レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/02/17
- 登録日時
- 2022/03/02 00:30
- 更新日時
- 2022/03/17 11:40
- 管理番号
- 11440608
- 質問
-
未解決
1956年ローマ・1958年東京で開催された、ハンセン病に関する国際会議について、日本からの参加者の名簿があれば見たい。
- 回答
-
ご照会の事項について、「国際」「らい」「ハンセン病」「会議」「international」「congress」「leprosy」などのキーワードを組み合わせて調査しましたが、1956年にローマで開催された会議および1958年に東京で開催された会議における日本語表記の参加者名簿は確認できませんでした。
ご参考までに、既に調査していただいたインターネット情報1および資料1では、1956年ローマで開催された国際会議に日本人は3名以上出席しているように読み取れます。一方、資料2から5までによると、日本人出席者は3名のみと読み取れます。
また、1958年に東京で開催された会議は、既に調査していただいた資料6には英語表記の参加者名簿が記載されています。
さらに、国立ハンセン病資料館が第7回国際らい会議の日本語の会議録の可能性がある資料7を所蔵しているようです。
【 】内は当館請求記号です。
インターネット情報1
財団法人日弁連法務研究財団( https://www.jlf.or.jp/ )
>ハンセン病問題に関する検証会議 最終報告書( https://www.jlf.or.jp/work/hansen/report/ )
>「第十五 国際会議の流れから乖離した日本のハンセン病政策」( https://www.jlf.or.jp/assets/work/pdf/houkoku/saisyu/15.pdf )
※1956年のローマ会議について、p.621に「日本からは、浜野規矩雄、林芳信、野島泰治らが出席し、」とあります。
なお、インターネット情報1の冊子での国立国会図書館の所蔵は、以下のとおりです。
・ハンセン病問題に関する検証会議最終報告書 上 日弁連法務研究財団ハンセン病問題に関する検証会議 編. 明石書店, 2007.8 【EG244-H197】
冊子ではp.827に記載されています。
資料1
ハンセン病政策の変遷 : 沖縄県ハンセン病予防協会創立40周年記念出版 犀川一夫 著. 沖縄県ハンセン病予防協会, 1999.3 【EG244-G138】
※1956年4月のローマ国際会議について、p.110に「(日本より浜野規久雄、林芳信、野島泰治氏等が出席)」とあります。
資料2
患者の権利法の制定を求めて : いのちと人間の尊厳を守る医療のために : 日本弁護士連合会第54回人権擁護大会シンポジウム第3分科会基調報告書 日本弁護士連合会第54回人権擁護大会シンポジウム第3分科会実行委員会 編. 日本弁護士連合会第54回人権擁護大会シンポジウム第3分科会実行委員会, 2011.10 【AZ-581-J199】
※p.307に「1956(昭和31)年、ローマで開かれたローマ会議に野島先生(注:大島青松園園長の野島泰治)は日本の代表の3人の内の1人として行き、あと2人は、多摩全生園の林芳信園長と行政官の浜野規矩雄(当時、厚生省の予防局長を退官して藤楓協会の理事または理事長)でした」とあります。
なお、資料2は日本弁護士連合会( https://www.nichibenren.or.jp/index.html )のホームページでも公開されています。
「人権擁護大会・シンポジウム」( https://www.nichibenren.or.jp/document/symposium/jinken_taikai.html )
>「2011年 第54回人権擁護大会・シンポジウム(10月6、7日・高松)」内の「第3分科会基調報告書3資料編第4節第2~第4の1」( https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/organization/data/54th_keynote_report3_3.pdf )
資料3
全患協運動史 : ハンセン氏病患者のたたかいの記録 復刻 全国ハンセン氏病患者協議会 編. 一光社, 2002.11 【EG244-H11】
※pp.192-229「年表」のうち、p.204の1956(昭和31)年4月16~18日の項目に、「ハンセン氏病患者の保護および社会復帰に関する国際会議」に「日本から林全生園長、野島青松園長、浜野藤楓協会理事長が出席。」とあります。
資料4
復権への日月 : ハンセン病患者の闘いの記録 全国ハンセン病療養所入所者協議会 編纂. 光陽出版社, 2001.10 【EG244-G201】
※1956(昭和31)年4月16~18日の「らい患者の救済と社会復帰のための会議」について、pp.26-27に「日本からは藤楓協会理事長・浜野規矩雄、全生園園長・林芳信、青松園園長・野島泰治の三人が出席した」とあります。
資料5
招請講演 らい予防法廃止への道 日本皮膚科学会雑誌 = The Japanese journal of dermatology. 107(13) 1997-10 pp.1582-1586【Z19-202】
※p.1586「らい国際会議の決議」に、「1956(昭和3(※原文ママ))年4月16日より同18日まで、ローマにおいて(中略)開催された「ライ患者の救済と社会復帰のための国際会議」は、」「(中略)これに3人の日本人専門家が参加したが、」とあります。
資料6
タイトル:Transactions of the VIIth International Congress of Leprology, Tokyo, November 1958 / held under the joint sponsorship of the International Leprosy Association [and] Tofu Kyokai (Japanese Leprosy Foundation) ; with the collaboration of the Ministry of Health and Welfare [and] Japanese Leprosy Association 出版者:Tofu Kyokai, 出版年:1959 【616.998-I61t】
※pp.xxix-xxxivに”Members of the Congress”として、VIIth International Congress of Leprologyの実際の参加者184名のリスト(英語表記)が記載されています。ただし、associate membersとして登録されている女性や、観客として登録なしで参加が認められた約120名の日本人医師は含まれていません。
なお、資料6は「近現代ハンセン病資料アーカイブス」( https://www.archhdjp.jp/ )で全文閲覧できます。
資料7
資料番号:200006102, 200006103, 200019504
タイトル:国際らい学会議 第7回
著者名:国際らい学会議
出版者名:東京:[国際らい学会議]
出版年月:1958.11
和洋区分:日本語
資料区分:図書
配架場所:書庫, 書庫, 閲覧室
貸出区分:否
内容注記:情報源のタイトル表記: 國際らい学会議欧文タイトル: International Congress of Leprology英文併記
※資料7の書誌的事項は、国立ハンセン病資料館が提供する、国立ハンセン病資料館蔵書検索( http://www.hansen-dis.jp/opac/book/index.php )にて確認しました。
[その他の調査済み資料およびデータベース]
・ハンセン病の社会史 : 日本「近代」の解体のために 田中等 著. 彩流社, 2017.6 【EG244-L105】
・語り継がれた偏見と差別 : 歴史のなかのハンセン病 福西征子 著. 昭和堂, 2017.3 【EG244-L96】
・近代日本におけるハンセン病政策の成立と病者たち (歴史科学叢書) 猪飼隆明 著. 校倉書房, 2016.10 【EG244-L92】
・ハンセン病 : 排除・差別・隔離の歴史 沖浦和光, 徳永進 編. 岩波書店, 2001.11 【EG244-G184】
・差別された病 : 裁かれたハンセン病隔離政策 山岸秀 著. かもがわ出版, 2001.8 【EG244-G178】
・らい文献目録 : Composite index of Japanese magazine and journal articles : ハンセン病 社会編 (雑誌記事索引集成 ; 専門書誌編 38) 厚生省 原版監修, らい文献目録編集委員会 原版編集. 皓星社, 1999.12 【E1-G74】
・ハンセン病の歴史とらい予防法 日本聖公会東北教区宣教部, 1998.10 【AZ-562-G16】
・日本らい史 増補 山本俊一 著. 東京大学出版会, 1997.12 【EG244-G97】
・国立国会図書館オンライン ( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館デジタルコレクション ( https://dl.ndl.go.jp/ )
・CiNii Books ( https://ci.nii.ac.jp/books/ )
・J-GLOBAL ( https://jglobal.jst.go.jp/ )
・国立ハンセン病資料館( https://www.nhdm.jp/ )
・聞蔵IIビジュアル [当館契約データベース]
・毎索 [当館契約データベース]
・ヨミダス歴史館 [当館契約データベース]
・医中誌Web [当館契約データベース]
インターネットおよびデータベースの最終アクセス日は2022年2月9日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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当館で下記の資料・情報を確認しました。(最終確認日:2022年2月5日)
(1) 森修一「ハンセン病対策の歴史と現状:日本と世界」
(『日本ハンセン病学会雑誌』,87巻 2号, 2018年)
* "J-Stage" https://doi.org/10.5025/hansen.87.73
(2)「第十五 国際会議の流れから乖離した日本のハンセン病政策」
(『ハンセン病問題に関する検証会議 最終報告書』
日弁連法務研究財団ハンセン病問題に関する検証会, 2003年)
*同財団報告書トップページ https://www.jlf.or.jp/work/hansen/report/
*厚生労働省報告書トップページ https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/hansen/kanren/4a.html
(3)「近現代ハンセン病資料アーカイブス」 https://www.archhdjp.jp/
1956年ローマ・1958年東京で開催の国際会議とは、(3)p621-p622 の、下記会議を指すものと思われます。
・1956年ローマ:マルタ騎士修道会主催「らい患者救済及び社会復帰に関する国際らい会議」
・1958年東京 :第 7 回国際らい会議(東京)
(2) に東京会議の一部の参加者名の記載が確認され、
(3) に1958年東京会議の会議録が英文で全文掲載されていますが、
日本語による参加者名簿類か、参加者がわかる資料があればご教示いただけますと幸いです。
なお、(3) p621 で引用されている下記図書 (4) について、"NDL-Online",「NDLサーチ」、
「東京都立図書館統合検索」、"CiNii Books" で検索しましたが、所蔵館がありませんでした。
(4)全国ハンセン病療養所入所者協議会編『復権の日月』(光洋出版社, 2001年)
また、「国立国会図書館デジタルコレクション」図書館送信の下記資料 (5) は、
上記 (3) で全文公開されており、参加者の情報がないこと確認済です。
(5)『国際らい会議録』(らい文献目録編集委員会 [訳]編, 長濤会,1957年)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2426806
- NDC
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- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- ハンセン病
- 癩病
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 科学技術(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000312869