レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/03/12
- 登録日時
- 2012/03/17 02:00
- 更新日時
- 2012/03/17 02:00
- 管理番号
- 1000000579
- 質問
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解決
那覇市首里金城町の石畳道についての資料はないか。
- 回答
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『沖縄大百科事典 上 ア~ク』(沖縄タイムス社、1983年)
p917-918 「金城町石畳道」の項に、「首里金城町にある。尚真王代(1477~1526)に南部へ通ずる重要道路(真玉道)の一部として修築された。…沖縄戦では砲撃の死角となっていたために、町内の古い士族屋敷とともに被爆を免れ、周辺には赤瓦の古い家屋も残っている。県指定文化財(1956.5.)。」とある。
下記の資料を提供する。
『沖縄県歴史の道調査報告書 -国頭・中頭方西海道(Ⅰ)・弁ヶ嶽参詣道-』(沖縄県教育庁文化課、沖縄県教育委員会、1985年)
p68-70 「石畳道」の項に、沖縄の石畳道の起源、工法及び構造についての解説がある。
金城町の石畳道については、「尚真王代に真珠道の一部として整備された軍事道であった。」とし、首里城を起点に各間切の番所と番所をつなぐ宿道の場合、「街道全行程に渡って石畳が敷かれていたのではなく…いったん雨が降ればぬかるみがひどくなり歩行困難な坂道に限って石畳を敷く工法が行われていた。」とある。さらに、「首里城や宿道の石畳の場合には、規格的な切石をモザイク風に組み合わせた立派な石畳道が多くみられるのに対し、脇道などでは自然の石をわずかに加工しただけの稚拙な石畳道が多くなる傾向にある。」と構造についての説明がある。
『沖縄県歴史の道調査報告書-真珠道・末吉宮参詣道-』(沖縄県教育庁文化課、沖縄県教育委員会、1984年)
p38-48 「真珠道の概要」の項に、「仲原善忠氏は、真珠道をつくった目的を、『首里城正門から真玉橋にいたるいわゆる真玉路を作ったのも、城の守備兵の一部を、迅速に送るのが目的であった。』としている。」「国王尚真が首里城ならびに那覇港を防御する目的でつくった。当時の国を挙げての一大土木工事だった。」とある。
p51-60 「第一節 真珠道 (1)石門(真珠道の起点)~金城橋」の項に、「守礼門の建つ綾門大道から…国場川上流の真玉橋に至る道は、かつて真珠道と呼ばれ、その入り口は俗に石門(いしじょう)と呼ばれた。石門から…金城川(安里川の上流)に架かる金城橋までの間は真珠道の首里の域内部分である。」という説明があることから、金城町石畳道は、この真珠道の首里城内部分の一部であったことがわかる。他に、戦前・戦後の金城町石畳道の写真の他、周辺の御嶽や井戸についての解説があり、真珠道(金城町~識名坂)と、現在の金城町石畳道の地図が掲載されている。
『那覇市の文化財』(那覇市教育委員会文化財課、那覇市教育委員会、2007年)
p127 「首里金城町石畳道」の項。写真と周辺地図、石の敷き方などの説明がある。
『沖縄謎とき散歩』(青柳 悠友、広済堂出版、1999年)
p69-73 「金城の石畳とアカギの巨木」
石畳の解説の他、隣接する内金城御嶽の伝説や、周辺に住んでいた士族の生活ぶりについての記述がある。
『首里城跡周辺整備基本構想調査報告書』(首里城跡周辺整備基本構想研究委員会、那覇市、1979年)
p94 「3-3 道と塀 (石畳と石垣)」の項に、「史跡名勝である石畳道は、1522年(尚貞33年)島尻地方を結ぶ要路として、また、尚王の別荘であった敷名園へ通る道として造られた。他の道が全面的に石畳となったのは、いつの頃かは不明であるが、昭和の初期には、全面石畳舗装として残されている。」との記述あり。
『首里内金城村跡石畳道 首里金城町下水道整備事業に伴う緊急発掘調査報告』(那覇市教育委員会文化財課、那覇市教育委員会、2009年)
琉球王国の幹線道の一つであった「真玉道(真珠道)」の一部である県指定の史跡・名勝「首里金城町石畳道」を西に接し、東に市指定有形民俗文化財「内金城嶽」の小嶽と大嶽の間を抜けて現在の赤マルソウ通りに至る石畳道の発掘調査報告。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 1 沖縄大百科事典 上 ア~ク 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/1 p917-918
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2 沖縄県歴史の道調査報告書 (1) 沖縄県教育庁文化課∥編 沖縄県教育委員会 1985.3 K68/O52/1 p368-70 -
3 沖縄県歴史の道調査報告書 沖縄県教育庁文化課∥編 沖縄県教育委員会 1984.3 K68/O52 p38-48、p51-60 -
4 那覇市の文化財 平成18年度 那覇市教育委員会文化財課∥編集 那覇市教育委員会 2007.3 K709/N27 p127 -
5 沖縄謎とき散歩 青柳 悠友∥著 広済堂出版 1999.9 K299/A57 p69-73 -
6 首里城跡周辺整備基本構想調査報告書 首里城跡周辺整備基本構想研究委員会∥[編] 那覇市 1979.5 K51/N27 p64 -
7 首里内金城村跡石畳道 那覇市教育委員会文化財課∥編 那覇市教育委員会 2009.2 K200.2/N27
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 当館所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000103766