レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年11月13日
- 登録日時
- 2012/12/01 10:40
- 更新日時
- 2012/12/01 10:40
- 管理番号
- r142
- 質問
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解決
中国の五代十国時代、後蜀という国の孟昶(もうちょう)が作った、「戒諭辞」という作品について、全文が収録されている資料はないか。公務員の心得を示した文章で、どこかの県庁に碑があると聞いた。
- 回答
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「戒諭辞」の一部が刻まれた石碑は、富山県庁本館正面にあるとのことで、同県ホームページでも紹介されています。
富山県ホームページより(pdfファイル)
http://www.pref.toyama.jp/cms_pfile/00001736/00356996.pdf
また、以下の資料で、句の一部を確認することができます。
・『中国古典名言事典』(諸橋轍次/著 講談社 1972)p704
「爾の俸、爾の禄は民の膏、民の脂なり。」とあり、この部分の原文と意味が確認できます。また、出典は「『通俗篇』政治」とあり、「五代前蜀の時、郡国に戒石碑を立て、その上に勒して戒めとした句」とあります。
・『中国名言名句の辞典』(尚学図書/編集 小学館 1989)
p269に「爾の俸、爾の禄は、民の膏、民の脂なり。」とあり、この部分の原文と意味が確認できます。こちらも出典は「『通俗編』巻六・政治」とあります。また、巻末の出典別索引に『通俗編』の解説があり、「ことばの解説書。三八巻。清の翟灝(てきこう)撰、俗語や常用語を広く集めて分類し、その由来や意味を解説した書」とあります(p1239)。
さらに、この『通俗編』については、以下の資料にも解説があります。
・『支那学芸大辞彙』(近藤杢/著 立命館出版部 1937)
p868に「通俗編」の解説があり、「単行本及び「函海」七七-七九の内」とあります。
なお、『通俗編』及び『函海』は国立国会図書館に所蔵がありますが、どちらも中国語資料です。
また、インターネット検索で、「容齋続筆」という資料に「戒諭辞」の全文があるとの情報がありました。この「容齋続筆」に関連して、『和刻本漢籍隨筆集 第3集』(長沢規矩也/著 汲古書院 1979)に「容齋随筆」の翻刻が収録されていますが、この解題に「もと五筆(随・続・三・四筆各一六巻、五筆一〇巻)から成るが、和刻本は初の一六巻に限られてゐる」とあり、「続筆」の和刻は公刊されていないようです。なお、鹿児島県立図書館所蔵の以下の資料に、「容齋続筆」が収録されているようです。
・『洪容齋筆記』(洪邁/著 掃葉山房 1913)三巻、四巻
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 漢籍
- 後蜀
- 孟昶
- 戒諭辞
- 通俗編
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 文学
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000115190