レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/06/26
- 登録日時
- 2012/11/17 02:00
- 更新日時
- 2012/11/17 02:00
- 管理番号
- 横浜市中央2115
- 質問
-
解決
横浜市青葉区鉄町の鉄(くろがね)は、産鉄・製鉄地名ではないでしょうか。
解説(語源・由来)等分かる資料があれば、教えてください。
- 回答
-
結論から申し上げますと、横浜市青葉区鉄町の地名の由来が、産鉄・製鉄であると書かれ
ている資料は、見つかりませんでした。
鉄町の地名の由来全般について書かれている資料をご紹介します。
1 鉄町の地名の由来について記述がある資料
(1) 『横浜の町名』横浜市役所 1982
p.231~232
「鉄町
…(略)…クロガネという地名はそう多くはないが、他にもある地名で黒い鐘が土中より
掘り出されたなどという伝説を伴うものもある。
クロという言葉には、黒い色を示すほか、「あぜ」「うぬ」「小高いところ」などの意味がある
という(『地名の語源』)。カネは「曲」でまがった地形をいうものか。
だとすると、山、丘陵がくねった様を形容したものかも知れないが、難解な地名である。
鉄町の隣に黒須田(くろすだ)町があるが、この両町の名称の「クロ」の部分は同じ意味を
持っているものかと思われ、ペアの地名の可能性もある。元々、クロガネないしこれに
近い音の地名があり、それに「鉄」の文字が宛てられたものではあるまいか。
また、クロガネは、「クラ(岩、崖)ケ根(麓)」とも考えられ、十日市場町の字名に
「鉄谷(くろがねやと)」があることも考えあわせると、クロガネとは谷や谷戸の形状を表す
地名であった可能性もある。」
(2) 『研究集録 第17集-武蔵国都筑郡小机領鉄村の研究-
(昭和59年度横浜私立学校教職員教育研究活動奨励事業研究報告書)』
横浜市社会科資料研究会 1985
p.6「明治以前・鉄地域の歴史抄」川又正治
「…(略)…成合鴨志田境にも横穴墓があったと推定され、数多くの遺跡が確認されて
いる。この中で特に注目されるのが祥泉院遺跡の製鉄址である。この製鉄炉址は文字
通り原料から鉄を製したか、他所より鉄塊を移入し製品化したかは不明であるが、
鉄と書いてくろがねと呼称する鉄地区にいくつかの示唆を与える。」
祥泉院とは、鉄町の近くにある寺院で、この地域は昭和40年代に遺跡の発掘調査が
行われています。製鉄址については、次の資料に掲載されています。
・『上谷本第二遺跡A地区・B地区発掘調査概報』中央大学考古学研究会 1971
p.93-95 B-1地区1号遺構と出土遺物
(3) 『日本歴史地名大系 第14巻神奈川県』平凡社 1984
p.227~228
(4) 『角川日本地名大辞典 14神奈川県の地名』角川書店 1984
p.348
(3)、(4)の資料には、横浜市青葉区鉄町のあたりについて、鎌倉期には「黒金」と表記されて
いたと書かれています。
2 その他、確認した資料
次の資料を確認しましたが、横浜市青葉区鉄町の地名の由来については確認できません
でした。
(1) 『横浜緑区史 通史編』緑区史刊行委員会 1993
(2) 『中里郷土史』中里農業協同組合 1969
(3) 『青葉のあゆみ』郷土の歴史を未来に生かす事業実行委員会 2009
(4) 『江戸時代のよこはま 青葉の村々と矢倉沢往還』横浜市歴史博物館 2008
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000114142