レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年12月05日
- 登録日時
- 2008/01/09 11:31
- 更新日時
- 2008/01/09 11:31
- 管理番号
- 福井県図-20071205-1
- 質問
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解決
岡本綺堂の戯曲「大平記足羽合戦」を読みたい(「大」ではなく「太」)
- 回答
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「太平記足羽合戦(正しくは「大」でなはく「太」)」は三幕からなる戯曲で明治43年に書かれたもの。
後に一幕の「義貞最期」と改作され、現存するのは改作後の作品のみ。
「義貞最期」は『綺堂戯曲集 10巻』(春陽堂、1925年)に収められている。
ただし当館所蔵なし。国会ではマイクロ化されているのでコピーは容易か
(綺堂の著作権は切れているので、一作品全てのコピーも可能。近代デジタルライブラリー、青空文庫なし)。
- 回答プロセス
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自館OPAC・NDL-OPAC・WEBCAT・都立図書館OPAC・ポルタ(国会図書館デジタルアーカイブポータル)いずれもヒットしない。
Googleで検索(念のため「大」平記足羽合戦と「太」平記足羽合戦の両方で検索)。→いずれも「綺堂事物」という岡本綺堂のファンサイトにしかヒットせず。http://kaiki.at.infoseek.co.jp/index.html(本サイトは綺堂文献を博捜しており、信頼性の高いサイト)本サイト内コンテンツ
「綺堂もの上演(初演)リスト」および「岡本綺堂年譜と主要作品」によれば、
本作は明治42年11月に書かれた戯曲で、翌43年9月に芝翫・高麗蔵・左団次らの出演によって初演されたものであることがわかる。
ただし、本サイトは綺堂作品の内容細目も多く載せるが、この戯曲を載せる単行本は載っていない(例えば『岡本綺堂戯曲選集』全8巻にも収められていない)。
次に綺堂研究書をあたる。綺堂の実子・岡本経一の編になる『綺堂年代記』(青蛙房、2006年)の目次で、「大平記足羽合戦」が取り上げられていないか見てみる
→「太平記足羽合戦」がp116~118に取り上げられている。これによると、この「太平記足羽合戦」は「…義貞最期の部分だけを改作して左團次が再演した。現存の脚本は「義貞最期」である」との記載が見られる。
また同書巻末「綺堂戯曲年表」に明治43年「義貞最期」が、「太平記足羽合戦」三幕が原名で後に改作一幕となったこと、『綺堂戯曲集 第十巻』に収載のことが記されている(p459)。
もう一度、「義貞最期」を載せる書籍がないか調べる。当館OPACはヒットなし。NDL-OPACでもナシ。
ちなみに「最期」でなはく「最後」で調べると、NDLで『綺堂戯曲集 第10巻』に収載されていることがわかる
(同様の検索結果は都立図書館蔵書検索でも得られた…都立では正しく「義貞最期」で登録。)。
その他、Googleでも「義貞最期」「義貞最後」を検索するが、上記『戯曲集第十巻』にしか載っていないもよう。
(当館ふるさと文学コーナーの資料では、当該作品に関する記載見出せず)
- 事前調査事項
- NDC
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- 戯曲 (912 8版)
- 参考資料
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- 『綺堂年代記』青蛙房、2006年 (910.268/オカモ)
- キーワード
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- 太平記足羽合戦
- 義貞最期
- 岡本綺堂
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000040745