(http://www.cleardent.co.jp/siryou/index.html)(株式会社広栄社)
・木net(http://www.jawic.or.jp/)(日本木材総合情報センター)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2014年6月25日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 木工業.木製品 (583 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 木材加工
- 木製品
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000158553