レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/12/18 02:00
- 更新日時
- 2010/12/20 09:50
- 管理番号
- 2010-146
- 質問
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太平洋戦争末期、バチカンで太平洋戦争を終戦に導こうとする工作があったというのは本当ですか?
- 回答
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本当です。
1945年(昭和20年)5月、バチカンのローマ法王庁ヴァニヨッチ(Vagnozzi)司教は、日本公使館嘱託の富沢孝彦師に対して、「一米人」より和平問題について日本側と接触するための橋渡しをしてほしいとの申し出があったと明かしました。この申し出の内容は、ソ連の極東進出への警戒感から、米国側が日本に複数の休戦条件を提示しているというものでした。原田健駐バチカン公使はこれに対し、素性・目的とも明確でない人物とこのような交渉を行うことはできないとの観点から、消極的な回答を先方に伝えました。この回答を受けた「一米人」は、再度ヴァニヨッチを通じて、今後日本側から米国側に伝達希望があれば取り次ぐ準備があることなどを伝えてきただけで、その後具体的な交渉にはつながりませんでした。
この終戦工作については、外務省記録「大東亜戦争関係一件 「スウェーデン」、「スイス」、「バチカン」等ニ於ケル終戦工作関係」に関連記録が収められています。また、アジア歴史資料センターのホームページ( http://www.jacar.go.jp/ )からもご覧いただけます。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 昭和戦前期
- 1940年代(昭和15年~20年頃)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000075495