レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/05/03
- 登録日時
- 2012/06/16 02:00
- 更新日時
- 2012/07/13 15:41
- 管理番号
- 6000007881
- 質問
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解決
大阪なすという野菜を最近よく見かけるが、これと『なにわ野菜 割烹指南』(クリエテ関西)に載っている「大阪千両茄子」はどう違うのか。
- 回答
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大阪なすは大阪府の「なにわ特産品」の一つ。大阪千両茄子と同一のもので、千両ナスという品種を大阪で栽培したものであると推察される。
- 回答プロセス
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『なにわ野菜』を確認すると、p92-93にナスの記載があり、泉州水茄子(せんしゅうみずなす)・大阪千両茄子(おおさかせんりょうなす)の写真と簡単な解説が載っている。
『47都道府県・地野菜/伝統野菜百科』(丸善株式会社)の大阪府の項には、摂津市鳥飼(とりかい)地区で栽培される鳥飼なす(丸ナス、大阪府の「なにわの伝統野菜」に認定)および主に泉佐野市・貝塚市・岸和田市で栽培される泉州なす(水なす)が載っているが、大阪なす・千両なすについての記載はない。
『野菜園芸大百科5 ナス・ピーマン・生食用トウモロコシ・オクラ』(農山漁村文化協会)p137の「ナスの品種生態:地域別在来種一覧」の表を見たところ、大阪には「大阪丸」「大阪長」の名があるが、千両はこの表の中に記載なし。さらに「3.主要品種の特性」の項を見ると、p144に「千両」「千両2号」があり。千両2号は長卵形品種群のうちで最も広く栽培されているとのこと。
さらに『野菜園芸大事典』(養賢堂)p914-916のナスの品種解説を見ると、千両はp915のF1品種群の中に名があり。またナスF1品種群の組み合わせの表では、千両は卵形ナス群と中長ナス群の交配種の中に名が挙がっている。
このほか『知識ゼロからの野菜入門』(幻冬舎)p26、『野菜の基礎知識』(枻出版社)p54、『育てて食べる野菜の本3 どんどん穫れるナス!ピーマン!トウガラシ!』(日本放送出版協会)p8にもそれぞれナスの品種が載っており、千両ナスが広く栽培され全国的に最も生産の多い定番品種であることが記載されている。
大阪府のサイトの農林業のページを確認すると、「なにわの農産物・農産加工品」の中に「なにわ特産品」のページhttp://www.pref.osaka.jp/nosei/naniwanonousanbutu/tokusanhin.html があり、この中に「大阪なす」が載っている。富田林市・河南町・太子町が主な産地で、別名「千両なす」とも呼ばれるとあり。
また近畿農政局のサイトの「大阪産地一覧」http://www.maff.go.jp/kinki/seisan/engeitokusan/engesanti/o-index1.html では、南河内地域の野菜に「なす」があり。富田林市・河南町などの古くからのナス産地で半促成栽培が行われ、「大阪なす」「千両なす」と呼ばれるとあり。
以上のことから、大阪で栽培される千両ナスが「大阪千両ナス」であると推察されると利用者にお伝えした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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- 『なにわ野菜』上野 修三/著 (クリエテ関西)
- 『野菜園芸大百科』5 農文協/編 (農山漁村文化協会)
- 『野菜園芸大事典』野菜園芸大事典編集委員会/編 (養賢堂)
- 『知識ゼロからの野菜入門』植木 もも子/著 (幻冬舎)
- 『野菜の基礎知識』 (枻出版社)
- 『どんどん獲れるナス!ピーマン!トウガラシ!』 (日本放送出版協会)
- キーワード
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- 大阪なす
- 千両ナス
- 野菜
- 農業
- 農産物
- 品種
- なにわ特産品
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000107305