レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/05/25
- 登録日時
- 2014/10/02 00:30
- 更新日時
- 2015/02/24 16:05
- 管理番号
- 6000000043
- 質問
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解決
三島由紀夫の小説で、豊中を舞台にしているものがあり、映画にもなったと聞いたが、なんというものか。また、ほかに豊中を舞台にした小説があれば知りたい。
- 回答
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『文学にみる豊中の古迹』(鹿島友治)によると、三島由紀夫の『愛の渇き』が豊中の熊野田を舞台にしている。
このほかの豊中を舞台にした文学作品については下記。
- 回答プロセス
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郷土資料の書架を探す。
『文学に見る豊中の古迹』には下記の小説が紹介されている。
『愛の渇き』(三島由紀夫):熊野田
『お月様と犬』(槇さえ):庄本
『閑古堂日録』(石塚嘉門):原田神社
『石を投げる』(小椋鳥黄):庄内
『三重のお茶屋さん』(加藤とみ子):新千里
『青春』(石丸梧平)熊野田・岡町・蛍池
『玄関の孤独・家』(小寺正三)熊野田・岡町
また『大阪近代文学作品事典』(和泉書院)に掲載されている中で、豊中を舞台または舞台の一部にしたものは下記のとおり。なお、特に記載のないものは舞台が「豊中」または「豊中市」。
『アルキメデスは手を汚さない』(小峰元)
「愛しのわが家」(難波利三、『藝人洞穴』に収録):千里
「うろこ落とし」(黒川博行、『カウントプラン』に収録)
「女予言者」(黒岩重吾、『黒岩重吾全集』26に収録)
『ガラスの庭』(黒岩重吾)
「キール・ロワイヤル」(尾川裕子、『星祭り』に収録):伊丹空港
『危険な年齢』(阿部牧郎):千里中央
『結婚の条件』(源氏鶏太)
「幸福の隣で」(藤沢桓夫、『新・大阪物語』に収録)
「最後のプレゼント」(黒岩重吾、『夜の波』に収録)
「寂しからずや」(井上友一郎、『日本現代文学全集 94 北原武夫・井上友一郎・田村泰次郎集』に収録)
「黄昏の悲戯」(難波利三、『通天閣夜情』に収録)
『蓼喰う虫』(谷崎潤一郎)
『土の器』(阪田寛夫)
「荷作りはもうすませて」(田辺聖子、『ジョゼと虎と魚たち』に収録)
「二兎を追う」(黒川博行、『燻り』に収録):千里
『北摂の三姉妹』(本多隆朗)
「火中に立ちてとひし君はも」(広実輝子、『ほむら野に立つ』に収録)
『御堂筋殺人事件』(内田康夫)
「夢とぼとぼ」(田辺聖子、『田辺聖子珠玉短編集』に収録):伊丹空港
『李歐』(高村薫):豊中市待兼山町
『六白金星』(織田作之助)
このほか、大阪ブランド情報局のサイトの「時代を超えて読みつがれる大阪の文学 巨匠・名作・名場面(PDF)」http://www.osaka-brand.jp/panel/books.pdfによると、高橋三千綱は豊中生まれで、「親父の年頃」(当館所蔵資料では『彼の初恋』講談社に収録)には豊中市の生家を訪ねるくだりがあるとのこと。
なお『大阪文学地図』(編集工房ノア)には、『アルキメデスは手を汚さない』の解説があり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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- 『文学にみる豊中の古迹』鹿島 友治/著(鹿島友治)
- 『大阪近代文学作品事典』浦西 和彦/編(和泉書院)
- キーワード
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- 三島由紀夫(ミシマ ユキオ)
- 愛の渇き(アイ ノ カワキ)
- 小説(ショウセツ)
- 豊中(トヨナカ)
- 文学(ブンガク)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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『保存版 豊中・吹田今昔写真帖』(郷土出版社)p2「『愛の渇き』の舞台となった江村農園」には、昭和33年段階の農園の名残と江村邸の航空写真、平成19年時点の現地(公団・旭丘団地)の写真があり。
『ふるさとの想い出 明治・大正・昭和 豊中』(郷土出版社)p9「江村農園の一部」には昭和10年に三島由紀夫の叔母の夫である実業家江村氏が別荘を建て農園を開墾した当時の写真があり。p72「江村別荘を望む」には服部霊園から写した江村氏の別荘の遠景写真があり。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000160480