レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年06月15日
- 登録日時
- 2014/07/16 09:25
- 更新日時
- 2019/11/27 13:49
- 管理番号
- 京資-283
- 質問
-
解決
ますほの薄(すすき)という語の意味を登蓮法師というお坊さんが遠くまで調べに行ったというのは、何という古典に掲載されているか知りたい。
- 回答
-
ますほの薄については、『無名抄』と『徒然草』に掲載されている。
『無名抄』は『歌論集:能楽論集』(日本古典文学大系;65)のp35~98に掲載されており、p48~49に「ますほの薄事」が記載されている。また、『徒然草』は『方丈記:徒然草』(日本古典文学大系;30)のp53~290に掲載されており、ますほの薄について書かれている第188段はp242~246にある。
なお、『無名抄』『徒然草』『古語大辞典』によると、ますほの薄は赤い色をしており「ますほの薄」「まそをの薄」「ますうの薄(『広文庫』では、まそうの薄)」の3種類があり、ますほの薄は「穂の長くて1尺ばかりあるをいう」、まそをの薄は「真麻の心也」、ますうの薄は「まことにすはうなりという心也。ますはうの薄といふべきを略したるなり。色深き薄の名なるべし」とある。
- 回答プロセス
-
1.古い文献を集めた百科事典である『広文庫』(五十音順に編纂)で「すすき」を調べたところ、『広文庫;第10冊』のp751~754に「ますほの薄、まそをの薄、まそうの薄」が記載されており、当該記述は『無名抄』に記載されているとあった。
2.同様に古い文献を集めた百科事典である『古事類苑』(分野別に編纂)の索引『古事類苑新仮名索引』で「すすき」を調べたところ、植物部1のp920に該当項目があると記載されていた。『古事類苑;[49]植物部』のp920以降を調べたところp924~925に「ますほの薄」について記載されていた。記述の典拠等は『広文庫』と同様だった。
3.『古語大辞典』で「ますほ」を調べたところ、p1520「真赭(ますほ)」の項目に「まそほ」の転とあり、例文に「ますほの薄、まそほの薄などといふ事あり」(徒然草・188)が記載されていた。また、「真赭・真朱(まそほ)」の項目には「赤い色」と記載されていた。
4. 京都府立総合資料館・京都府立図書館の蔵書検索システムで、タイトル「無名抄」「徒然草」をそれぞれ検索した。
- 事前調査事項
-
質問者によると、ますほの薄には様々な表記があり、長さや色の違う3種類のススキを指すとのこと。
- NDC
-
- 日本語 (031 9版)
- 作品集 (918 9版)
- 参考資料
-
- 『広文庫;第10冊』 物集高見著 広文庫刊行会 1925年 当館請求記号031.2/Mo99/10
- 『古事類苑新仮名索引』 倉本一宏編 吉川弘文館 2010年 当館請求記号031.2/Ku53
- 『古事類苑;[49]植物部』 吉川弘文館 1980年 当館請求記号031.2/Ko39/49
- 『古語大辞典』 中田祝夫[ほか]編 小学館 1983年 当館請求記号813.6/Ko26
- 『歌論集:能楽論集』 岩波書店 1977年 (日本古典文学大系;65) 当館請求記号Y/918/017744
- 『方丈記:徒然草』 岩波書店 1977年 (日本古典文学大系;30) 当館請求記号Y/918/017709
- キーワード
-
- ますほの薄
- まそをの薄
- ますうの薄
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000156212