レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/08/19
- 登録日時
- 2014/09/06 00:30
- 更新日時
- 2014/09/17 10:51
- 管理番号
- 6000018045
- 質問
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解決
鼻濁音を「カ」に半濁点「゜」をつけるなどの方法で表すことがあると聞いたが、正式な五十音図に載っている正しい表記法なのかどうか知りたい。
- 回答
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国語表記の基準においては、鼻濁音の表記を濁音と区別はしていない。専門家などで発音の違いを明確にする必要がある場合に、カ行の文字に半濁点をつけて表記する場合があるとの記載が『NHKことばのハンドブック』『みんなの日本語事典』などにあり。
- 回答プロセス
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『現行の国語表記の基準 第五次改定』(ぎょうせい)を調べる。p143-150「現代仮名遣い」で表形式(あいうえお、かきくけこの順に文字を並べた、いわゆる五十音図のかたち)で「次の仮名を用いる」として示されている中には、「゜」がついているものはハ行のみで、カ行はない。
文化庁のサイトより最新の情報を確認すると、「国語施策・日本語教育 国語施策情報 内閣告示・内閣訓令 現代仮名遣い 本文第1(原則にもとづくきまり)」http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/gendaikana/honbun_dai1.html にも同様の記載があり。
Googleで「鼻濁音 表記」で検索すると、NHK放送文化研究所「鼻濁音は消えるのか ことばウラ・オモテ」
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/uraomote/002.html がヒット。一般の表記には鼻濁音と濁音を区別する表記がないが、専門的には濁音は「ガ」、鼻濁音は「カ゜」として半濁点で表記する、との記載があり。
『NHKことばのハンドブック 第2版』(日本放送出版協会)を調べると、p171に鼻濁音についてのコラムがあり。語中や語尾にくるガ行の音はしばしば鼻から息が抜けるようなしかたで発音される(ガ行鼻音または鼻濁音と呼ばれる)。これを普通の濁音と区別するために特に半濁点をつけて表記する場合があるとのこと。
『みんなの日本語事典』(明治書院)p148-149「鼻濁音とは何か ある国語辞典で、「カ゜」という書き方を見ました。日本語にはこんな書き方があるのですか。あるとすれば、どんな発音をするのですか」に、鼻濁音の詳しい説明があり。表記については便宜的にカ行の仮名に「゜」をつけて表し濁音と区別することがある、としている。またp242-243「濁音符・半濁音符の歴史 濁音や半濁音を示すのに、どうしてかなの右上に点々や丸をつけるのですか。また、いつごろからあるのですか」にも、ガ行鼻濁音についての言及があり。仮名に半濁点をつけて音声上の特徴を示すことはパ行音に限らずさまざまな場合に用いられてきたとの記載もあり。
五十音図についての新潟市立中央図書館の事例https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000084838 や埼玉県立久喜図書館の鼻濁音についての事例https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000051034 を参考にさらに本を探したが、正式な五十音図における半濁音の扱いを明記した資料は発見できず。
『NHK 日本語発音アクセント辞典 新版』(日本放送出版協会)p228-230「共通語の発音で注意すること 第2章 ガ行鼻音」では、カ行の文字に半濁点をつけてガ行鼻音を表記しているが、表記に関する解説はなし。
『講座正しい日本語 第二巻 発音編』(明治書院)p170-182「タマゴとタマコ゜」では鼻濁音について論じる際に半濁点を用いているが、表記についての定義等はなし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本語 (810 9版)
- 参考資料
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- 『現行の国語表記の基準』(ぎょうせい)
- 『みんなの日本語事典』中山 緑朗/編(明治書院)
- 『NHKことばのハンドブック』NHK放送文化研究所/編(日本放送出版協会)
- キーワード
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- 日本語(ニホンゴ)
- 表記(ヒョウキ)
- 鼻濁音(ビダクオン)
- 発音(ハツオン)
- 半濁点(ハンダクテン)
- 仮名(カナ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000159445