レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006年12月05日
- 登録日時
- 2008/12/04 18:47
- 更新日時
- 2009/08/06 12:51
- 管理番号
- 那覇-中央-34
- 質問
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解決
移動図書館が日本において最初にどこで始められたのか、どういう形態だったのか知りたい。また、他国にも例があれば教えてほしい
- 回答
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わが国のブック・モビルは、1949年(昭和24)千葉県立図書館の<訪問図書館ひかり号>によって開始された(有力説)『図書館ハンドブック 第5版』p77より回答。
わが国では戦後、久保七郎(青梅市立図書館長)によるリヤカー、山間地では人の背による移動が行われたが1948年に高知県、1949年に千葉県、1950年に栃木県、埼玉県、徳島県で自動車による図書館サービスが始められ、1965年日野市立図書館が自動車による徹底的な貸出サービスを行ってから大いに普及した。(その他説)『図書館情報ハンドブック』p816より回答。
- 回答プロセス
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・自館OPAC、キーワード「移動図書館」や「ブックモビル」で蔵書検索をする。
①『ブック・モビルと貸出文庫(シリーズ図書館の仕事15)』がヒットする。内容詳細は下記のとおり。
【日本におけるブック・モビル】において創設期(昭和20~30年)について原論p31に記載あり。
【日本における貸出文庫】において貸出文庫(巡回文庫)のはじめについて概説p142に記載あり。
【ブック・モビルと貸出文庫】において、他国の例、欧米におけるブック・モビルについて原論p25~30に記載があり。
・参考図書で調べる。
②『図書館ハンドブック 第5版』③『図書館情報学ハンドブック』に記載があり。最終的な回答とする。(回答参照)
・他にも、他国における例について④『図書館ハンドブック 第4版』にアメリカやイギリスのブック・モビルについて記載があり。下記のとおり。
・移動図書館の形態としては、自動車のほか、19世紀には馬車が使用され、日本ではリヤカーによるサービスもあった。
ノルウェーでは沿岸地帯や島の住民に対して船が利用され、内陸部の住民に対してはバスが利用されている。カナダではヘリコプター、フランスでは鉄道員や沿線に住む家族のために鉄道による図書館がある。
・ブック・モビルはアメリカで広く用いられることばで、「特に図書を運ぶ施設のある貨物自動車で、働く分館としてサービスする。ブック・オートモビル、ビック・カー、ブック・ワゴンともいう」という定義されている。イギリスではモビル・ライブラリーとよぶことが多く、「運搬具にしつらいた図書のコレクションであり、主に辺ぴな地域に向けて図書館サービスを提供することができるように係員が配置されている」と説明されている。
・インターネット検索をする。「移動図書館史研究ノート」ホームページに記載あり。
http://www.digital-narcis.org/johoshak_free_font/5/ishikawa.htm (09/08/01 確認)
・県内においては、1972年、本土復帰により琉米文化会館施設を日本政府が買い上げ、那覇市に無償譲渡し、「市立那覇文化センター」として同年11月3日に開館される。1975年、市の組織、機構改編によって教育委員会の所管となり、那覇市立図書館として開設。翌年、10月27日に県内初の移動図書館として運行を開始する。(⑤「那覇市立図書館報」より)
⑥『那覇市立移動図書館“青空号”20年の奇跡』(那覇市立図書館/発行)より「座談会:移動図書館“青空号”の誕生を語る」から移動図書館(青空号)の前身ともいえる、琉米文化会館時代に経験した移動文庫の活動について、若干記載あり。
上記の検索結果から、利用者に回答をする。
【補 足】
千葉県立図書館の移動図書館については、『千葉県移動図書館ひかり二十年史』(千葉県立中央図書館1970)『千葉県訪問図書館通信』1号-39号(千葉県訪問図書館ひかり号 友の会1951-1972)などの資料で、その活動内容を知ることができる。※08/11/12 千葉県立中央図書館 コメントより
「回答欄に「久保七郎(青梅市立図書館長)によるリヤカー」とあるのは東京都立青梅図書館長の誤りです。」というご指摘を受けたが、回答は資料に基づき(「図書館情報学ハンドブック」)文中よりそのまま抜き出して回答をしたため、回答欄の修正はしないこととする。
「回答プロセス欄の「移動図書館史研究ルート」とあるのは「移動図書館史研究ノート」の誤りでしょう。」というご指摘について、サイトを確認して回答欄の修正をいたしました。 ※09/07 情報提供メールあり
- 事前調査事項
- NDC
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- 図書館.図書館情報学 (010 9版)
- 参考資料
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- ①『ブック・モビルと貸出文庫 (シリーズ・図書館の仕事15)』 (鈴木四郎・石井敦/編 日本図書館協会/発行 1967年)
- ②『図書館ハンドブック 第5版』 (日本図書館協会/編 1990年)
- ③『図書館情報学ハンドブック』 (図書館情報学ハンドブック編集委員会/編 1988年)
- ④『図書館ハンドブック 題4版』 (日本図書館協会/編 1986年)
- ⑤『那覇市立図書館報』 (那覇市立図書館/発行)
- ⑥『那覇市立移動図書館“青空号”20年の奇跡』 (那覇市立図書館/発行)
- キーワード
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- 移動図書館
- ブック・モビル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000049483