1 栽培漁業の歴史と現代の研究について
(1)栽培漁業の歴史
(ア)当館所蔵資料
次の資料に栽培漁業の歴史に関する記述がある。
・『日本漁業の展開過程-戦後50年概史』(岩崎寿男/著 舵社 1997年)〔当館請求記号:6621 I3〕
Ⅸ沿岸新時代の課題 Ⅸ-3つくり育てる漁業の振興(236~251頁)
・『日本漁業近代史』(二野瓶徳夫/著 平凡社 1999年)〔当館請求記号:6621 N7〕
第二章近代的漁業技術の模索 8養殖業 (87~92頁)
・「養殖の歴史と将来への展望 (海面養殖業の将来像<特集>)」
(古林英一/著 『農林統計調査 44(9)』 4~10頁 1994年9月に所収)
〔当館請求記号:雑誌のため請求記号なし〕
(イ)国立情報学研究所論文ナビゲータ「Cinii」による検索
国立情報学研究所論文ナビゲータ「Cinii」で、「養殖」と「歴史」をキーワドに検索した結果、
次の論文に、海外での養殖の歴史について記述があることがわかった。当館に所蔵がなく、インターネット上に
本文の公開がないが、国立国会図書館に所蔵していることが確認できた。
・「海外の陸上養殖の背景と取り組み (海外施設の創意工夫--養魚施設にみる海外養殖の歴史と発展)」
(田上征志/著 『養殖 39(4)』 119~122頁 2002年3月に所収)
・「海外養殖の新しい動きと先進事例 (海外施設の創意工夫--養魚施設にみる海外養殖の歴史と発展)」
(守村慎次/著 『養殖 39(4)』 111~118頁 2002年3月に所収)
(2)栽培漁業の現代の研究
栽培漁業の現代の研究については、件名(資料の主題をことばで表現したもの)を「水産増殖」とし、2005年以降に
発行したものを対象に検索したところ、当館に次のような資料を所蔵していることがわかった。
・『水産増養殖システム 1(海水魚)』(恒星社厚生閣 2005年)〔当館請求記号:6660 S3 1-1〕
・『水産増養殖システム 2(淡水魚)』(恒星社厚生閣 2005年)〔当館請求記号:6660 S3 1-2〕
・『水産増養殖システム 3(貝類・甲殻類・ウニ類・藻類)』(恒星社厚生閣 2005年)〔当館請求記号:6660 S3 1-3〕
・『水産増養殖システム 4(アトラス)』(恒星社厚生閣 2007年)〔当館請求記号:6660 S3 1-4〕
・『養殖海域の環境収容力(水産学シリーズ 150)』(古谷研/〔ほか〕編 恒星社厚生閣 2006年)
〔当館請求記号:6608 N1 1-150〕
・『日本の水産養殖-ぜひ知っておきたい,人の手で育つ魚たち』(中田誠/著 幸書房 2008年)〔当館請求記号:6666 N4〕
・『養殖の餌と水-陰の主役たち』(杉田治男/編 恒星社厚生閣 2008年)〔当館請求記号:6661 S2〕
・『魚類の栄養と飼料 改訂』(渡邉武/編 恒星社厚生閣 2009年)〔当館請求記号:6661 W2〕
2 魚つき林について
(1)日本の魚つき林がどういう経緯でできたか
(ア)国立情報学研究所論文ナビゲータ「Cinii」による検索
「Cinii」で「魚つき林」、「魚付き林」、「魚付林」をキーワドに検索した結果、次の論文がインターネット上で
本文が公開されていることがわった。
・「沿岸域における魚付林制の形成過程 : 藩政時代から明治時代まで」(浜口弘幸/著 『史泉 106』
2007年 A1-A18所収
(イ)当館所蔵資料
当館所蔵資料のうち、次の資料が参考になると思われる。
・『システムとしての〈森-川-海〉-魚付林の視点から』(長崎福三/著 農山漁村文化協会 1998年)
〔当館請求記号:6620 N3〕
・『日本の魚附林-森林と漁業との関係』(農商務省水産局/編 農商務省水産局が1911年(明治44年)に
『森林ト漁業トノ関係』として発行したものを信山社出版が1998年に復刊)
〔当館請求記号:6621 N8〕
・『森林と魚』(水産庁/編・発行 1993年)
〔当館請求記号:6600 S1〕
(2)日本の魚つき林の数と面積
魚つき林の数や面積は調査した資料や情報に記述がなく不明であるが、森林法に基づく魚つき保安林の面積がわかった。
(ア)林野庁のホームページ
林野庁のホームページの「保安林の種類別面積(延べ面積)」には、魚つき保安林が平成20年3月31日現在、国有林8,000ha、
民有林49,000ha、計58,000haであるとしている。
〔林野庁のホームページの「保安林の種類別面積(延べ面積)」のURL〕〔最終確認日:2010年9月28日〕
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2_2_1.html (イ)当館所蔵資料
・『森林・林業百科事典』(日本林業技術協会/編 丸善 2001年)
〔当館請求記号:6503 N2 1-2〕
本書の魚つき林の項に、「森林法に基づく魚つき保安林は、主として海や湖沼に面する山腹斜面の森林で、沿岸漁業上
必要不可欠なものを指定している。1997年(平成9年)現在、魚つき保安林は全国で約28,000haあり、都道府県別では
北海道が最も多く、岩手県、長崎県がこれに次ぐ。」とある。県別の数値については触れていない。
・『システムとしての〈森-川-海〉-魚付林の視点から』(長崎福三/著 農山漁村文化協会 1998年)
〔当館請求記号:6620 N3〕
Ⅳ森と海を結ぶ魚付林の表7「魚付利保安林面積」に、平成9年時点での県別の魚つき保安林の面積が示されている。(143頁)
なお、この時点での全国の魚つき保安林の面積は、28,694ヘクタールとなっている。
(3)外国の魚つき林に関する資料
次の資料を見ましたが、残念ながら外国の魚つき林に関する記述はなかった。
・『森林の百科事典』(太田猛彦/〔ほか〕編 丸善 1996年)〔当館請求記号:6503 O1〕
・『森林・林業百科事典』(日本林業技術協会/編 丸善 2001年)〔当館請求記号:6503 N2 1-2〕
・『森林大百科事典』(森林総合研究所/編 朝倉書店 2009年)〔当館請求記号:6503 S1 2〕
・『森林の百科』(井上真/〔ほか〕編 朝倉書店 2003年)〔当館請求記号:6503 I1〕
・『新水産ハンドブック 改訂版』(川島利兵衛/〔ほか〕編 講談社 1988年)〔当館請求記号:6603 S6〕
・『水産大百科事典』(水産総合研究センター/編 朝倉書店 2006年)〔当館請求記号:6603 S7〕
なお、当館所蔵の『森はすべて魚つき林』(柳沼武彦/著 北斗出版 1999年)については、長期延滞資料のため
内容を確認することができなかった。
当館以外に、『森はすべて魚つき林』を所蔵する県内の図書館は、高松市中央図書館、さぬき市志度図書館、
丸亀市立中央図書館。