レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/08/05
- 登録日時
- 2011/08/06 02:00
- 更新日時
- 2011/08/06 02:00
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-110021
- 質問
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解決
「漁業権」の歴史,特に明治政府によって行われた「海面官有」布告について詳論したものに関する資料はありますか?
- 回答
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1 明治政府による「海面官有」政策について
(1)資料1 pp.7-9「第1章 制度の歴史」の「(2)海面官有,借区制度」の項に,
「明治政府が突如として出した太政官布告によって魚場紛争が激化紛糾し,1年にして失敗した」
という見出しで,以下の記述があります。
「(前略)ところが,明治8年になって明治政府は,突如として,雑税の廃止と同時に海面官有を宣言し,旧来の漁業に関する権利や慣行を一切否認し,新たなる申請に基づいて借区料の徴収を主体とした新漁業制度の実施を強行したのです。このような海面官有宣言,海面借区制は,従来の漁業占有利用権を消滅させ,新政府の許可によって再びそれを発生させる形で,漁業占有利用権の上に強い統轄を加えようとするものでした。」
続けて下記の「太政官布告第23号(明治8年2月20日)」「太政官布告第195号(明治8年12月19日)」「太政官達第215号(明治8年12月19日)」が掲載されています。
・「太政官布告第23号(明治8年2月20日)
従来雑税ト称スルハ旧慣ニ因リ区々ノ収税ニテ軽重有無不平均ニ付別紙種目ノ分本年1月1日ヨリ相廃シ候尤右ノ内追テ一般ニ課税スヘキ分モ可有之候得共差向収税無之テハ営業取締差支候類ハ当分地方ニ於テ収税ノ筈ニ候条旨布告候事」
・「太政官布告第195号(明治8年12月19日)
従来人民ニ於テ海面ヲ区画シ捕魚採藻等ノ為メ所用致居候者有之候処右ハ固ヨリ官有ニシテ本年2月第23号布告以後ハ所用ノ権無之候条従前ノ通所用致度者ハ前文布告但書ニ準シ借用ノ儀其管轄庁ヘ可願出此旨布告候事」
・「太政官達第215号(明治8年12月19日)
捕魚採藻ノ為海面所用ノ儀ニ付今般第195号ヲ以テ布告候ニ付テハ右借用願出候者ハ調査ノ上差許シ其都度内務省へ可届出此旨相達候事,但是迄当分ノ収税致シ来候分ハ其税額ヲ以テ借用料ニ引直シ可申事」
(2)資料2 pp.18-19「第一章 明治漁業法の成立と漁業権制度」(二)に記述があります。
また,同ページに「太政官布告第23号」「太政官布告第195号」「太政官達第215号」が掲載されています。
2 「漁業権制度」の歴史について記述した資料について
上記「海面官有」に関する内容を含む資料は以下のとおりです。
資料1 金田禎之『新編 漁業法のここが知りたい』成山堂書店, 2003【661.12/031】
資料2 潮見俊隆『漁村の構造』岩波書店, 1954【661.2/ウ1】
資料3 原暉三『日本漁業権制度史論』北隆館, 1948【661.2/ハ1】
資料4 黒木三郎先生古希記念論文集刊行委員会編『現代法社会学の諸問題 上』民事法研究会, 1992【321.3/924/1】
資料5 青塚繁志『日本漁業法史』北斗書房, 2000【661.12/009】
資料6 漁業法研究会『逐条解説漁業法』時事通信社, 2005【661.12/05Y】
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 水産経済.行政.経営 (661 9版)
- 参考資料
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- 新編漁業法のここが知りたい. 金田/禎之∥著. 成山堂書店, 2003.1【661.12/2003.1】
- 漁村の構造. 潮見 俊隆/著. 岩波書店, 1954【661.2/ウ1】
- 日本漁業権制度史論. 原暉三/著. 北隆館, 1948【661.2/ハ1】
- 現代法社会学の諸問題 上. 黒木三郎先生古稀記念論文集刊行委員会/編. 民事法研究会, 1992.4【321.3/1992.4/1】
- 日本漁業法史. 青塚 繁志/著. 北斗書房, 2000.9【661.12/2000.9】
- 逐条解説漁業法. 漁業法研究会∥著. 時事通信社, 2005.11【661.12/2005.Y】
- キーワード
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- 漁業権--歴史
- 財産権
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089699