レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/03/12
- 登録日時
- 2012/03/17 02:00
- 更新日時
- 2012/03/17 02:00
- 管理番号
- 1000000573
- 質問
-
解決
沖縄の瓶子(ビンシー)について知りたい。他府県のヘイシ(瓶子:神事に用いる白無地の酒器)との関連はあるのか。
- 回答
-
『沖縄大百科事典 下』(沖縄タイムス社、1983年)
p336 「ビンシー(瓶子)」の項に「祈願に要するものを入れた携帯用の御願道具。近世に考案され一般的に用いられるようになった。…本来は錫製や陶製の対瓶のことをいい、首里や那覇の上流家庭では盃などを組にして盆に載せ、御願や婚礼などに用いた」とある。
『沖縄民俗辞典』(渡邊 欣雄 ほか、吉川弘文館、2008年)
p443 「ビンシー」の項に「木製蓋付きの三段の重箱状になっていて、祈願を行う際には最上段に用具を設置する。奥には酒瓶2本と、その間に盃を置き、手前の三ヶ所には米や塩を置いて拝む。下の段には黒線香、白紙、米など祈願に用いるものを納める。」と形状に関する説明がある。
下記の資料を提供する。
『沖縄の暮らしと民具』(上江洲 均、慶友社、1982年)
p205-206 「 ビンシー」の項に、「(錫製の)ビンシーを戸外で使い良いように改良を加えたのが、現在でよく言う重箱タイプのビンシーである。」とある。また、「ビンシー」という呼び名については、「瓶子(ヘイシ)をなまって呼んだものと思われる」と考察している。
『ふるさと沖縄の民具』(上江洲 均、沖縄文化社、1995年)
p71 「ビンシー(瓶子ヘイシ)」の用途に関する記述の他、「…本来は錫製の対瓶のことを言った」と解説がある。
『沖縄の御願ことば辞典』(高橋 恵子、ボーダーインク、1998年)
p295 「ビンシー(瓶水)」とは、
①酒を入れる錫製の器。
②御願の時に使うビンシー、線香、銚子、ミハナ(御米)などをいれる長方形の箱。
以上二つの意味に用いられる、とある。
参考にインターネットの情報を紹介する。
「泡盛館」HPの「焼き物 様美一体の酒器」のページ、「対瓶・瓶子(ビンシー)」の項に
「この種の容器は、もともと中国で作られた錫製の器であるが、金属の乏しい琉球では、それを陶器で作るようになった。」とある。
http://www.awamori.co.jp/touki.html(2012年2月20日現在)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 1 沖縄大百科事典 下 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/3
-
2 沖縄民俗辞典 渡邊 欣雄∥ほか編 岡野 宣勝∥編 吉川弘文館 2008.7 K38/O52 -
3 沖縄の暮らしと民具 上江洲 均∥著 慶友社 1982.12 K383/U52 -
4 ふるさと沖縄の民具 上江洲 均∥著 徳元 葉子∥写真 沖縄文化社 1995.6 K383/U52 -
5 沖縄の御願ことば辞典 高橋 恵子∥著 ボーダーインク 1998.1 K386/TA33
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 当館所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000103760