レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/29
- 登録日時
- 2023/06/29 14:14
- 更新日時
- 2024/02/29 10:01
- 管理番号
- 鳥県図20230007
- 質問
-
解決
「微渧(みたい)」という仏教用語の意味が知りたい。
- 回答
-
■図書
・「無量義経」の「微渧先堕。以淹欲塵。」の訳を紹介。
・『新国訳大蔵経 法華部 1 無量義経,法華経』p.68~
(注)「一四 微渧 かすかなしずく。『註無量義経』では微渧は苦空を指し、五欲の五塵を淹す、とある。」
・『法華三部経全書 傍訳 第1巻』p.88
「露のしずくが乾いた土の上に落ちると、そこのところだけ塵が立たなくなるように、ほんのさささいな教えが、その人のたくさんの欲のうちの塵ほどのものを静めます。」
・『現代語訳最澄全集 第1巻』p.96
「わずかな滴が先に降ったことによって、欲である塵を洗い流していた。」
・「渧」という漢字の意味を紹介。
・『大漢和辞典 巻7』p.100
「①泣くさま。 ②しづく。 ③こす。」
- 回答プロセス
-
・当館所蔵の仏教用語辞典には「微渧」の掲載なし。
(『広説佛教語大辞典』(中村元/著 東京書籍 2010.7)に「みたい【微體】」の記載はあるが、お尋ねの語ではなかった。)
・Googleブックスで「微渧」を検索したところ、『国文大観 歴史部1』に「無量義経の「微滞まづおちて」などいふところを・・」の記述あり。
・「無量義経」を掲載しているWebサイト(「法華三部経」http://www.nichiren-shu.com/sanbukyo/index.php)を参照し、該当語句の記載箇所を特定。「無量義経徳行品第一」に「(真読)微先墮(訓読)微まず堕ちて」とある。
・「無量義経」で所蔵検索をし、『新国訳大蔵経 法華部 1 無量義経,法華経』『現代語訳最澄全集 第1巻』『法華三部経全書 傍訳 第1』を参照。
・「渧」という漢字の意味について漢和辞典で調査。
(インターネット情報 最終確認日:2023年6月29日)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 経典 (183 10版)
- 仏教 (180 10版)
- 参考資料
-
-
多田, 孝文, 1942- , 多田, 孝正, 1938-2017. 新国訳大蔵経 法華部 1. 大蔵出版, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002553869-00 , ISBN 4804380124 -
塚本啓祥, 多田孝正, 池田魯参 監修 , 塚本, 啓祥, 1929- , 多田, 孝正, 1938-2017 , 池田, 魯参, 1941-. 法華三部経全書 : 傍訳 第1巻 (開経~序品). 四季社, 2008.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009430486-00 , ISBN 9784884055585 -
最澄 [著] , 大竹晋 訳 , 最澄, 767-822 , 大竹, 晋, 1974-. 現代語訳最澄全集 第1巻. 国書刊行会, 2021.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I031450506-00 , ISBN 9784336070692 -
諸橋轍次 著 , 諸橋, 轍次, 1883-1982 , 鎌田, 正, 1911-2008 , 米山, 寅太郎, 1914-2007. 大漢和辞典 巻7 修訂版 鎌田正,米山寅太郎修訂. 大修館書店, 1985.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001727432-00 , ISBN 4469030775
-
多田, 孝文, 1942- , 多田, 孝正, 1938-2017. 新国訳大蔵経 法華部 1. 大蔵出版, 1996.
- キーワード
-
- 微渧
- 仏教
- 経典
- 無量義経
- 法華三部経
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000335103