レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/5/2
- 登録日時
- 2013/12/31 19:42
- 更新日時
- 2014/05/29 21:42
- 管理番号
- OSPR13040063
- 質問
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解決
「漫景」の定義と、絵を探しています。
- 回答
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google booksの「漫景」の検索結果から、当館所蔵資料で内容を確認しました。
1.『戦後野球マンガ史:手塚治虫のいない風景(平凡社新書)』【L33/154N】
引用します。
p.15「”漫景”と呼ばれるパノラマ風1コマ漫画では、野球はよく使われたようだ。」
P.16「一九四七(昭和二二)年一〇月発行の『こども漫画』(川津書店)第二巻八号は、「少年野球」特集号である。全一二ページのペラペラの、しかも四色の雑誌であるこの号では、四人の作家が野球をテーマにマンガを書いている。芳谷まさる(芳谷圭児の父)の「二十年前の日本一の少年チーム」は、この頃(つまり四七年当時)活躍していた一流選手の子供時代の姿を描き、少年ドリームチームの漫景を展開している。そこには川上、大下、藤本、土井垣の名を見ることができる。・・・おおたじろうの「早慶戦」も同じく見開きの漫景。」
2.『正伝・昭和漫画:ナンセンスの系譜』【726.1/3N】
p.112「すぐに『小学一年生』に四色、見開きの漫景(漫画の景色)を描け、とおおせつかった。運動会の風景で真ん中にフィールドを描き、トラックを走る子供たちと見物人が大勢、隅から隅までぎっしり埋め尽くしてくれ、という構図を指定された」と馬場のぼる氏がインタビューに答えています。
3.『藤子不二雄論:FとA(印刷は〇の中にA)の方程式』【726.1/849N】
巻末の藤子不二雄総合年表」に「イラスト・エッセイ集、ふつうのマンガ作品以外には、作品形式を< >にて示した。」として、作品名のあとに<漫景>と記載のあるものがあります。なお、「F作品」は「藤子・F・不二雄作品」、「A(印刷は〇の中にA)作品」は「藤子不二雄A(印刷は〇の中にA)作品」です。
1957年(昭和32年)
F作品
百年後の年のくれ<漫景> 冒険王/12月号(「年のくれお笑い館」より)
おとぎの国のお正月<漫景> 漫画王/1月号(「お正月ニコニコまんが大会」より)
A作品
(無題)<漫景> 幼年クラブ/2月号(「のりものクラブ」より)
そのうち、当館国際児童文学館の蔵書で内容を確認できたものを2点ご紹介します。
『漫画王』9巻1号(1957.1)【BA/M】p.54-55の上部
「ふじこふじお」名で「おとぎの国のお正月」の1コマ漫画が掲載されています。門松のある家の前の道で、子供達や動物達(犬、猫、猿、兎など)が凧揚げ、独楽回し、竹馬などで遊んでいます。
『幼年クラブ[戦後]』13巻2号(1957.1)【BA/Y】p.109の上部
「ふじこふじお」名で「のりものクラブ」の1コマ漫画が掲載されています。子供達がロープウェーやおもちゃの車に乗って遊んでいます。
4.『文章倶楽部』12巻9号(1927.9)【910.5/4N】
p.45「文壇漫景1」、p.99「文壇漫景2」が掲載されており、CD-ROM版No.8(12-9TIFファイル)で当該ページを見たところ、多数の文士と思われる人が描かれた1コマ漫画が掲載されていました。池田三郎氏によるものです。
なお、「漫景」のキーワードは、CiNiiではヒットしませんでした。
NDLサーチでは、いくつかデジタル資料がヒットしましたが、国立国会図書館の館内閲覧のみでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 漫画.挿絵.児童画 (726 8版)
- 参考資料
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- 『戦後野球マンガ史:手塚治虫のいない風景(平凡社新書)』(米澤嘉博/著 平凡社 2002.9) (15-16)
- 『正伝・昭和漫画:ナンセンスの系譜』(寺光忠男著 毎日新聞社 1990.3) (112)
- 『藤子不二雄論:FとAの方程式』(米沢嘉博/著 河出書房新社 2002.4) (293-325)
- 『漫画王』9巻1号(秋田書店 1957.1) (54-55)
- 『幼年クラブ』13巻2号(大日本雄弁会講談社 1957.2) (109)
- 『CD-ROM版文章倶楽部 No.8(マイクロ版近代文学館 5)』(日本近代文学館マイクロ編纂委員会/編 八木書店 1995) (CD-ROM 12-9.TIF)
- キーワード
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- まんけい
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000142911