レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/8/20
- 登録日時
- 2010/11/27 02:00
- 更新日時
- 2020/03/21 08:46
- 管理番号
- 京資-154
- 質問
-
解決
京都の鴨川で友禅流しが行われていた時期を知りたい。
- 回答
-
鴨川での友禅流しは明治35年頃にはじまり、昭和30年以降は河川の水質汚染につながるため、次第に行われなくなった。昭和46年に水質汚濁防止法が施行され、鴨川で友禅流しをすることが禁止された。
- 回答プロセス
-
友禅流しとは染料を定着させるための糊を流す作業のことで、友禅染の製造工程のひとつとされる。
染織関係の資料をみていくと、以下の資料に記載があった。
『京都近代染織技術発達史』のp195-196に、西洞院川や堀川で「水洗」が行われていたが、次第に汚くなり布地の白い部分を汚すので、鴨川で水洗したところきれいに仕上がったという。これが鴨川での友禅流しの始まりとされ、おそらく明治35年頃とされている。
『京都水ものがたり』のp.26-28によると、友禅流しは明治時代に鴨川や堀川で行われていたが、昭和30年以降は河川の水質汚染につながるため、川では行われなくなったとされている。
雑誌『染織α』255号(2002年6月)のp43-46によると、昭和46年の水質汚濁防止法の施行により友禅流しが禁止されたと記載されている。
『近代友禅史』のp254-260によると、鴨川の水は水洗に最適とされ、明治末期には出町・荒神口・丸太町付近から下流は三条で、水洗の作業をすることが許可されていた。
ちなみに、『写真でみる京都100年』のp.45によると、桂川での友禅流しは1965(昭和40)年まで続いたとされている。
現在では、和装振興のために京都染織青年団体協議会が毎年友禅流しを再現している。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 染色加工.染色業 (587 9版)
- 染織工芸 (753)
- 参考資料
-
- 『京都近代染織技術発達史』 京都近代染織技術発達史編纂委員会著 京都市染織試験場 1990 445p (当館請求記号K1/586.72/KY6)
- 『京都水ものがたり』 平野圭祐著 淡交社 2003 169p (当館請求記号K1/517.21/H66)
-
『染織α』 染織と生活社編刊 255号 2002年6月 - 『近代友禅史』 村上文芽著 芸艸堂 1927 8,307,15p 図版29枚 (当館請求記号K1/753.8/Y99)
- 『写真でみる京都100年』 京都新聞社編刊 1984 302p (当館請求記号K1E/216.2/KY6)
- キーワード
-
- 友禅流し
- 鴨川
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000074226