レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年09月11日
- 登録日時
- 2012/12/12 16:57
- 更新日時
- 2012/12/26 11:04
- 管理番号
- 新県図-01253
- 質問
-
解決
以下の上杉関係文献の現存状況および所蔵状況を知りたい(その1)。
1 古案記録草案
2 越後記録
3 越後古実聞書
4 越後風土考
5 上杉年譜
6 越後巡杖記
7 上杉家記
8 上杉記
9 景勝一代畧(略)記
- 回答
-
お尋ねの資料の多くは『越後風俗志』1輯(温古談話会 1895)に掲げられているものと判断しました。以下、確認できた範囲で回答します。
1 古案記録草案
『色部史料集』(井上鋭夫/編 新潟史学会 1968 当館請求記号:N211/I57)p1~172に全文が翻刻されています。また、『上杉史料集』下(井上鋭夫/校注 人物往来社 1967 N204/U47/3)p363~374に一部が掲載されており、同書解題(p11)に「米沢藩老臣色部家の当主平隆長が、先祖相伝の古文書が破損してゆくのを憂え、丹誠をこめて、宝暦5年6月書きあげたものである。つまり色部文書を集成したもので、3巻より成り、米沢市立図書館に所蔵されている。」とあります。
2 越後記録
『越後風俗志』1輯p3に、この資料に引用した書名が列記されており、主なものについては成立時期・著者名・巻数が記されています。そこに「慶長年中浅原掃部遺稿巻数未詳」とあります。この著者浅原掃部(あさはら かもん)については、p33~34「捜古家先輩小伝」に記述があり、また、p12には「浅原掃部随筆(慶長初年の記にて越後記録と題名あるも惜哉散乱して連続するを得ず)に曰く」として、そこからの引用文が記されています。このように「越後記録」そのものは現存していないことがわかります。
3 越後古実聞書
「越後古実聞書」は、新潟県の中世までの文献を年代別に列挙した『越佐史料』全6巻(高橋義彦/編 高橋義彦 1925-1931 N200/Ta33)に採録されています。
4 越後風土考
『越後風俗志』1輯p3には「寛文年中関矢凌雲遺稿6巻(未全)」とあり、p34に「氏は東頸城郡松之山郷の豪族通称を源之助と云ふ汎く古典に通暁し詩歌を能くすまた能書の聞えあり寛文年中北越の凌雲とて世に鳴る越後風土考、政道要覧はじめ著書多かりしと雖も故ありて梓に上らず稀に写本に伝はるのみ生涯不眠の奇人なりしと言伝ふ」と凌雲の経歴が出ています。
このようにきちんとした伝本はありませんが、『越後風俗志』中には、『越後風俗考』に次ぐ多さでこの書よりの引用が散見されます。
5 上杉年譜
『越佐史料』に採録されています。
6 越後巡杖記
『越後風俗志』1輯p3に「寛永年中釈俊意遺稿3巻(全)」とあり、p34に俊意の経歴が出ています。また、写本が伝わっているとあり、『越後風俗志』に採録もされていますが、現物は確認されていません。
7 上杉家記
『越佐史料』に採録されています。
8 上杉記
『国書総目録』には”「管窺武鑑(かんきぶかん)」を見よ”と出ており、以下の資料に「管窺武鑑」として翻刻されていることがわかります。
『越後史集』地(黒川真道/編 越後史集刊行会 1916 N200/Ku74/2)
『上杉三代軍記集成』地(黒川真道/編 聚海書林 1983 N204/10/2)※「越後史集」の改題復刻
また、『国書総目録』では、別書名として「上杉家記」は記されていませんが、記載から推測すると「上杉家記」もまた「管窺武鑑」と思われます。
9 景勝一代畧(略)記
『越佐史料』に採録されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 北陸地方 (214 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 上杉家
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000115562