寛永の大造替の期間について、記述を確認した資料は以下のとおりです。
・『日光市史 中巻(近世)』(日光市史編さん委員会/編 日光市 1979)
「寛永の東照宮大造替」の「寛永十三年の大造替」の項に、大造替の開始年代に関する記述があります。(p.384-386)
「寛永十一年(一六三四)十一月十七日、日光東照社の造営工事が開始された。この造営は元和三年(一六一七)創建の諸堂社の全面的な造り替えであって、寛永の大造替といわれる。」(p.385)
また、「寛永大造替の開始年代については、かつて、寛永元年(一六二四)起工の説があった。」(p.385)とあり、起工年が寛永元年説から寛永十一年説に変化した経緯がまとめられています。
・『日光廟建築』(田辺泰/著 彰国社 1946)
「日光東照宮寛永の造替」の章(p.13-31)に「既往の通説」「平泉博士の新説」「大熊博士の新説」の項があります。
寛永大造替の年代について、各説は次の通りです。当該資料は各説について、多数の史料を基に紹介しています。
既往の通説:「寛永元年から十三年まで」(p.15)
平泉博士の新説:「寛永十一年冬に始まり、同十三年春に至って竣工落成した」(p.22)
大熊博士の新説:「準備期間を加へても(略)十一年の暮頃に着手した」(p.31)
また、「日光東照宮の造修営」の章に「寛永の造修営」の項(p.38-47)があります。
また、寛永の大造替に関する資料として、『東照宮史』に記述、『大日光』に史料「日光東照宮造営帳」の掲載を確認しました。
・『東照宮史』(別格官幣社東照宮社務所/編、発行 1927)
p.43-157「第四章 造営」
p.46-48「寛永の造替」
・『大日光 第12号』(日光東照宮/編、発行 1959)
p.33-36「史料 寛永十三年 日光東照宮造営帳(一)」
・『大日光 第13号』(日光東照宮/編、発行 1959)
p.39-44「史料 寛永十三年 日光東照宮造営帳(二)」