レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/09/13
- 登録日時
- 2024/04/07 00:30
- 更新日時
- 2024/04/07 00:30
- 管理番号
- 6001014543
- 質問
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解決
「BM会報」39号(岡山県自動車文庫駐車場運営連絡協議会 昭和57)p3に「昭和29年 開始」とあります。これに関する資料は何かないでしょうか?
- 回答
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山陽新聞には、以下の記事が掲載されていました。
・山陽新聞朝刊 昭和29年10月22日 5面
「懸案の巡回文庫実現 富田、黒崎皮切りに 27日から本社寄贈図書も一役」という記事があります。
「玉島市 山陽新聞二万五千号につづく創刊七十五周年の同記念行事として優良公民館に贈られた図書が基本となって、多年要望された巡回文庫が実現、恵まれぬ読書人を喜ばせている。
市内黒崎、富田、長尾地区は市立図書館まで相当遠距離にあり、これらの読書人にも十分満足してもらおうとかねてから巡回文庫の計画がたてられていたが、図書館の限られた費用では、どうにもならず、今春来各方面の協力を求めて図書の寄贈運動を行う一方、文化団体を動員して図書購入資金募集の映画会を開くなどして図書を集めていたが、こんど山陽新聞創刊七十五周年記念行事として優良公民館図書百冊が寄贈され、これに先に寄贈をうけた同社二万五千号の分を加えて三百冊を突破するという予想外の好成績を得たので、懸案の巡回文庫計画は一挙に成就した。
図書館ではさっそく三十冊入り巡回箱二個をつくり、各地区一ヵ月の期間で無料貸与し、文化の向上に役立たせることになった。その第一陣として来る二十七日からの読書週間を皮切りに富田地区と黒崎地区へ各三十冊づつが貸出される。」この記事には、自転車の後ろの荷台に箱が載っており、その中に本が入っている写真がついています。
・山陽新聞朝刊 昭和29年12月16日 4面
「”うちの部落も来てくれ” 玉島市 玉島図書館 大好評の巡回文庫」の記事には以下記述があります。
「玉島図書館が…さる10月下旬の読書週間から実施している巡回文庫は非常な好評を博し、現在では市内富田、黒崎、長尾などの合併地区の11部落の読書会に毎月1回巡回し、1日平均300冊が読まれ、また月に600人が読書しているが、さらに続々と各地から巡回を望む依頼が殺到しており、係員たちはうれしい悲鳴をあげている。」
・山陽新聞朝刊 昭和29年12月25日 4面
「15万円を要求 玉島市 好評の巡回文庫充実費に」には以下記述があります。
「市立図書館では十月下旬から実施している巡回文庫が予想以上の好成績で各地の読書会からひっぱりだこの人気を博しているので、これら市の郊外の熱心家の読書欲に応えるため巡回文庫充実費として15万円を来年度の市当初予算に計上するよう市当局に陳情することを決めた。」
また、以下資料にも記述がありました。
・『玉島図書館二十年史』 玉島図書館
p7「昭和二十九年一〇・一七 巡回文庫開始」の記述があります。
p8「昭和三十六年四・十六 巡回文庫用軽自動車をライオンズクラブより寄贈」と記述があることから、昭和29年10月~昭和36年3月まで自転車による巡回文庫が行われていたと思われます。
・『倉敷の図書館 図書館要覧(基本編)』 倉敷市立中央図書館 平成25年6月
p2「昭和29年10月17日 玉島 巡回文庫を創設」の記述があります。
・『岡山県公共図書館要覧 昭和30年度』 岡山県青年図書館員研修会/編 岡山県青年図書館員研修会
p50 市立玉島図書館 「館のあゆみ」に「昭和30年1月 図書を5部門に別置(レファレンス、ブラウジング、児童、特別、巡回文庫)」の記述があります。
p54「文庫閲覧(ブックモビルを含む)」の項目に以下記述がありました。
「巡回文庫 学生巡回文庫
何れも青年団、婦人会、会社従業員などの団体から巡回文庫貸出申請書を提出して館長の承認を得て、巡回文庫1箱30冊借用することが出来る。貸出に際しては代表者が借用証を提出して、借用期間1カ月間に限って貸出を行う。
この場合には図書館で巡回文庫用木箱を貸与し、貸出者がこれを自転車に積んで帰って、自己の責任において部落あるいは会員に貸している。代表者は貸出状況の報告をする。」
また、「文庫の特色」の項目には、以下記述がありました。
「半数の本は文学関係書であり、残り半数の本はそれ以外となっている。これは読書を一方に片よらせないための事前の処置であり、選択にあたる人の主観に制限を加える一方法である。今では主に新市内の遠隔地域で利用されている。これは合併町村へのサービスでもある。」
「利用状況」の項目には、以下記述がありました。
「現在約10団体位が利用している。返却状況もよいし、紛失図書もまたすくない。自発的な寄贈図書の申込みもあって大いによろこばれている。
学生巡回文庫は中学生を対象にしているが、今なお本の冊数がすくない。発展はこれからであろう。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 玉島図書館二十年史玉島図書館 (p7、p8)
- 倉敷の図書館倉敷市立中央図書館 (p2)
- 岡山県公共図書館要覧昭和30年度岡山県青年図書館員研修会/編岡山県青年図書館員研修会 (p50、p54)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000348830